ライオンの皮

大型ネコ科動物の皮

「豹の毛皮」を着る意味は、既に、別のページで見ている。
「虎の皮」も雷さま(雷神)の褌(ふんどし)、インドのシヴァ神の敷物、中国の皇帝の権威の敷物を即、連想させる。
しかし、話は「ライオンの皮」である。
ライオンの皮は、ド・フリースの「イメージシンボル事典」によれば、
ライオンの皮を着用しているのは、太陽英雄(テセウスTheseus、ヘラクレスHercules 、アイネイアスAeneasなど)のまぎれもない特徴で、これが1年の前半を統治する彼とその後継者を区別する」・・とある。※1
しかし、イソップ物語 「ライオンの皮を着たロバとキツネ」から、 それをまとうのは「偽物」というイメージの方が強い物になりそうではないか?
「ナルニア国ものがたり」では、魔女は、「偉大なるライオン」アスランの毛を刈り取って(?)着る。
■「実力を錯覚したロバ」
http://www.kato-library.com/essay/006/06.html

「豹の毛皮」を着る意味で取り上げている skin(獣)皮についての話を以下に再掲

「イメージ・シンボル辞典」P585

1.若返り
エジプトでは(獣皮の中を通り抜けること)はファラオを若返らせるための儀式であった。
それは後に>腰のまわりにヒョウの尻尾を結び付けることで代用されるようになった。


2.豊穣を表す・誕生と再生を促すための儀式で使用された。


3.トーテミズム


4.「獣皮」を身にまとうことの意味

a.贖罪・供犠を表す。神はアダムとイブに獣皮を与え、(象徴的な意味の)イチジクの葉と取り替えさせた。



b.バッカスの信女達(Maenads)は、「狂った」胸を獣皮(特に鹿の皮)でおおい、髪をほどき、酒神杖 (頭部に松かさをつけ、ときにつたやブドウの葉を巻きつけてある杖)を持っていなければならない(オピディウス「転身物語」)


c.ロバ、ネコ、ネズミの皮は謙遜を表す(シンデレラと関連) 雄ウシの皮は豊穣、耕作
ライオンの皮は太陽英雄(ヘラクレスなど)の持ち物
羊の皮は豊穣(→Golden Fleece)


5.(心理学)獣皮の衣服:魔力を持った動物を殺害し、その皮をまとうと、強力な魔力を持った動物は生き返り、力が皮をまとったものにのり移る

    

※1「太陽英雄」=セウス、ヘラクレス、アイネイアスなど?←ギリシア神話・・ド・フリースの話はいまいちわからない。
「時」の神話の一つで、巨蟹宮から魔羯宮まで両手または両足を伸ばしている太陽英雄、という

ヘラクレスHerculesのライオンの皮については、
Wikipediaヘラクレス
ネメアのライオンhttp://simple.wikipedia.org/wiki/Nemean_lion>
ギリシア神話に組み込まれた巨蟹宮=ヘラクレスがヒュドラを退治した時、住処を守るためヒュドラに加担した大蟹が星座になったもの
魔羯宮=巨蟹宮の対極のサイン(宮)
「ロバはライオンの一緒によく寓話にでてくる。ライオンは太陽のものを生み出す熱を、ロバは太陽の破壊力(テュポン―セト)を表す。」(ド・フリースp402)

テセウスとライオンの皮・・?

テセウスは少年の頃から勇敢で、ライオンの毛皮をかぶったヘラクレスを、本物のライオンを思い、怖れ気もなく切りかかった

http://www.mlahanas.de/Greeks/Mythology/Theseus.html
http://www.pandaemonium.net/menu/devil/theseus.html
 少年時代に,ライオンの皮をかぶった例のスタイルでヘラクレスが祖父の元を訪れたとき,他の子供たちは本当のライオンと思って逃げ出したが,幼いテーセウスのみは刀を取って切りかかったという。

