生命の木 聖樹

Yggdrasillイグドラシル (トネリコ)
聖なる木(世界樹 生命樹)


(サイン・シンボル事典byミランダ・ミッドフォード)

北欧神話 「イグドラシルは常緑のトネリコの樹で、
その神話上の形は世界全体を表す」

Yggdrasillイグドラシル のYggイグとは、ゲルマン神話の主神オーディンのことで、イグドラシルとは「オーディンの馬」という意味があるという。


アト・ド・フリース (イメージシンボル事典)P30

トネリコ(ash)
ヨーロッパに共通のトネリコは

セイヨウトネリコ
Flaxinus excelsior


《一般》樹皮は銀灰色で葉は羽状であり、種子に独特な羽「トネリコの翅果」が付いている。
道具を作るのに優れた用材
一般に適応性、柔軟性、慎み、高潔、威厳、慎重さなどを象徴する

《神話》トネリコはウラノスの去勢された男根(=槍、太陽ー光線)の血から芽をだしたといわれ、 また第三(真鍮)時代の人類はトネリコから生まれたという。
《魔法とアルファベット》 古代ではトネリコは邪眼、不和、蛇の毒牙の魔よけであった。その木は蛇が最も恐れたもので(トネリコはずるさと対立する)、その影さえも恐れた。(プリニウス16,24)
魔女は普通トネリコの木の近くに住み、ホウキの柄はトネリコでできていた。
ルーン文字のアルファベットはトネリコの小枝で作られた。

イグドラシル
Bishop Percyバーシ司教(北方古誌)の口絵1847
Percy, Bishop 1847 Northern Antiquities, London, Henry Bohn.



Northern antiquities; or an historical account of the manners, customs,
religion and laws, maritime expeditions and discoveries, language and
literature of the ancient scandinavians, (danes, swedes, norwegians and
icelanders) with incidental notices respecting our saxon ancestors, translated
from the french of M. Mallet, by Bishop Percy... to which
is added
an abstract of the eyrbyggja saga, by Sir Walter Scott
http://www.library.org.au/data15.htm
the Elder Edda and the Younger Edda.

(平凡社世界大百科事典 谷口幸男)

イグドラシル(ユッグドラシル)
「全の世界の上に枝をひろげ、
三つの根は冥府ヘル、霜の巨人と人間の世界にとどく。
その根を蛇と龍が噛み、若枝を4頭の牡鹿がむしり、
枝にワシがとまり、その言葉をリスが,根の龍に伝える。
神々は毎日木近くに集い協議し判決を下す。
世界の終末にはこの根はスルト(※)の火によって
焼かれることになる。」

Wikipediaスルト:北欧神話の巨人、「黒い者」、ムスペルヘイムの入り口を守る炎の巨人

Yggdrasill

ハンス・ビーダーマン(世界シンボル事典)

「イグドラシル」も「トネリコ」も項目としてはない


1.「宇宙軸」(axis mundi)の項にあり。
「天の丸天井を支える軸として、宇宙山(古代インドのメール山)や宇宙樹(北欧神話のユグドラシルなど)がイメージされた。」


2.オジカの項にあり
「4頭の雄ジカが宇宙樹ユグドラシルの樹冠で、若芽(時間)や花(日)や小枝(季節)を食べる


3.木の項で
「木は、その周囲の宇宙全体が秩序付けられた宇宙軸と見られることも多かった。たとえだ、北欧神話の宇宙樹ユグドラシルや、ユカタン半島のマヤにおける聖なるカポック(ヤシュチュ)の木などがそうである」


4.ノルニル(独Nornen,英Norns)
ノルニルは宇宙樹ユグドラシルの傍らにあるウルズの泉のほとりで運営の糸をつむぎ、「灰かぶり(シンデレラ)民話」の妖精さながらに、生まれたばかりの子供の運命を決めてゆく。」


アト・ド・フリース (イメージシンボル事典)P30

トネリコ(ash)
《生命の木》 世界の木ともいう
Ashr-Yggr-drassillは、イグルYggr(=ウォーデンWoden)の乗り物であるトネリコの木のことである。

1.神聖な木で決して枯れることのないことから、時間を象徴する
木の天辺にワシがいて世界で起こるすべてのことを見わたし、
リスにその話を物語ったが、そのたびにリスは、木の下のビンゴルフVingolfのところに行きその話を伝えた。 この木は神々と人間のための法廷であった。
その木には雄鶏がとまっており、根元にはがいた。 そしてその木には 根が3本あって、1本はニフルヘイム(暗黒と死者の国)、 1本はミッドガルド(人間界)、もう一本はアースガルド(神々の宮)に根を張っていた。


