唐草図鑑

西洋の芸術(中世)

ヤヌス(図像)

As janus rostrum okretu ciach.jpg
"As janus rostrum okretu ciach" by Ultima Thule, 1927 - Ultima Thule, 1927. Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.

キリスト教中心、中世初期より近世になっていくのだが、説明が簡単明瞭なので、まず、こちらから参照します

『西洋シンボル事典-キリスト教美術の記号とイメージー』(八坂書房2003 ゲルト・ハインツ=モ―ア著)

(p62)

1つの頭に付与された数個の顔は、時の経過に係わる古代のヤーヌスの象徴的意味を示し、それゆえ月暦図(1月Januar)にも表れる。
このような場合、ヤーヌスの二面性ばかりでなく、時の三重の顔(過去、現在、未来)が登場することもある。
枢要徳である 賢明(prudentia)も2つの顔で表現される。
しかし3つの顔を持つ頭はまず何よりも神の三位一体のシンボルとなる。それに対応して悪魔も、神の三位一体の猿まねである、三重の顔を以て現れる。

賢明(prudentia)も二つの顔で・・とあるのが不明・・三面像?

『教会の怪物たち ロマネスクの図像学』
尾形希和子著 ( 2013年 講談社選書メチエ)(p70)「三面像」


(p71)「賢明(Prudenza)」の寓意
シエナ大聖堂床モザイク(1406年ごろ)
http://en.wikipedia.org/wiki/Prudence

Siena, pavimento, prudenza.JPG
"Siena, pavimento, prudenza" by sailko - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via Wikimedia Commons.

『西洋シンボル事典-キリスト教美術の記号とイメージー』(八坂書房2003)

数のシンボル

(p64)
1

分割できない単位の象徴、神の象徴

2

複数を示す最初の数であり、それゆえ本当の意味での最初の数と言える。
アダムとエヴァ、カインとアベル、モーセとアロン・・
対の獅子、双頭の竜、2つの要素から成る生き物(グリフィン、セイレーン、ケンタウロス)は人間に優越する不可解な力を表している。二元論はロマネスク美術の象徴主義の本質を規定するものである。
お互いを統合し合うような形態。 2匹の蛇に囲まれた日輪、2本の枝と1本の幹を持った生命の木の象徴的意味もここに含まれる

3

 完全と成就を示す数であり、世界全体の鍵、神を象徴するに最もふさわしい数である。 アフグスティーヌスに従えば、3は魂を4は肉体を示している。
ヨナが大魚の体内にいたのも、キリストが墓の中にいたのも3日。
ピュタゴラス学派の哲学者はすべてのものが初め、中間、終わりの3という数で規定されると考えた。
神聖の3つの局面3群に大別される神々という考え方は中国、チベット、エジプト、ペルシア、バビロニア、あるいはヒンドゥー教、ミトラ―ス教などに見られるものである。 

神を象徴する3とは反対に、昔から地上の世界を示す数とされた。四代元素、正方形、4つの季節、楽園から流れ出す4つの川

ついで網羅的なこちらから、ピックアップ・・

『イメージ・シンボル事典』(大修館書店1984)

3(three)

(p635)

聖なる数字で、3相を持つ神々と関連する。

a.エジプトでは、太陽の3相を表す神は、ホルス(朝)、ラ―(昼)、アトゥム(夜)
また、太女神イシスは、妹-花嫁、母、寡婦(埋葬準備者)の3つに分割された。

b.ギリシア・ローマでは三叉の稲妻を持つゼウスの司る天界、 三叉の鉾を持つポセイドンの司る海、 三つの頭を持つ犬を率いるハデスの司る冥界である。
また、モイラ(宿命)、 復讐の女神達、 美の女神達(豊穣)、ハルピュイア、セイレンなどはそれぞれ3つ組であった。

『イメージ・シンボル事典』(大修館書店1984)

ヤヌス(Janus)

(p366)

