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アカンサス

アカンサス

コリント式柱頭 この 模様(・・!)
いえ [文様]でしたか。
今 お使いのプランターにも
ひょっとして
浮き彫り レリーフされていませんか
・・・ はるか時空を越えて 今も使われる
この文様こそは・・・

アカンサス

念の為⇒模様と文様の用語の違いは?
こちらで確認ください
~~円柱と文様の補説です~~


ギリシャのアテネ 「受胎告知」 photo by大迫


1908 Source	Chambers's Twentieth Century Dictionary of the English Language
Author	Rev. Thomas Davidson 1856-1923 (ed.)

Acanthus: (アカンサス)

植物としてのアカンサス

Acanthus(アカンサス)
本属の代表種の学名  Acanthus mollis L.
約20種ある 他に トゲアザミ    A.spinosus L.
ナガバハアザミ A.longifolius Poir
別名 Bear’s breech ベアーズブリーチ
和名 ハアザミ (葉薊)


双子葉綱シソ目
植物分類 キツネノマゴ科アカンサス属
園芸分類 耐寒性宿根草
わが国には大正時代に渡来した花壇植物
アカンサスの図
参考書  平凡社世界大百科辞典1988刊のこの項 (柳宗民氏著)
その他 種々の 植物図鑑

原産地 西地中海沿岸 熱帯アジア
南ヨーロッパ・南西アジア・北アフリカ原産のキツネノマゴ科の耐寒性大形多年草

アカンサスの葉

葉がアザミに似るため和名をハアザミというがアザミではない
葉は楕円形で,長さ50センチ以上で「羽状深裂
(深く切れ込んだ美しい葉形)
歯牙があって光沢がある大きい濃緑色葉(つやのある大きな葉)を根生

属名のAcanthusはギリシア語のakantha(とげの意)に由来
葉縁にとげがあることによる
(by 柳宗民氏)



葉や根にタンニンを含み、下痢止め、止血に使われた。

葉の写真
6月の
アカンサスの葉


アカンサスの花

花 期 7月から9月
初夏のころ高さ1メートルをこす花茎を抽出し
白地に紫脈のある大きい唇形花を長い穂状に咲かせる

アカンサス

管理 比較的丈夫な植物で育てやすい方で耐寒性もあり
日なたが適しますが、日陰でも育ちます。
繁殖 株分け・根伏せ

アカンサス
花の写真
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WEB検索

■磯きりん さんのラテン語植物科名辞典には

日本語の科名になっているキツネノマゴ(一年生の雑草)について
Acanthus(アカンサス)
Hypoestes(ヒポエステス)
Thumbergia(ツンベルギア)の3つ 解説があります。

「日本ではあまり普及していない」とありますが、
1990年の花博以来状況が変わってきている。

※2012年1月6日 の見直しで、サイトがなくなっていました。http://web.archive.org/でサルベージしました。結果は以下。

Acanthaceae
キツネノマゴ科。双子葉綱シソ目。アジアやヨーロッパなど温帯地方にもわずかに野生種があるが 、ほとんどが熱帯産で、中南米、熱帯アジアなどに多い。日本にはキツネノマゴ、ハグロソウ、スズムシソウなど数種の自生種がある。草本から木本まである。350属4千数百種に上る大き な科で、観賞価値のある植物もかなりあるが、日本ではあまり普及していない。科名は「とげ」の意味で、この科を代表するアカンサス=ハアザミ属Acanthusに鋭いとげがあるためで、他にはとげのある植物は少ない。日本語の科名になっているキツネノマゴは、一年生の雑草で、一部の地方で山菜や薬草として使われているが、ほとんど無価値な植物である。ここにはAcanthus(アカンサス), Andrographis(センシンレン), Asystasia(アシスタシア), Hypoestes(ヒポエステス), Strobilanthus(ストロビラントゥス), Thumbergia(ツンベルギア)について解説してある。