2.イグドラシルはオーディンの乗り物であっただけでなく、オーディンの絞首台でもあった


3.生命の木として二面性をもっていた(良い意味として、知恵と意識と生命の木、悪い意味として、運命と空間と時間の木



→イメージの博物誌12「時間」の、時間のイメージの考察は興味深いが、ギリシアから、エジプト、中国、インド、マヤ神話がありながら、北欧神話については一言もなかった

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宇宙樹にまつわる最も典型的な神話的表現

ロジャー・クック「生命の樹 -中心のシンボリズム」平凡社 (1982/01)刊 P19

スカンジナヴィアの「エッダ」(10世紀から12世紀にかけて書かれた。起源はずっとさかのぼるもの)
冒頭 巫女の予言
神神の運命と世界の終末(ラグナレク)について語る
イグドラシルは三つの宇宙領域(点。地。地価)の中心に立っている。
三つの巨大な根はそれぞれ三つの地下世界へと深く下りる。
冥府(死者の国)、眠れる巨人たちの国、神々のすむ地下世界(エシル)
エシルでは神々は毎日聖なる運命の泉ウルドのほとりに集まって座り、物事の判断を下したり諍いの調停をしたりしている。
イグドラシルの木の幹は、第二の宇宙領域、ミッドガルド、つまり生きとし生けるものの住む地を通り、 その枝は神々の住む天空アスガルドに向けて広がる。
木の根元にはミミルの泉(追憶)があり、そこでオーディンは片目を犠牲にし、知恵を得た。
三人の運命の女神たちはとなく夜となくこの偉大な木の根に水をやるが、 巨大な蛇ニードヘッグは絶え間なくこの木をかじる。
蛇は木の一番上の枝に住む鷲と敵対している。両者は 太陽の原理と月の原理を象徴している。
ラグナレク(神々の黄昏)において、この偉大な木は揺れて神々と世界の破滅をもたらすといわれている。
だが世界を再生する種子は、男女の形を取って幹のうちにすでに隠されている。

(ギリシャ神話北欧神話 山室静著 社会思想社)

「北欧の霊樹。聖なるトネリコ。
世界の中心にそびえる巨木であり、
3本の根はそれぞれ
アスガルド(天界)、ミッドガルド(地上)、ニフルへイム(冥界)に達している。
その頂上には黄金の雄鶏が、最高の枝には鷲がとまり、木の下にはドラゴンが棲む。
リスが鷲をドラゴンの仲介をし、両者を仲違いさせている。
下の方の枝には、世界終末の日に最後の宣戦を布告するための角笛がかかっている。
そばにある泉からは豊かな水(=知恵)が流れ出している。
神々はイグドラシルの木陰で会議を開く。
時間・万物の父・知恵・意識・生命・空間の象徴

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WEB検索

http://members3.tsukaeru.net/agatago/sanctuary/
「全世界の中心部アースガルズに神々の守護樹として世界樹はあり、
その根と枝葉は9つの世界に広がり、それらを共に結びつけています。

北欧神話ではトネリコの巨木とされている世界樹。
その頂上にはオーディンの天空の玉座があり、
その根元には『ミーミル(知識)の泉』が美しい水をたたえています。」

http://www.pref.fukushima.jp/e-pref/legend.html


北欧神話の薀蓄
「男はトネリコから作られ、「アスク」と呼ばれた。
女はニレの木から作られ、「エンブラ」と呼ばれた。
海にすむJormungandヨルムンガンド(世界蛇)
その名は大地の杖を意味する。
ラグナロクでは人間の守護者トール(雷神)と相打ちになるという。」

http://www.dd.iij4u.or.jp/~ao/column/as.htm

「樹の下にはがいて死体を引き裂き、も樹下にかがんでいる。
4頭の牡鹿は枝を食い、山羊は新芽を引きちぎり、枝のてっぺんには鷲がとまり、
鷲の眉にはがとまり、樹下と樹上のあいだをリスが走りまわっている。」
(ノルウェーの教会の壁に見られる彫刻の図アリ)
http://www.lian.com/TANAKA/comhosei/textile/TL.htm生命樹の布(田中裕子法政大)

Related: Folklore , in Norse mythology,
the great tree of the world.
Its branches and roots extended through all the universe?
the heavens, the earth, and the underworld.
At its top sat an eagle, at its bottom twined a serpent,
and between them ran a squirrel breeding discord.
It was prophesied that at the doom of the gods the tree would be destroyed.
http://www.encyclopedia.com/html/G/GermancR1e.aspSee Germanic religion .
http://www.encyclopedia.com/html/Y/Yggdrasi.asp
オーディンの槍(トネリコでできている)
世界を覆う巨大なトネリコの木イグドラシルに吊られ、
自らを生け贄に捧げて知恵を授かるという伝説
このとき、グングニールは彼の脇腹を突き刺し、苦しみを与えた
この説話は、聖書に出てくるキリストのそれとにている。」
http://www.linkclub.or.jp/~argrath/ku.html
テキストなど
http://www.powning.com/jake/nordrune/runatal.shtml(英語)
http://ahnensitte.net/welten.htm)(ドイツ語)
http://www.geocities.jp/kocharajp/shimon/m1_norse.html
・「北欧神話に出てくる宇宙の中心にあって様々なものを内包しながら
世界を支えている巨大な世界樹のことで、
この樹から神聖な文字が生まれたとされています。」
http://www.mediafusion.co.jp/news/news_011209.html

トネリコ// キリストの十字架

2011年8月15日 http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0785.html
またまた松岡正剛さんです(2003年5月の)。またまたと書くと、アラマタ荒俣さん!が多かったのですが、最近はセイゴオさんにで食わすことが多い。なかなか読ませてもらってますが、「いわずと知れた」という言葉は嫌いです。


ジャック・ブロス 『世界樹木神話』 1995 八坂書房 Jacques Brosse : Mythologie des Arbres 1989 藤井史郎・藤田尊潮・善本孝 訳

内容(「BOOK」データベースより)
宇宙樹・聖樹・神木―樹木をめぐる神話・伝承の宝庫。「この世界は一本の樹によって支えられていた」樹木にまつわる神話・伝説を世界各地に訪ね歩き、膨大な知識の披瀝により樹木崇拝の謎を解明する。

http://fr.wikipedia.org/wiki/Jacques_Brosse

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