唐草図鑑
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「美しきシモネッタ」

蛇の首飾り


ローマの遺産―“コンスタンティヌス凱旋門”を読む
2010年1月八坂書房刊
謎を秘め永遠の都に立つ記念碑にイタリア美術界の鬼才が挑む
著者: フェデリコ・ゼーリ 1921‐1998。イタリアの美術史家・美術鑑定家。P.トエスカ、R.ロンギに師事。「パラゴーネ」誌をはじめとする内外の美術雑誌に研究論文を精力的に寄稿、数々の真贋論争の火付け役となるなど、独特の存在感を示す論客としても知られた
訳者:大橋 喜之 1955年岐阜生まれ。1989年以降ローマ在。錬金術書を読むBlog「ヘルモゲネスを探して」更新中

このフェデリコ・ゼーリの書(1989年講義録)であるが、初めの美術作品の解読についての話が、興味深かったので、
その箇所を要約すると
何千年にもわたる具象芸術の遺産、作品の解読とは・・
■つかの間の印象・嗜好
■作者の帰属特定という観点
■(図像学)表現とその意味の選択
■文学的な鍵による解読の文学的価値の高い文章(もっとも有害)
■快感を得るための手段と混同

・・・美術作品=一つの交感コミュニケーション)手段
私たちのなす事の全て(顔立ちすらも)は文化の産物である


文学的な鍵による解読がもっとも有害というのに・・なるほどね、と笑った。
ついで、「美しきシモネッタ」という絵画で、こうした類を前にして大切なのは、主題に関するものから技法に関するものまで、できる限りたくさんのデータを収集することが大事、という話。
実に長い分析・長い注視を具象作品に向けた後、やっと何事か類型的でないことを言い得るようになる・・と。

「ガブリエレ・ダヌンチオの美術解釈・・豊かな響きに溢れた文学表現・・・蠱惑的、人を魅了してやまぬもの。しかし、 話題になっている絵画についてはたいしたことを言っていない、それは別の絵画に機械的に当てはめることができるようなものである」
なるほどね・・・


Wikipedia(Arco di Costantino)315年


さて。長い分析・長い注視をむけてローマの遺産―“コンスタンティヌス凱旋門”を読む書を、一読しましたが、凱旋門は私としては今はここまでです・・(>_<)
こちらのテーマは、ヘビ画像・・・・初めのシモネッタの蛇の首飾りのあたりのみで・・・・


「美しきシモネッタ」(シモネッタ・ヴェスプッチの肖像) ピエロ・ディ・コシモ
オーマル公のコレクション(仏シャンティイのコンデ美術館

「美しいというのにもまして脆く繊細
蛇・・この若い女性の死をあらわす
大きな黒雲のある風景・・早世が定められている証」

ルーブルに次ぐ古典画の収集量を誇るコンデ美術館
フランス美術館・博物館情報 ◆パリ北駅から列車で約30分のChantilly-Gouvieux下車
https://weltgeist.exblog.jp/7423738/
https://www.hotel-freak.com/city/fr/chantilly ◆ランブール兄弟作、‘ベリー公のいとも豪華な時祷書’(1413~1416)は写本の写本公開

*ようやく行ってきました。(2018年6月24日)

シャンティイ城 @ロトンダ

お目当ての蛇のネックレス


ピエロ・ディ・コジモのシモネッタ・ヴェスプッチ(1480年頃)
絵の中、下部にシモネッタ・ヴェスプッチとあり、額縁に、ピエール・デ・ コジモのプレート

*シャンティイ城の門のミケランジェロの「奴隷」


蛇の首飾りの検索

検索の結果は西洋でなく東洋・・・

◆ネパール―小さな生神クマリは、
蛇の首飾りをつけ、シヴァの眼を持つ
画像検索したのですが、そういう首飾りが見えません・・?


大安寺の馬頭観音。
一木彫り。秘仏。
馬頭がなく、かわりに胸飾り、そして足首に蛇
◆馬が牧草を喰むように、諸種の悪を食いつくしてくれる仏様: https://www.daianji.or.jp/01/0102.html 瓔珞に絡まる蛇・・上向きのようだ
2匹いるのだろうか?縄目状・・
もっとみてみます

2010年3月24日


2016年3月21日、奈良の大安寺で毎年3月のみ公開される、
馬頭観音立像特別拝観 に行ってきました。


上の冊子「大安寺の美術」所収の像はこちらであった。

千手観音立像(伝馬頭観音)


木造(榧かやの一木造り) 像高173.5cm
憤怒相の表現:焔髪状態に髪を逆立て、眉根を寄せ眦をつり上げ、上歯で下唇をかむ
胸飾と足釧に蛇のからみつく形を表し、
裳の上に重ねて獣皮の腰衣を巻きつけ、
岩座上の踏み割蓮華の上に立つ」
説明には「異形の忿怒像であることから本来の尊名はなお定まらない」とある。


公式サイトで見られる像は、このように、鉾と蓮華を持ち
円光をつける

こちらのブログがこのお寺の概観についてよく調べておられる。


 宝仏殿には造営初期の瓦と、最も多量に出土する「大安寺式瓦」の比較展示があった。瓦と唐草文についてはこちらに続く 。テーマの 蛇のネックレスの方であるが、シヴァ神のコブラの首まきを以下に追加・・

Lord-Shiva-Murudeshwara
シヴァ神である。像が大きいので驚く‥そして蛇の首飾りである(コブラであるが)
→仏教美術入門 仏教の天部 (仏になったヒンズー教の神) 


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