■岡山理科大学 植物生態研究室(波田研)
4枚の写真が細部わかりやすくきれいです
葉の写真on-green.com 葉っぱのススメ: byベルゲニアさん

残念ながら今はサイトを閉じられましたが、印象的な コラムがありました。以下引用保存ご紹介。

アカンサス
ある冬の日に、落ち葉を堆肥にしようと、庭を掃いていた。
冬の庭仕事と言えば、土作りである。
植物が休眠に入る頃を見計らって、行うのがベストである。
落ち葉等を積み一年かけて良質の堆肥にするのである。
庭の掃除も兼ねて行うので、年末に行うところも多い作業だ。

庭には、夏と違い光も柔らかく、落ち着いた空気が流れている。
体からホクホクと湯気あげ、上着を一枚脱いだころ、ふと目に付くものがあった。
アカンサスである。枯れ色の風景の中に、明るい緑が輝いている。
この冬のさなかに、株の中心から新しい葉っぱが何枚もでてきているではないか。
冬に植物が成長するなんて思いも寄らなかった。

アカンサスはアザミのような形の葉っぱで、表面がピカピカした照葉である。
葉っぱの大きさは60-70センチでかなりの大きさである。
ガーデニングの洋書に、そびえ立つ花を、見上げる写真が印象的だった。

アカンサスにとって日本の夏は暑すぎ、成熟した葉だけを残し、
休眠に入る。暑すぎると、成長を止める植物は他にもあり、
そういった植物は、涼しくなると、活動が活発になる性質を持っている。
彼らにとって、過ごしやすい環境が、冬のようだ。

2世紀ItaliaRomaForoAugustoTempioArchitrave


アカンサスと美術

大きく上に向かって広がるアカンサスの根生葉は
装飾モティーフの一つ
建築工芸の分野では
このモティーフをアカンサスacanthusと呼ぶ


古代ギリシア・ローマ 柱頭装飾や陶画に多用

ギリシャ建築コリント様式柱頭は典型的な例コリント式円柱
ローマのコンポジット様式柱頭
ガンダーラのインド・コリント式柱頭にも

イスラムやインドの工芸品、中国雲崗石窟の彫刻などにもあります

■ネット上で見られる アカンサス これがすごい!!
Jordan(Tunisia)の列柱通り グランド・モスク
http://www6.airnet.ne.jp/ryoji/jordan3.html by旅の写真アルバムさん
ネオニアーノ洗礼堂
ラヴェンナ最古の建物(5世紀):初期キリスト教美術の宝庫
http://www01.u-page.so-net.ne.jp/zb3/mamas/trvel/ravenna1-2.html

カリマコスの伝説

カリマコス(彫刻家)
Kallimachos

コリント式柱頭創始者 前5世紀ころ
コリントスのある少女が病死し埋葬された際その乳母が、
故人の遺品を籠に入れ、上にタイルをかぶせて墓のそばに供えた。
春になって、
アカンサスがかごの外側を取り囲みタイルにあたって
折れ曲がっている様子をたまたま見かけた
カリマコスは、その新鮮な美しさに感動して、
それをデザイン化した新しい柱頭様式を作り上げたという。

by 平凡社大百科事典 友部直氏

なお この伝説は、 紀元79年8月24日のポンペイ大噴火に巻き込まれて行方不明になったという
博物学者プリニウス (*1) の著書にあるとされている。
(たいがいの伝説はこの著書(奇書?百科事典)に出ているようですが、
2001/08/04 現在原典未確認であった。⇒確認追記2007/4/27)
プリニウス博物誌〈植物篇〉
一方、「この伝説はローマの建築家ウイトルウィウスが伝えるが、
その前からもちいられ、格調ある文様として好まれた」…(西山氏の文様辞典)…とし、
ウイトルウィウス(*2)という名が出てくる場合も。
他の 伝説の一例:「絵画は人間のも輪郭線をなぞることから始まった:シルエットの伝説」など