ヒュギーノスの星座物語ヘラクレス座・・「左手にライオンの毛皮を、右手にこん棒を持っている」とある。
他では、ライオンでなく、蛇で、 http://en.wikipedia.org/wiki/Hercules_(constellation)で紹介されている http://www.ianridpath.com/atlases/urania.htmウラニアの鏡(c.1825ロンドンで公開された星座カードのセット)では、 Hercules and Corona Borealisとなっている。ヘラクレス座でなく、オリオンのカードで、ライオンの皮を持っている

フランスのWikipediaでは蛇とライオンの皮と両方持っていた
Par Johannes Hevelius - Scanned by: Torsten Bronger 2003 April 4 [Public domain], via Wikimedia Commons

俵屋宗達

Wikipedia雷神
雷さまは鬼の様態で、牛の角を持ち虎の革(※2)のふんどしを締め、太鼓(雷鼓)を打ち鳴らす姿が馴染み深い。この姿は鬼門(艮=丑寅:うしとら)の連想から由来する。
(※2 下の漢字の皮と革の使い分けから、この字はここでは間違い) 元禄時代の風神雷神図・・(参考 http://www.homest.jp/blog/2008/11/post-253.html)・・これらの高名なる雷神風神の衣は違う?いやどうも虎の皮の半ズボンみたいなものを想像してしまいますが、下に見えている黄色いのがそれでしょうね?・・

Wikipediaトラ

虎は死して皮を留むめ、人は死して名を残す - 虎は死後に立派な毛皮を残す。人が残せるのは名誉と功績であるから、それらを重んじて生きなければならない。出典:欧陽脩『王彦章画像記』

動物の皮に関する補遺

染韋(染革) そめかわ

皮革工芸の一種。 はウシ,ウマ,シカ,サルなどのかわを柔らかくなめした〈なめしがわ (鞣韋) 〉のことで,トラ,クマ,イノシシなどの毛のある生皮を意味する〈〉,毛を取りあぶらを抜いて堅くした〈つくりがわ (理革) 〉を意味する〈革〉とは区別される。

染色するには主として〈韋〉を用い,なかでもシカの韋が多く,文様を染めるには,文様を切り抜いた型紙を当てて染料を引く。文様をあらわした染韋を〈絵韋 (革) (えがわ)〉ともいう。色をつけた韋には,ほかに熏韋 (ふすべがわ) があり,これは型紙を当てた韋にスギの葉をふすべて褐色に着彩したものである。

日本における遺品としては,正倉院の大刀,胡訊(やなぐい) などの懸 (かけ) に紅紫韋,馬具に花文熏韋が用いられており,東大寺に山水文を精妙に描いた熏韋の箱覆 (はこおおい) がある。中世では染韋はおもに甲冑(かつちゆう) に用いられ,目結 (めゆい),五星,菖蒲,小桜,不動三尊,獅子牡丹 ,鴛鴦 (おしどり) などいろいろの文様を出した韋がつくられた。それらの染韋のうち,藍韋,小桜韋などは威毛 (おどしげ) に,五星韋は小縁に,菖蒲韋は化粧板に,絵韋は弦走 (つるばしり),金具所の包韋として使われた。

絵韋にはその文様に時代的変化があって,平安時代末から鎌倉時代初めにかけては襷入 (たすきいり) の埴文 (かもん) や獅子円文,鎌倉時代には襷文にかわって獅子牡丹文,菊枝文,不動三尊文などの絵画的文様がおこなわれ,南北朝以降は獅子牡丹文が小型になり形式化した藻獅子の韋が生まれ,また正平 6 年 (1351) の年紀を染めた正平韋などがつくられた。

近世には武家や庶民の間で用いられた巾着 (きんちやく),鼻紙袋,煙管 (きせる) 袋の類に染韋が応用され,京都,大坂,姫路でそれらの染韋がつくられたが,明治時代にはいってから東京駒込の小林総斎,小伝馬町の稲塚米吉らの工人によってもつくられるようになった。
岡田 譲(平凡社世界大百科事典)

獅子・ライオン



HOME (first updated 2007-03-25)

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