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円柱と美:唐草図鑑補足

アカンサスの
コリント式円柱

参考:平凡社世界大百科辞典1988刊
その他

キーワード:コリント式円柱、ギリシア古典建築三様式、柱頭

女神を表す円柱

■柱
建築表現の主要な部分

■コリント
古代ギリシアの都市国家
1822年からはギリシア領になっているが,
古代にはアテナイやスパルタに伍して繁栄した都市国家
コリント様式
その古代のコリントから起こった建築様式で,
ギリシア古典建築三様式の一つ

■ギリシア建築コリント様式の円柱
ギリシャ建築古典建築三様式の一つ
ヨーロッパ建築の美の源泉


他の二様式は,

イオニア式
(アテネのエレクティオン北の柱廊 など)
・・細めの柱と優雅な柱頭 

ドーリス式(パルテノン神殿の円柱 など)
・・簡素で重厚

コリント式は
その二様式よりも後れて成立し,
ローマ・ルネサンス以降の建築にも用いられた。



アカンサスの葉を飾った柱頭が特色となっている。

photo by大迫
アテネにて: アカデミー前の像

photo by大迫
ギリシャのデルフィにて:デルフィの遺跡

photo by大迫
アテネにて:アクロポリスからパルテノン神殿
紀元前438年完成
床面30.88m×69.50m
円柱の高さ18.5m


1本の円柱を作るのに
11個の円筒形の大理石

滑車で積み上げ、
木芯で中心を固定して
円柱に仕立てた

by 週刊ユネスコ世界遺産 N012 講談社2001刊

(photo by大迫紀雄さんinformationCenter蘭)

建物の建築年代や様式

■円柱(えんちゅう)column
■柱頭(ちゅうとう) Capital
くり形」というのはmoldingの訳語で
彫刻のある部分

・・「柱頭」を見れば,
建物の建築年代や様式がはっきり分かる
と言われている。

・ギリシア建築について
・・・ http://www2.ocn.ne.jp/~greekart/

名古屋ボストン美術館のサイト
・・・ すばらしい円柱の表紙

■装飾柱装飾建材
このサイトで
現在の建材としての円柱が見られます

建物をオシャレに演出するために!”

 


◆アイオリス式柱頭(※木(聖樹)ナツメヤシ参照)

  photo by大迫
スペインのトレドにて:王城の中庭

photo by大迫
イタリアのピサにて:ピサの斜塔の基礎部分
(photo by 大迫紀雄さんinformationCenter蘭)

「中世の教会堂や修道院を訪ねるとそこにはいつも柱頭がある。」
「柱頭から見た西洋中世」木俣元一
世界美術大全集・西欧初期中世の美術のテーマ特集を読む

絵画の中の 円柱

イタリアのフィレンツェにて  天使 18KB
絵画の中の円柱

サン・マルコ美術館 「受胎告知」(部分)
  ポンペイ郊外の壁画

ポンペイ郊外の壁画
ボスコアーレの別荘の寝室の壁画に見られる円柱(部分)
(紀元前40~紀元前30)
紀元79年のヴェスヴィオ火山の噴火で埋没した邸宅の寝室

「2000年前のポンペイの美と教養を今に伝える」
(by メトロポリタン美術館 週刊世界の美術No69 講談社2001年刊


円柱と女神

樹木と柱の合体、
木の円柱と女神の同一視

(「美術史家 地球を行く 」 木村重信著より)

 P28 獅子門の浮き彫り
ギリシア・ミュケナイ城塞の獅子門
中央の円柱を獅子などの聖獣が両側から守る図像


樹木、樹木と柱の合体、柱、神・・
古代の柱=女神の信仰
女神を表す円柱
二頭の獅子によって左右から守られた女神が、前6000年紀のアナトリアのチャタルフユックの裸婦像から、ローマ時代のキュベレ女神に至るまで、多く見出される。

詳しくは生命の木(聖樹文様)へ


柱頭 ちゅうとう 

capital∥chapiteau[フランス]∥Kapitell[ドイツ]
柱とそれが支持するものとの間に設けられる部材。

キャピタルともいう。
柱頭はとくに石造建築で発達した。


これは上からの荷重を細い柱に安全に伝達させる役割をもち,一般に頂部を切断した円錐や角錐を倒立させ,その上に正方形や円形の厚い頂板をのせた形に作られる。
柱頭は視覚上重要な部材なので,各種のモールディング (刳形) や文様を刻み,動植物の彫刻などで飾られた
柱頭の形状は地域と時代によって多様に変化している。


古代エジプトの柱

古代エジプトでは,ハスの花,パピルス,ヤシの葉などをモティーフとして,それぞれロータス形 (鐘形),パピルス形,パルメット形のほか,小神殿をいただくハトホル神の頭部など各種の柱頭を使用した。


