西洋美術用語辞典 (2005 2000項目) |
ハアアミ属の植物で、古代ギリシアのコリント式柱頭の装飾にその葉のモティーフの装飾性がこのまれて、現代の銀行建築にまで広く用いられている。 ![]() |
オックスフォード西洋美術事典 (1989 総項目3150) |
地中海沿岸地方に自生するキツネノマゴ科のアザミに似た植物。葉形が古典建築の葉飾り装飾として用いられ、その最も貼った巣した形が、前5世紀末のエレクティオンに見られる。また、コリント式及びコンポジット(複合)式の柱頭(→オーダー)に特徴的な葉飾りとなった。 |
新潮世界美術辞典 (1985 1万7000項目) この項、多分、沢柳大五郎さんによる文 |
ギリシア語ではアカントス。地中海沿岸地方に野生するキツネノマゴ科の植物で葉はアザミに似てとげが多い。古代ギリシア以来古典主義美術の主要な装飾モティーフで、その美しい葉形はギリシア人に好まれ、前5-前4世紀のステーレ(墓碑)の 頂部その他の装飾に用いられた。 その最も顕著な例はコリント式の柱頭装飾である。バーッサイのアポロ-ン神殿[※1]のナオス(内陣)の奥中央の一基のコリント式柱頭はアカンサスを柱頭に用いた最初の例とされている。 ![]() |
世界美術大事典 (1988 総項目7300) |
装飾モティーフの一つで、古代ギリシア以来、古典主義美術をはじめとする美術のあらゆる領域、とりわけ建造物に用いられることが多い。ギリシア語ではアカントス。地中海沿岸地方に生育する同名の植物の葉を様式化したもの。華やかな装飾効果をもち、建築ではコリント式やコンポジット式の柱頭装飾、あるいはフリーズや付柱の装飾に用いられる。 ギリシア建築に使用された例としては、テゲアのアテナ神殿[※2]とエピダウロスのトロス(古代の円堂)[※3]のコリント式柱頭の美しい遺品がある。ローマ人は、豊かな装飾性をもつコリント式及びコンポジット式のオーダーをドーリス式やイオニア式のオーダーよりに好んで建築に用いた。また、彼らは、ローマのアラ・パキス(平和の祭壇)[※4]の浮彫装飾やカラカラ帝浴場[※5]のアカンサスと人像を組み合わせた柱頭装飾に見られるように、アカンサスのモティーフの様々な応用を試みた。 ローマ時代末期およびビザンティン時代になると反古典主義的傾向が強まり、アカンサスの形も変化する。すなわち、ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂[※6]やコンスタンティノポリス(現イスタンブール)のハギア・ソフィア大聖堂[※7]の柱頭に見られるような、ドリル[穿孔器]を用いて葉脈を強調し、葉に切れ込みを鋭く入れて左右相称的に並べた葉型を示す。ゴシック時代には、アカンサスの形は更に一層硬直化したものとなるが、ルネサンス美時術では主要な装飾モティーフと採用され、特に15世紀イタリアの美術作品には、この上なく優美で繊細な形をしたアカンサスの例が見られる。 |
"The Origin of the Corinthian Order, engraving
- Claude Perrault's French translation of Vitruvius (1684)
Archaeological Museum of Tegea(ペロポネソス半島アルカディア)
drawing by Candace Smith
紀元前394スコパスのレリーフ
(パウサニアス「ギリシア案内記」に載る) https://en.wikipedia.org/wiki/Athena_Alea
"NAMA Hygie" by Marsyas - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示 2.5 via ウィキメディア・コモンズ.
エピダウロスEpidauros:ギリしアの古代都市、ペロポネソス半島のアルゴリス平野に位置する。
医神アスクレピオス信仰の聖地。
エピダウロスのトロスTholos :前4世紀小ポリュクレイトスの設計になると伝えられる、外側に26本のドーリス式円柱を、内側にコリント式円柱を巡らした円形建築で、彩色ストッコや色大理石の使用による豪華な装飾趣味の背景には進んだ色彩効果の追求が見られる。(世界美術大事典)
世界美術大事典のこの記述、具体的にはσ(^^ゞにはよくわからないのだが・・
古代ギリシア時代のアカンサスに関係するコリント式柱頭で挙げるべき3つは
1.バーッサイのアポロ-ン神殿(紀元前5世紀半ば)、
2.テゲアのアテナ神殿(紀元前4世紀)、
3.エピダウロスのトロスのもの(紀元前4世紀)ということで、 残りの4つは、
4.ローマのアラ・パキス(平和の祭壇)(紀元前9年)
5.カラカラ帝浴場Thermae Caracallae(3世紀 216年)
6.ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂(6世紀前半)
7.イスタンブールのハギア・ソフィア大聖堂 (5世紀~)
いままで個々見てきたのは、中世の柱頭 ・・・「柱頭から見た西洋中世」(木俣元一)・・ここでつなげることができたようです。
それにしても、
wikimediaの充実ぶりに驚きました。(20151015閲覧) https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Corinthian_columns
アカンサス achantos |
(このぺージ) |
パルメット palmetto |
人間の手の指のように扇状をした棕櫚の葉を文様化したもの |
ロータス lotus |
睡蓮の花を様式化した文様 |