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「建築と植物」

「建築と植物」の
目次読書

「建築と植物」 五十嵐 太郎編 (2008)

「建築と植物」 五十嵐 太郎/編 INAX出版 2008年10月刊

内容紹介 建築における植物との関係をさまざまな視点から考察する。文化としての植物、温室建築の歴史、植生の建築史、初期近代の幾何学庭園における世界表象、建築における植物というモデルなどを収録。
内容紹介 古くから、建築は石や土、木材などの自然素材と密接な関係にあった。現在では、コンビュータを用いた建築デザインの領域に植物的なフォルムの導入が試みられるケースも多く、植物と建築への関心は高まっている。この相互の影響関係を、歴史的、文化史的にたどり直して考察しながら、新たな建築的な視点や方法を探り出していく。

1 エクストリーム・ネイチャー
五十嵐 太郎/ 執筆

2 文化としての植物 庭園・温室・盆栽
大場 秀章/ 執筆

3 ヴェネチア・ビエンナーレ・ドキュメント われわれはいかにしてコンペに勝利したのか
五十嵐 太郎/ 執筆

4 ヴェネチア・ビエンナーレ スモール・パヴィリオン ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと
石上 純也/ 執筆

5 温室建築の歴史
五十嵐 太郎/ 東北大学五十嵐研究室/ 執筆

6 センシング・インヴィジブル 植物と建築、アートの新たな展開
四方 幸子/執筆

7 樹木・建築・植物 藤森照信インタヴュー
藤森 照信/述 山本 想太郎/間き手

8 植生の建築史 ヴィクトル・オルタの方へ
高山 宏/執筆

9 樹幹と円柱という永遠のアナロジー
土居 義岳/執筆

10 プロスペローの苑 初期近代の幾何学庭園における世界表象
桑木野 幸司/執筆
「近代イタリアの記憶術と建築空間における視覚的表象の問題」 (Issues in Mnemonics and Visual Representation of Architectural Space in Modern Italy) 第8回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞

11 ツリー建築のための哲学?
瀧本 雅志/執筆

12 花柄を探す旅 植物とデザイン
藤崎 圭一郎/執筆

13 計算素子としての植物
田中 浩也/執筆

14 建築における植物というモデル
平田 晃久/執筆

(番号は 書中にない、便宜上の追加byM)

me建築と植物というテーマのこの本の中のいくつかを目次読書をしたい。この本は内容が幅広くすごい。


エクストリーム・ネイチャー 

meまずは編者の冒頭の14ページである・・

他者としての植物
建築の外部としての庭園
温室という建築的な装置
自然現象としての建築
アルゴリズムの可能性
博覧会の起源と始まりの建築
あいまいな空間のランドスケープ

"EXTREME NATURE: Landscape of Ambiguous Spaces"
*ヴェネツィア建築ビエンナーレ日本館http://fukuhen.lammfromm.jp/

 文化としての植物

meついで、10pだが日本とヨーロッパの「自然観の相違」 というのは、なるほど!であった・・

「シーボルト日本植物誌」(ちくま学芸文庫)
日本滞在1823‐29
1835‐70に分冊刊行
絵師 川原慶賀(スケッチ)

植物図譜や鳥の図譜がたくさん刊行された理由・・王は人間界だけでなく、自然界をも含めた、すべての存在を統治するゆえに、植物や動物についても知っていなければならない
コーヒーテーブルブックとして、楽しい談義のネタにも使える
図譜が人々の関心を植物に向かわせる大きな窓口になっている

「園芸」英語:horticulture horti=建物の壁で囲われた庭:中庭
古いヨーロッパの家の「ロ」の字型の庭に植物を植え育てることが起源
園芸の始まりのころはもっぱら薬草を植えていた
当時の薬草とは、食欲を増進させるスパイスやハーブのこと
産業革命以後、観賞用の花卉栽培が中心に
農業(agriculture)は城壁の外で行われていた
中庭で作られる食用植物はサラダ用のセロリやパセリなど

中国の城壁内の中庭は「園」
動物がいると「苑」

日本の場合は庭の向こうはすぐに自然に連なっていると理解されていた。
日本の庭園観はヨーロッパとは異質
山にあるような植物を平気で栽培することができた
ヨーロッパにおいては、園芸植物とそれ以外の植物との差がはっきりと顕在化していた
城壁の外の植物を家で栽培するのは人間のやることではなく、逆にアラビアやインドなど、離れたところの物は、人間が意図的に運んできたものだから栽培してもいい。そうした意識化が、だんだんとアフリカや新大陸の植物を栽培する園芸の発達に貢献した