1. 全体性を表す
東西を向く2つの頭を持つところから、双頭の鷲との関連で、過去と未来、歴史と認識(洞察)という全体性を表す。

2.万物の支配を表す。
光の原初神 ディアヌス(Dianus)は、ラテン人の間ではヤヌス、ギリシアではザン(Zan)すなわちゼウスとなった。

3.(その年の)門神 

一日の最初の時間、また1月はヤヌスに捧げられた。

(p184) door:「戦争の両開きの扉」(the Twin Doors of War)ヤヌスの神殿では、戦時中は開かれ、平穏時には閉じられていら(ベルギリウス「アエネイス)

もう一冊参照・・・こちらは「図説」ということで、また東洋を含む・・

『図説 世界シンボル事典』(八坂書房2000 ハンス・ビーダーマン著)

3つ組/三面神 (独)Dreigestalt、(英)triad

(p415)

3つ組の女神、または3面の女神はとりわけ古代ギリシア・ローマのイメージ世界に頻繁に登場する。 

こした女性像は、ほかならぬ女性の領域から力強い存在が出現して欲しいという気持ちを「表現したものであり、男性神の3つ組より顕著に表れているように思える。

カリステ(美の3女神)、ホライ(季節の3女神)、モイライ(バルカイ、宿命の3女神)、ゴルゴン、グライアイ、そしてエリニュエス(復讐の3女神)あるいはエウメニデス(善意の3女神)などはそうした例であり、また9人の女神からなるムーサは、3つ組を3つ集めたものと理解できる。 

夜と呪法の女神ヘカテは、時代を下るとしばしば3面神としてイメージされるようになったが、これは明確な典拠に基づくものではない。

北欧神話の運命を紡ぐ3女神ノルエルは、ギリシア・ローマの3つ組の女神おイメージの影響によるかもしれない

ヒンドゥー教のトリムルーティ(三神一体説)は、ブラフマー、シヴァ、ヴィシュヌの3神を一体とみなす考えはは3つ組の一種と考えることができる。ただしこの理念は神学者たちがシヴァ神を崇拝する一派とヴィシュヌ神を崇拝する一派との断絶の橋渡しを試みたことに端を発する。

大乗仏教には、より抽象的な3つ組のイメージとして、ブッダの身体を3様に捉える三身説がある。
仏教では、仏(教えの主)、法(教えの内容)、僧(教えを修行するもの)を、 ジャイナ教では、「正しい行動、正しい信仰、正しい認識」を「三宝」とする

錬金術のシンボルとしては、3つ組の図像は、世界を構成する コルプス(肉体)、アニマ(精神)、スピリトゥス(霊)として、 あるいは塩(えん)、硫黄、水銀の3原質を表す

言葉を参照・・

Triple deity

Carl Jung considered the arrangement of deities into triplets an archetype in the history of religion.
http://en.wikipedia.org/wiki/Triple_deity

triad

http://ejje.weblio.jp/content/triad
出典:『Wiktionary』 (2014/07/06 17:08 UTC 版) 語源 From Latin triad-, stem of trias (“three, triad”), from Ancient Greek τριάς (triás)

[the 〜;集合的に] 3つ組, 3人組, 三幅対.(中国の)秘密結社.(中国清代の)三合会:犯罪組織.〔音楽〕三和音.〔化学〕3価元素, 三つ組元素.〔文学〕三題歌《中世ウェールズ・アイルランド文学の形式》.〔軍事〕三元戦略核戦力《爆撃機・潜水艦発射ミサイル・大陸間弾道ミサイルの3戦力》.

最後に、googleとWikipediaが現代の神である(?)ので、以下に・・
※ 画像研究にはありがたい状況です。社会学者の古市憲寿(のりとし)さんいわく、『だから日本はズレている (新潮新書 566)2014年4月刊)に、(p20)「僕たちは今、日本という「国家」とグーグルという「企業」の、どちらが強いかわからない時代を生きているのである」

『教会の怪物たち ロマネスクの図像学』』を読むページに戻る

双頭のヤヌス(モデナ大聖堂)

(p71図)モデナ大聖堂の中央扉口アーキヴォルト、ヴリジェルモ作

双頭の鷲は、

Metropolis of Mystras, inside, imperial eagle.JPG
"Metropolis of Mystras, inside, imperial eagle" by sailko - 投稿者自身による作品 (my camera). Licensed under CC 表示 2.5 via ウィキメディア・コモンズ.


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