ボッティチェッリとダンテ
生活を犠牲にして打ちこんだ『神曲』の絵画化
「知的な事柄を好む癖のある人だったサンドロは、ダンテの作品の一部を注釈し、「地獄」を絵に描いて、それを版画にした。これに多くの時間を費やして他の仕事をしなかったため、彼の生活には計り知れない混乱が生じた」(ヴァザーリ)
ボッティチェッリは1480年代前半から97年頃まで描き継いだと考えられる。
都合92葉の羊皮紙へ素描という形で。『神曲』の絵画化に挑戦した。
ベルリン国立絵画館とヴァティカン図書室に分蔵される『神曲』素描ではボッティチェッリの見事な素描を堪能することができる。
『もっと知りたいボッティチェッリ 生涯と作品』京谷啓徳(p74)