産業革命以降は小市民(庭師を雇えない)が小さな家を持つようになる
徐々に放置してもいいような庭がありがたくなってくる
イギリスが真っ先に日本の庭園間の影響を受けて、野草を植えるようになったのはこの時である
イギリスではこうしてできた庭を「Japanese style gareden」と呼ぶ
日本ではなぜか「イングリッシュ・ガーデンと呼んでいる」
日本の自然観を取り入れ手野草を植えることは、庭は自然と対立するものであるというセオリーに対するアンチテーゼとうぃての意味を毛様になった
もとはいかに労力をかけずに庭を維持できるかという小市民の意識に由来している

イタリアもそうだが、パリ、マルセイユといった中世以来の都市では、中庭にも家を作ってしまったり、生活が中庭まではみ出してきていたりする。すでに[hortes](garden) の精神は残っていない
ベランダ園芸や窓の外に植木鉢を並べたりするものに変質している
その代わりイタリアやフランスではパブリックな園芸の場が発達している

盆栽は中国から入った
盆栽の美は自然を虐めた美
本来の日本人の感性でいうとおかしいが、珍奇なるものを求める申請が日本人にもあるから
ヨーロッパの人々が門債を受け入れられたのは盆栽が全体的半自然だから

原点から庭の歴史をたどれば、さまざまに変化する美の様式を通して人間の意識形成の過程がわかり、ひいては庭というものが文化そのものを反映していることに気づく

温室 植物を凍らせないために始まる 冬も緑とともに暮らしたい←オランジェリーが生まれる
富の象徴として植物を見せつけたい←パームハウスが生まれた
その土地では栽培できないものを栽培しようとする
生態系の保存

温室建築の歴史

me 図版メインの15ページ

1.技術革命と温室
ポンペイの栽培室;透光性の石盤
温室の発達は15世紀後半の大航海時代から
「18世紀オランダの温室」ディドロとダランベール編集の「百科事典」の古典的な型
温室で栽培された熱帯植物、とりわけヤシはその経済的価値はもとより、ヨーロッパ人の異国への憧れの的となった
庭園はエキゾチックなものへの好みを反映した幻想の国となった

2.庭園の幾何学
ルネサンス以降 14世紀から16世紀にかけて作られたイタリア式庭園と、17世紀のフランス式庭園は、ともに幾何学式庭園と呼ばれ、強力な幾何学的構成を導入し、数多くの人工物によって装飾された
人間の支配の告知
とりわけ放射幾何学状の図形が好まれ、そこにはコスモロジカルな表象性も込められていた
しかしやがてそれを批判する形で風景式庭園が現れ、幾何学は解体されてゆく
3.形態とシンボル
「自然に直線はない」とアント二・ガウディは語った
4.装飾
アナログな形態模倣、、手工芸的な職人芸、デジタルなプログラムにおける生成発展のルールなど、さまざまに手法を変えながらも自然は建築を誘惑しづつける
とりわけ、小さく、もっとも直接的に資格に飛び込む部位h、あ建築の雄職だろう。実際、抽象的な構成や論理的な構造よりも、装飾の方が一般人には記憶に残り、なじみやすい

meこのあたりがこちらのテーマ範囲なので図も引用したいところであるが・・

図4-1・2 オーダーの装飾
「人間の想像力には限界がある。装飾を考えるとき、やはり身近な自然が参照される。ギリシア・エジプト。そしてアメリカ。植物のタトゥーのように柱に刻まれる」(p052)

図4-3・4 グロッタ 「洞窟をモチーフとしたグロッタは、どろどろとして輪郭をなくす自然を模した装飾である。明晰な古典主義の建築デザインに対し、庭園のパヴィリオンなどで好んで用いられた<

図4-5 キューガーデンの装飾
ロンドンのキューガーデンの矢視の木の温室〈1844‐48年〉の中央党の手すりには、ヤシの葉の装飾が施されている。ほかにも内部の歩廊を支え類鉄の柱や、ガラスを支える構造など所かしこに植物の装飾が見られる」

me確かに、その装飾は、目をひいた・

図4-6 20世紀初頭のアール・ヌーヴォー建築のあらわれたヴィクトル・オルタ←「植生の建築史」高山 宏/執筆 に続く

図4-7 オットー・ワーグナー「マジョリカ・ハウス」

図4-8 中国庭園 植物の形をした開口部
「蘇州の中国式の庭園では、多様性だけを目的にしたかのように、様々な開口部が展開された
円などの幾何学はもちろん、とっくりや植物を模した奇異なものまで登場した」