追記 2007/4/27「プリニウスの博物誌 全3巻」を調べたが、この伝説はみあたらない(?)
アカンサス、カリマコスで見たが、無いようだ。(シルエット伝説は記載あり。)

Giovan Antonio Rusconi. On Architecture (1590)


"Della Architettura", Published 1590
地中海学会月報322号の表紙の図:
ウィトルウィウスの文章を逐一絵にしたアントニオ・ルスコーニの,少し珍しい建築書(ヴェネツィア,1590年刊)の木版挿図、とのこと
by末長航
http://www.collegium-mediterr.org/geppo/322.html
*⇒I Dieci libri d'architettura di Gio 、Giovanni Antonio Rusconi著Google eBook で見ることができますp71


大プリニウス
(Plinius 23年 - 79年)

私のプリニウス


*1 ポンペイ展のカタログによる追記。2007-03-16
こういう説明から物好きな博物学者だと思っていたら、お役人でもあって、噴火調査に行ったというのですね。Wikipediaでは「地中海艦隊の司令官として南イタリアのミセヌムにいたとき、ヴェスヴィオ火山の噴火を目撃した。プリニウスは艦隊を率いてポンペイへ向かったが、そこで死亡した。火山の観察を続けるうちに避難し遅れたのだとも言われる。」とあります。博物学という今は亡き学問(とかいう?)のイメージがここにあり?
マルクス・ウィトルウィウス・ポリオ
(Vitruvius紀元前80年/70年~紀元前25年)
ウイトルウィウス的人体図
ダ・ヴィンチ・コード」にも
かの「ウイトルウィウス的人体図」 なるものが でてくるそうです。
人体比例論↓『ウィキペディア(Wikipedia)』参照
ルネサンス建築
ウィトルウィウス「建築十書」 古代ローマから伝わった現存する最古の建築理論書アルベルティ →ダ・ヴィンチ

Amazon建築書 普及版

アカンサス文様



●ギリシア時代を代表する植物文様のアカンサス
↓重要な展開

ローマ巻き(唐草文様)ROMA (B.C.753~A.D.330)

西洋文様を代表する文様(として)完成された

●グリーン・マン(文様)

植物と人間を合成したもので
ロマネスクやゴシックの建築装飾や ルネサンスのグロテスク文様の中に使われる
髪の毛やひげが植物の茎や葉になっていいたり
下半身がアカンサスの植物になっていたりする
グリーンマンのページ
●アカンサスは
現代 日本の現行1万円札の表裏にも書かれている(ま た、賞状の縁など)

「ヨーロッパの文様事典」より 視覚デザイン研究所編:平成12年1月刊 

アカンサスの植物とオーナメントの関係

http://en.wikipedia.org/wiki/Acanthus_(ornament)

The acanthus is one of the most common plant forms to make foliage ornament and decoration.

The relationship between acanthus ornament and the acanthus plant has been the subject of a long-standing controversy.
アカンサスの植物とオーナメントの関係については、長年の論争課題であった。 Alois Riegl argued in his Stilfragen that acanthus ornament originated as a sculptural version of the palmette, and only later, began to resemble Acanthus spinosus.
アロイス・リーグルは「美術様式論」でアカンサスのオーナメントのオリジナルはパルメットモチーフの彫刻バージョンであろうと論じている。

In the most famous section of this chapter, Riegl argued that acanthus ornament was not derived from the acanthus plant, as had been believed since the time of Vitruvius, but was rather a sculptural adaptation of the palmette motif. It was therefore "a product of pure artistic invention,"[11] and not of "a simple compulsion to make direct copies of living organisms." 第三章の最も有名なセクションで、ウィトルウィウスの時代から アカンサスの植物から派生すると考えられていたアカンサス装飾は、むしろパルメットモチーフの彫刻への適応で、純粋に芸術的発明の産物であって、単一の植物の直接の複製ではないと論じた。

aloisriegl.html

アカンサスのある柱頭


フランス ロマネスクを巡る旅
(新潮社とんぼの本 (2004)中村 好文 ・ 木俣 元一 著)p121なのだが・・

「柱頭に彫り込まれているのはアカンサスの葉。キリスト教的生活や復活を意味するシンボル。1110年頃」という説明なので・・少し気になった(キリスト教的生活」という部分が)

