唐草図鑑
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蛇に巻きつかれた像

ユングの「アイオーン(Aion)」

蛇に巻かれた獅子頭の時間の神アイオーン・・ ユングの著作にもこの標題のもの「アイオーン」があったが、表記は「Aion 」であった。ユングの赤の書 ―The"Red Book" を見て、ユング描く蛇が多数出てきたので、この本もこのアイオーンが出てくるのかと思って、古書を購入したが、内容は、「自己(ゼルプスト)の象徴性についての考察」、キリスト教の「時代(アイオーン)」、グノ―シス主義の「自己」についての象徴の研究といったもので、ざっとみたところ、ここで私が取り上げている、蛇に絡まれた獅子頭の神あるいは胸に獅子をつけた神、人間像が出てくるものではないようだ。
シンボルとしては 双魚の図像の研究であるようだ。


ユング「赤の書」p129
ユングの「封印されていた本」ですが、
どうもユングの描いたアイオ―ンの絵があるらしい?・・と見てみました。
確かに上記は蛇(ドラゴン)に巻きつかれているようです。



https://www.sogensha.co.jp/special/TheRedBook/index.html
(高価ですね 英語版The Red Book: Liber Novus でどうでしょう)・・

https://gnosis.org/redbook/
https://avalonianaeon.blogspot.com/2011_02_01_archive.html うむ・・様々な理由でで封印されたというが、まず、そのの様々な理由とは何であろうか?と思いました。
また、「赤と黒」は悪魔の色だとされるのだが・・(ド・フリーズのシンボル事典参照)強烈なる「赤の書」・・・法王の衣の色でもあるのか、赤・・・
手書きのイメージは中世の修道僧のイメージ・・・
https://www.bk1.jp/ 梅原 猛の推薦の言葉「 この『赤の書』には、鮮烈な色彩が溢れ、 抽象的で象徴的な形体が、飾り文字にまで氾濫する。 ユングはやはり言語的思索者ではなく、 イメージの思索者なのである。」
・・なるほどね。・・・
WEB検索
https://en.wikipedia.org/Red Book (Jung)
Carl Jung and the Holy Grail of the Unconscious – NYTimes.com

https://myloc.gov/Exhibitions/redbook/Pages/Default.aspx


ユングの「アイオーン」(目次)


ユングコレクション 4(野田 倬 訳人文書院 1990刊)


https://www.jimbunshoin.co.jp/book/b66602.html
序言
第一部 自己の象徴性についての考察

第 I 章 自我
第 II 章 影
第III章 シジギー――アニマ・アニムス
第IV章 自己
第V章 キリスト、自己の象徴
第VI章 双魚宮
第VII章 ノストラダムスの預言
第VIII章 魚の歴史的意味について
第IX章 魚シンボルの反対傾向並存
第X章 錬金術における魚 一 クラゲ(水母) 二 魚 三 カタリ派の魚象徴
第XI章 魚の錬金術的解釈
第XII章 キリスト教的錬金術の象徴表現の心理学に関する一般的背景
第XIII章 グノーシス主義における自己の象徴
第XIV章 自己の構造と力動性
第XV章 結語
(以下は別人の著) 第二部 ペルペトゥアの殉教――心理学的解釈の試み
I  序論 II 文献 III 殉教者達の正統信仰の問題 IV 聖女ペルペトゥアの生涯 V 幻視 VI 第一の幻視の問題 VII 第二および第三の幻視の問題 VIII 第四の幻視の解釈

時間・永劫を意味する「アイオーン」は時間概念に空間概念を付与されて神秘的人格を獲得した。その変遷と意味を、古代の密儀、グノーシス主義、錬金術、占星術、キリスト教に探る。フォン・フランツの「ペルペトゥアの殉教」論も収録。

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ユングの「アイオーン」(予習)

https://www.cais-soas.com/CAIS/Religions/iranian/Mithraism/m_m/pt4.htm

Aion is one of a number of major works that Jung wrote during his seventies that were concerned with the relations between psychology, alchemy and religion.

「Aion」は、ユングが70代で書いた主要な作品の1つである。心理学と錬金術および宗教の関係に関する著作。

He is particularly concerned in this volume with the rise of Christianity and with the figure of Christ.

キリスト教の起源、およびキリストの図像をこの書物で特に考察している。

He explores how Christianity came about when it did, the importance of the figure of Christ and the identification of the figure of Christ with the archetype of the Self.

キリスト教がどうのようにして起こったか、キリストの図像、および「自己」の原型を持ったキリストの図像の識別の重要性を調べている。

A matter of special importance to Jung in his seventies - the problem of opposites, particularly good and evil - is further discussed and the importance of the symbolism of the fish, which recurs as a symbol of both Christ and the devil, is examined.

70歳代のユングにとって特別に重要な問題(反対の難問、特に、善と悪)は、さらに議論され、キリストと悪魔の両方のシンボルとして繰り返される、魚のシンボルの重要性が考察されている。

As a study of the archetype of the self, Aion complements The Archetypes and the Collective Unconscious, which is also published in paperback.

自己の原型に関する研究として、「Aion」は「元型」と「集団的無意識」の著を補足するものである。

この本でアイオーンという語が出てくる箇所をざっと見ます。
大分半可通ですが。(いや現時点さっぱり(~_~;))

序言
p9
私の研究の狙いは、自己(ゼルプスト)についてキリスト教やグノーシス派や錬金術が用いた象徴を手掛かりにして、「キリスト教の時代(※)」内部における心的状況の変遷に照明をあてようとするものである」。

※「時代」の読みがなが「アイオーン」となっている。
p224
心理学はただ、心の全体性の象徴表現が神のイメージの象徴表現と重なり合うことを確認しうるのみ。
ヒポリュトスに出てくる「フリギア人」(拝蛇教徒)に言わせると、「分けることのできない、体の内部に存在している点。アイオ―ンたちや諸力や智者たちの、神々や天使や派遣された霊たちの、在にして非在の、産出されて産出されざるものの、不可知にして可知なるものの、年や月や霊や時間の基質(マトリクス)である。

p338(第二部)
『ソロモンの雅歌』には次のような個所がある。
聖霊は御父の胸元を開き、御父の左右の乳房からでる乳を混ぜ合わせた。 その混ぜ合わせた飲み物をアイオーン達に与えたのであるが、アイオーンたちはそれと気がづかなかった。

p380(第二部)
ヴァレンティヌスの教説によれば、キリストは充満(プレロマ)の中のアイオーン達から出たのではなく、充満の祖となる母から生じたのであるという。

以上・・・ちんぷんかんぷん
魚のシンボルの持つ二面性のあたりは面白そうですが、またもう少しあとに。
可能なら、のちほど ここで見ていきたいと思います。(続く)
とにかく、 ユングの絵には驚きました。


me 蛇に巻かれた獅子頭人間像時の神クロノスのページAionの方のアイオン に続く


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first update:20110928,

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