図4-9 古代エジプト 
「古代エジプトでは、特異な風土によって、特有の墓地造園が発達した
庭園が霊魂の安息地として考えられたのである
また墓の周りの壁には、数本の樹木(ナツメヤシヤシカモアなど)と小花壇と池からなる壁画が多く残されている」

図4-10・11 イスラム文様
「モスクの表面は唐草状の植物文様でおおわれている
この文様は実際の植物の生態とは無関係な抽象的表現であり
途切れることなく自然な動きを繰り返し反復する事で、どんな平面も埋め尽くすことができる
偶像崇拝の禁止というイスラム教の教義を背景として、こうした抽象的な幾何学表現が発達した」
図4-12 青木淳「Ubis」東京国立近代美術館「連続と侵犯」展

図4-13  「植物の画像が床にプリントされ、図書館内に点在している。本物の植物の横で、グラフィックとなった植物模様は、立体的な奈装飾とは異なり、非現実的であり、装飾として植物を取り入れることに対するするアイロニーもうかがえる」 というシアトル中央図書館だが・・
WEB検索:〇(Studies in Green)

5.脱大地
6.島
7.植物園+α
8.廃墟
9.種の保存

樹木・建築・植物

樹木・建築・植物

植生の建築史



建築における植物というモデル

建築と植物との密接な関係は、おそらく建築の歴史と同じだけ古い。事実、エジプトの昔から柱頭には植物の文様が配され、私たちが柱と呼んでいるものの起源が暗示されてきたし、樹木や草花を思わせる様々な装飾が建築空間を覆ってきた
植物に対する視線が、現代建築的文脈の中でどんな可能性を持ちうるのか
「環境」という言葉は現代建築にとって思いのほか本質的な言葉

ポジティブな無関係性
屋根という「植物」
「民家は『キノコ』である」(by篠原一男)
(フラクタルに)「ひだ」をそだてる
建築と植物の類似性をめぐる思考は、単なるメタファーを超えて、われわれを根源的問い(植物のように、建築もまた様々な過程が積み重ねられた地面の上に生えるようにして存在できるのだろうか、建築を育てるような設計はありうるだろうか)へと向かわせる

 樹幹と円柱という
永遠のアナロジー

プロスペローの苑


花柄を探す旅

執筆者

●大場秀章 1943年生。理学博士。専門は植物分類学。 。著書=『植物と植物画』『植物は考える』『バラの誕生』など。翻訳=『日本植物誌 シーボルト「フローラ・ヤポニカ」』など。
Wikipedia
●藤森照信 1946年生。建築史家。建築家。専門は建築史、生産技術史。 著書=『明治の都市計画』『昭和住宅物語』『丹下健三』『人類の建築と歴史』など。作品=《神長官守矢資料館》《タンポポハウス》《熊本県立農業大学学生寮》《高過庵》など。
Wikipedia
●高山宏 1947年生。 建築、美術、文学、文化史、思想史、哲学、科学などを自在に横断する批評家・翻訳家。著書=『アリス狩り』『目の中の劇場』『メデューサの知』『奇想の饗宴』『庭の奇想学』など。訳書=タイモン・スクリーチ『定信お見通し』、同『江戸の身体を開く』、バーバラ・M・スタフォード『ボディ・クリティシズム』、同『アートフル・サイエンス』など。
Wikipedia
●土居義岳 1956年生。建築史。フランス政府公認建築家。 著書=『建築と時間』『建築キーワード』『アカデミーと建築オーダー』など。翻訳=『新古典主義・19世紀建築〔1〕〔2〕』『建築オーダーの意味』『パリ都市計画の歴史』など。
Wikipedia
●五十嵐太郎 1967年生。建築史家。工学博士。 著書=『新宗教と巨大建築』『近代の建築と神々』『終わりの建築/始まりの建築』『戦争と建築』など。共著=『ビルディングタイプの解剖学』など。
Wikipedia
●平田晃久 1971年生。建築家。 作品=《House H》《House S》《sarugaku》《Showroom H(枡屋本店)》など。
Wikipedia
●石上純也 1974年生。建築家 。作品=《table》《四角いふうせん》《リトルガーデン》《神奈川工科大学のKAIT工房》など。著書=『small images ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと』。

〇藤崎 圭一郎 1963年生。デザインジャーナリスト
Wikipedia
〇桑木野 幸司 1975年生 「ヨーロッパ綺想庭園めぐり」 http://www.hakusuisha.co.jp/essay/

meよみごたえがありました・・
しかしもう少し検索追加します

植物とグラフィックデザインの密接な関係
〇自宅の緑化計画のヒントhttps://suvaco.jp/

唐草図鑑

建築


■木俣元一柱頭から見た西洋

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