⇒モワッサクmoissac.html

木俣元一さんのコリント式柱頭の典型的な例の講義はこちらtyutou.html


line art of acanthus
Pearson Scott Foresman, donated to the Wikimedia Foundation


アカンサス文様 WEB 検索

検索日(2012-01-06)
パルミラの植物文様 by宮下佐江子氏(古代オリエント博物館)

 パルミラは石造りの建築遺構が2000年前のこのまちの栄華を伝えているが、そこにあらわされた植物文様の多彩なこともつとに知られている。
多くの隊商が行き交ったであろう記念門には、アカンサスの樫の葉を基調にした連続文様と六弁ないし八弁の花、、ナツメヤシの幹やクローバー形の葉をもつ蔦が刻まれている。
植物から生えでた人間の表現は豊穣・多産の象徴としてロマネスクやゴシック建築のいわゆる「グリーン・マン」やイスラームの「ワークワーク文様」にみられるが、それらにさきがけて奈良・パルミラ遺跡調査団によるF号墓の墓室内の梁には植物から発生する人物像浮彫がある



ホメオパシーマテリアメディカ大全 - Google ブック
森井啓二著エンタプライズ (2008)刊
アカンサスの若葉の美しさに心打たれたのちに.建築のデザインに用い始めたと言われています.
初期のキリスト教の美術作品では.この植物は天国の庭を象徴する天界の植物として描かれています.

以下:古い検索(リンク先がかなり怪しくなっています)

夢の島熱帯植物館だより  象徴の植物 -アカンサス-

原始キリスト教では「天の庭」の植物
正倉院の御物(ぎょもつ)「八角鏡箱(はっかくのかがみばこ)」にも描かれる
アカンサスの葉模様による柱頭装飾
古代ギリシャのコリント式建築様式を 特徴づける「葉飾り」彫刻。
「花文字」例
アカンサスの装飾文字で、聖書の>表紙や、文章の
キャピタル・レター (最初の文字)に用いられる

…とあります。 「天の庭」の植物というのは初見です。

■Interior Coordinator INAMIさんのインテリア図鑑
図と説明があります(バロックのアカンサスの項

「アカンサスの飾りは、お供え物で、瓦で蓋をしたお供え籠の下から、
アカンサスが芽を出し籠を包んでしまったのが原形だそうです 」

このインテリア図鑑は インテリアコーディネト試験のテキストとして完璧に網羅されている ・・ということで 「All About Japan スーパーおすすめサイト大賞2002」に

花言葉 技巧 美術

誕生花:6月27日
残念ながら ↓このページがみつからなくなってしまいました(2003/7/19)写真版 俳句歳時記365 (大内丘道さん)
     そちらでご紹介されている句ですが・・確かにこんな感じがしますね
アカンサス凛然として梅雨去りぬ   吉村公三郎

Morris Acanthus Wallpaper 1875.jpg
"Morris Acanthus Wallpaper 1875" by William Morris - http://www.vam.ac.uk/images/image/22358-popup.html. Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons.

⇒ウィリアム・モリスのアカンサスmorris.html

アカンサス写真集

学名 Acanthus L.
科名 : キツネノマゴ科 Acanthaceae 
属 : ハアザミ属 Acanthus 

2014年6月12日のアカンサス
* http://osaka-midori.jp/hananosanpomichi/html/a/acanthusmollis.html


「花の王国」の「園芸植物」の巻(第1巻)p21
(荒俣宏さん) アカンサス考(2)に続く

美術用語「アカンサス」(まとめ)

INDEX アカンサス ツタ ロータス ブドウ ボタン ナツメヤシ

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