La Cathédrale Saint-Lazare d'Autun
サン・ラザール聖堂 (Autan)20190614 photo byM.N.
2019年6月のオータンのサン・ラザール聖堂・・着いてみると、しっかり修繕工事中の模様(;'∀')
トゥルーズのお目当てのオーギュスタン美術館も、6月1日から10カ月の修繕休館に入り、見られなかったので、少々がっかりしつつ・・
しかし、実はオータンの扉口彫刻は、上の入口にあるのではなくて、こちら(最初の写真の右手の狭い道にある短辺部分)にあったのであった・・(→ 下へ)
柱頭はほぼ見られなかったが、扉口彫刻は見ました・・
それをいえば、ヴェズレーでは話が逆で、柱頭はほぼ見られたが、扉口彫刻は見られなかった。その話は後ほど。
どんどん坂を上って聖堂の周りを一周・・
そうでもなければひょっとして、
「ギスレベルトゥス我をつくれり」
( ̄^ ̄) の彼の像があるとは気が付かなかったかも知れない。
いや、修繕工事中でなくても、聖堂の周りは回るべきだ((笑))
Hommage à GISLEBERTUS
ギスレベルトゥスへの オマージュ
ギスレベルトゥス君のわきを通って、聖堂裏の公園を回って
十字架も見て、木の花(菩提樹の花)も見て・・
潜り抜けると・・
立て込んだ狭い道に面したこちらが、中央扉口でした
あの「パルムの僧院」を書いたスタンダールは1837年にオータンを訪ねて、その印象を「ある旅行者の手記」に書いている。 中世の彫刻に愕然とし、肖像画を称賛した。このタンパンは覆われていて、見ることができなかったのであったが、「野蛮なレリーフが発見されたと聞いた」と書いている。(-_-;)
※ 「Autun dates,facts and figures」 Daniele Berfin 2015)
How saddened is the eye by this sculpture after having witnessed balance in the antique!
What great ugliness,good God
!
I hear that,after my stay in Autun,a barbaric relief representing "The Last Judgement "was discovered above the portal of the church.
ギスルベルトゥスのアダムとイブはこの扉口の左の入り口にあったようだ‥
保坂 清さんが、ミケランジェロの「最後の審判」の絵の解説で、(このテーマが)初めて作品化されたのは、オータンにある聖ラザール寺院の扉口のタンパンであると、 『聖書の生んだ名画 』(玉川大学出版部 1992刊)で書いている。(→2020k/seisyo_meiga2.html)
神原正明さんによれば、「最後の審判」がタンパンに登場するのは、モワサックのタンパンが最初であるという。食い違いがあるがどうだろうか。※『天国と地獄』第5章「オータン―キリスト教美術の精華」p176 (講談社選書メチエ2000刊)
神原さんの挿絵にもあるように、そちらは、下の部分は長老たちの列で、裁かれる死者ではない。だから、正確には「最後の審判」の構図の定型ではないと思うが。(→2019k/june_moasac.html)
神原さんは、オータンの「最後の審判」は特筆に値すると書いている。(p178)
秤が天上から出た神の手によって取られ、雲からつるされた表現が、オータンのカテドラル見いだせる。これは西ヨーロッパではほとんど見られないが、ビザンチンのイメージとしてはよく知られているものだ、(神原p84)
オータンでの秤をめぐる天使と悪魔の攻防と駆け引きは、なかなか興味深い。(神原、p181ユーモラスなデヴィルたち)
オータンの彫像の引き伸ばされた体躯とゆがめられた体のねじれは、これを制作した彫刻家ジスレベルトゥスの個性でもあるが、周辺部では枠の法則に従ってとりわけ極端に歪んでいる。今世紀の美術史家ファン・デル・メールはこれらの彫像を賛美して次のように言う。(神原p180)
オータンの、デッサンの「獰猛なまでの不正確さ」と比類なき精神性は、この審判が純粋に東方的であったことを忘れさせる。それレ彫刻された「怒りの日」であり、復活であり、選ばれた者の恍惚であり、地獄に落ちるものの悪夢であり、大胆さにおいてシニョレッリのそれを超えている。(Meer1938)
これ以下は『聖書に描かれた名画』に続く→2020k/seisyo_meiga2.html
こちらにこのタンパンについて詳しく書いている方がおられました。
◆http://izmreise.la.coocan.jp/ ◆http://hp1.cyberstation.ne.jp/
※柱頭は聖堂内のビデオで見ました。中村好文さんがお土産の最高傑作と書いていたミュージアムショップのエンボス加工の白いカードも売っていなくて残念。
『フランス ロマネスクを巡る旅』(2004)中村好文・木俣元一著⇒2017k/tyusei_kimata.html
買えた方のたび記録2008年で10年前⇒https://4travel.jp/travelogue/10363330
柱頭写真こちらの方のページにも2008⇒ https://izmreise.la.coocan.jp/
本題の唐草文であるが、
規則的にスクロールする帯の間に葉の並置で創造的なものではないが装飾として「きちんとしている入口のもの。
獣帯(ゾデアック)Cathédrale Saint-Lazare d'Autun: Zodiacの下のタンパン扉口のもの。意匠は同様だがより精緻。
内部や窓は(Gothic)フライボワイヤン様式であった。
Transept(トランセプト 十字形教会堂の翼廊)
ご覧の通りで、中ではこれ以上見られなかった。
聖堂内ビデオ画面から