六田 知弘 さんの写真展で石造りの教会堂の回廊に不思議な魅力を感じたり、 園芸誌で、”プロヴァンスの三姉妹”と喧伝されるラベンダー畑を見たりして、その季節に訪ねてみたいものだと思った・・・
「三姉妹」とは「学術分野ではあまり使われない」と (wikipedia)にはありますが。
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修道院の建築/回廊の円柱を(バーチャルで)みるのがテーマです。
ル・トロネ修道院─12世紀
聖ベルナルドゥスによって確立された、シトー会の建築に関する規則を遵守し、ル・トロネ修道院は石のみを建築材料に人里離れた丘のふもとの傾斜地に建てられ、内外部ともに装飾が排除されている。(wikipedia)
[© 笠原一人]
建築美の極致である
「装飾を排した、石と光と比例の織り成す厳格な美しさは 、現代の建築家を魅了し、新鮮な衝撃を与えつづけてきた。(「ロマネスク光の聖堂」(p132)
http://ouchiyama.exblog.jp/2089560/外から見た柱廊
http://sumiremainte.jugem.jp/?eid=784
http://10plus1.jp/archive/romanesque/
旅された方(2018)https://ameblo.jp/ohagihakken/
公式サイトhttps://www.le-thoronet.fr/クロイスター(ロマネスク)http://10plus1.jp/photo-archives/14/
◆http://www.pinterest.com/pascalelaville/83-thoronet-le-var-paca/
フランスのロマネスク主要建造物の4つの一つにあげられている。
ル・トロネ修道院(1160-1190年頃)
クリュニー修道院第3教会(1088-1130年)
サント・マリー・マドレーヌ教会(1120-60年頃)ヴェズレー
サン・フィリベール教会(1066-1108年頃)トゥールニュ
(wikipedia)
セナンク修道院
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Abbaye-senanque-cloitre-chapiteau-feuille-d-eau
葉模様のあしらわれた柱
[© 日埜直彦]
シトー派の修道院 控えめな建築
柱頭彫刻はきびしい制約のもとで抽象的な図柄。
三位一体を象徴した三つの窓。大きな入り口がない。
「セナンク修道院、シルヴァカンヌ修道院、ル・トロネ修道院の3つの修道院はシトー会の修道僧たちによって中世に建てられた修道院。いずれも初期のシトー会による傑作であり、戒律を厳格に重んじ禁欲な修行を望んだシトー会創立者たちの望みを反映した造りとなっています。」
http://cheznono.exblog.jp/2969145/
シルヴァカンヌ修道院(仏:Abbaye de Silvacane)
シルヴァカンヌという名称はラテン語のSylva cana(葦の森)に由来する。あえて人里離れた場所を選んで修道院が立てられるのは聖ベネディクトゥス以来の全ての修道院の伝統
Abbaye de Silvacane - galerie nord
Wikipedia
シトー派3大修道院 簡素ながら力強い建築 質素で控えめな美しさ
http://www.pinterest.com/pin/147000375312470204/
歴史を見ると、広い修道院にただ一人で住むことになったり、生活できないので、他の修道院を頼ったり…と・・厳しいことが多かったようだ。今は、観光として成り立つようになったようにも見えるが、交通の便は大変そうだ。
行くなら、やはり、世界遺産(1981年)となっているアルルの方かと、5年前に計画してみたものでした。(コロナ禍でそれも無くなってしまいいましたが)
アルル、プロヴァンスというと、・・・サンレミの修道院、も・・・
https://serai.jp/tour/90525
「ゴッホのプロヴァンス便り 手紙とスケッチで出会う、あたらしいゴッホ」–
マーティン・ベイリー (著), 岡本由香子 (翻訳), 冨田章 (その他)マール社 (2023/4/25)
なお、世界遺産の中世市場都市
プロヴァン(Provins) は
http://whc.unesco.org/en/list/873
南フランスの地方プロヴァンス (Provence) とは 全く別で、
プロヴァンは薔薇を使った製菓業の中心地の由
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修道院の円柱を(バーチャルで)みるのがテーマですが
スペイン
ナバラ州の「レイレ修道院」のクリプトの円柱が
重心が低くおもしろい・・
Monasterio de San Salvador de Leyre ロマネスク様式を見せる現役の修道院とのこと。
公式サイトhttps://www.monasteriodeleyre.com/
専門書:西田雅嗣『シトー会建築のプロポーション』
中央公論美術出版、2006年
六田 知弘写真集
フランス、イギリス、スペイン、イタリアの教会・修道院約120ヶ所を収録したロマネスク美術写真集の決定版! 生活の友社 (2017/2/13)
一般書:ロマネスク光の聖堂
六田 知弘 (写真), ダーリング 常田益代 (著), 池上 俊一 (著)
淡交社 (2007/6/1)
『粗い石 ル トロネ修道院工事監督の日記』(Amazon)での紹介文:信仰なくして美はない ル・トロネ修道院の建築工事の監督にして修道士による日記という形式の小説。建築家のフェルナン・プイヨン著, 荒木 亨 (翻訳)

好きなフランス文学者:石と光の思想: ヨーロッパで考えたこと
饗庭 孝男 (著) (平凡社ライブラリー 1998/11/1)
人を拒否する「石」と人が求めてやまない「光」の交点に現れる芸術の数々。様々な芸術の表現形態を通して、背後にあるヨーロッパの成立の状況とその精神史的・思想史的な意味を読み解く。再刊。
星明りの村――フランス・ロマネスク聖堂紀行
西出 真一郎 (著)作品社 (2008/4/18)
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12世紀のル・トロネ修道院等、”プロバンスの三姉妹”といわれる中世のロマネスク修道院の芸術、石造りの円柱、建築―美と空間をバーチャルで確認しました。
ロマネスクというと、石、そしてアーチ、回廊か…
ここで、アーチという語が不分明なので、こちらで簡単に
アーチ/迫石/キーストーン