ペルシアの柱

またアケメネス朝ペルシアでは,2 頭の牡牛などの前賭を背中合せにし,その間に梁をかけ渡すようにした特色のある柱頭を用いた。
とくに著名なのは古代ギリシアのドリス式,イオニア式,コリント式の各オーダーの柱頭で,ローマ時代にはトスカナ式とコンポジット式がこれに加えられた。
ローマ末期には四隅に動物の上半身像を突出させたプロトマイ protomai 柱頭が現れたが, 6 世紀にビザンティンで考案された籠形柱頭は,コリント式を原型とする柱頭の表面にレース状に繊細な唐草を籠編みのように彫り出したものである。
これらの柱頭は西方のイスラム建築に受け継がれて変種を生むが,大きな発展はない。


西欧のロマネスクでは上部を立方体,下部を球形とする鈍重なブロック block 柱頭 (クッション cushion 柱頭), これを発展させたスカロップト scalloped 柱頭や水草を彫ったものなどのほか, フランスでは聖書中の人物などを彫った寓意柱頭 chapiteau historiが作られ, ゴシックでは単純なクロケット crocket 柱頭が広く用いられた。


近世以降はギリシア・ローマの柱頭を復活させ, 20 世紀初期までこれを盛んに使用した。

飯田 喜四郎 平凡社世界大百科辞典

「美の源流を尋ねて」田路周一・・ ⇒エジプトの柱頭の特色

・検索 エジプトの円柱グラフィック
http://egypt.newton-geo.jp/history/ramses/ramses03.html

ギリシアの円柱

ギリシアの円柱形式には,
古い木造建築時代の形をとどめるといわれる重厚なドリス式doric order
小アジア起源の優雅なイオニア式ionic order
前 5 世紀ころに現れた繊細華麗なコリント式corinthian order の 3 種があり,
それぞれに特徴的な柱頭(キャピタル) と装飾細部をもっていた。


ギリシア人はこれらそれぞれの性格に見合った寸法比例を,さまざまな実験を経ながら定着させていき,前 4 世紀ころまでには,円柱の形式と柱径,それに柱間数を定めさえすれば,ほとんど自動的に神殿全体の形が構想できるほどになった。
もとよりこれらは完全に固定したわけではなく,地方ごとに少なからぬ差異もあったが,ある種の規範 (カノン) が存在するという共通の認識があった (ギリシア美術[建築])。


これらは古代ローマにも伝えられ,ローマ人はそこにさらに, エトルリア起源の簡素なトスカナ式tuscan order, イオニア式とコリント式を複合した豪華なコンポジット式composite order の二つを加え,またさきの 3 形式にも柱台を加えたり細部装飾を変更したりするなどの修正を加えた。


ローマの円柱

しかしローマ人は前 2 世紀ころからコンクリートを建築素材として用い,ギリシアのような柱‐舷の構造ではなく,壁を主とした一体構造に向かい始めたため,円柱は本来の構造的意味を失い,添え柱やピラスター(付け柱) として壁を縁取る装飾的要素に変質していく。
しかしローマ人にとってオーダーは,本来固有の形をもたないコンクリートの塊に建築的秩序を与える手段として重視され,引き続きさまざまな工夫が加えられた。
これらの体系に関しては,前 1 世紀のウィトルウィウスの《建築十書》が唯一の典拠であるが,彼にあってはこれらはまだ,彼のあげる建築の要件の一つ〈オルディナティオ ordinatio〉とは直接に結びつけられておらず,その比例関係も固定的なものではなかった。

ウィトルウィウス【Marcus Vitruvius Pollio】 前1世紀(kotobank)(Wikipedia)

これらを〈オーダー〉の名のもとに建築の最高の規範にまで高めたのは, L.B.アルベルティ以後のルネサンス建築家たちであった。

by 福田 晴虔 平凡社世界大百科辞典

オーダーについて

ペルセポリスの円柱

Perspolis
Persian Column, perspolis, iran


「世界の聖域(2)ペルシアの聖都」
井上靖・林良一・並河萬里著 講談社(1975)

ペルセポリスの柱
最高19.27メートルで、他に類を見ないほど高い。 (細長い)
中心にイオニア風の溝飾りを施しているが、それもギリシアの2倍も多い。
礎石は反花(帰り花)風な飾りのある金型縁を乗せている。それはギリシアにもなく、むしろ紅い目ネス王朝の金銀気に対応するデザイン
柱頭は、反花の上に、請花(受け花)風の装飾、更に方形の柱を立て、各面に二つのC字型渦巻きを重ねた形のものを取り付けた形式、また牡牛や獅子、グリフィン、人頭牡牛などの動物の前躯を背中合わせに接合したプロトマイの形式、そして前者の上に後者を乗せた複合式のものなどがあった。 反花や請花風な装飾は、エジプトの柱におけるパルメットの花冠形柱頭にヒントを得たという説や、
イオニア・ウラルトゥ系美術の垂萼(すいがく)形柱座に由来するという説もある。

C字型渦巻きはイオニアやフェニキア美術の要素であるということは言うまでもないが、これを二重に重ねる形式はペルシアの新機軸であろう。



LONDONにて

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なお、『図説西洋建築の歴史 美と空間の系譜』はすばらしい。 お勧め本である。

(佐藤達生著 河出書房新社2005年刊)
⇒ぬきがき少々こちらへ(建築-美と空間

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