有翼獣
「文様事典」(視覚デザイン研究所)によれば、
翼をもつ動物の起源は西アジアに始まる
以下に概略をまとめると
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古くは紀元前2000年以前に
メソポタミアでは
獅子の頭と鷲の体を持つ獅子鷲が神聖なものとして表された。
その後
有翼神像をはじめ
牡牛や獅子の有翼の想像獣が表されて、
アッシリア帝国の拡大と共に西アジア一帯に広まった。
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文化遺物は
獅子鷲
前2700年頃
メシリム王の棍棒頭
テロ出土
前2450年ごろ
ラガシュのエンシ、エンテメナの銀壺
テロ出土 ルーブル美術館
前8〜前7世紀
想像獣文金製飾り板
イラン 伝シヴィエ出土 メトロポリタン美術館
グリフィン
前6〜前4世紀のアケメネス朝ペルシアでは
有角有翼のグリフィンは特に好まれた幻獣である
前5世紀頃
グリフィンのレリーフ
スーサ出土 ルーブル美術館
前5〜前4世紀
グリフィン飾りの腕輪
ロンドン ヴィクトリア&アルバート美術館
前6〜前5世紀
グリフィン飾りの帯金具
ハマダン出土 メトロポリタン美術館
シムルグ
3〜6世紀のササン朝ペルシアでは
犬と鳥の合体であるシムルグが
皿や水差しに盛んに登場する
5〜6世紀
シムルグ文水差し
イラン製 ウクライナ出土 エルミタージュ美術館
6〜7世紀
霊獣文緯錦断片
ササン朝ペルシア パリ装飾美術館
6〜7世紀
シムルグ文杯
北インド出土 大英博物館
ペガサス
前5〜4世紀
ペガサス系銀杯リュトン
ウリャフ:アウール古墳出土
モスクワ国立東洋民族博物館
リュトンとは人や動物の頭部をそのままかたどった杯
6〜7世紀
連珠円ペガサス文錦
ササン朝ペルシア アンティノエ出土 リヨン織物美術館
連珠ペガサス文錦織
コプト期エジプト製 リヨン織物美術館
https://www.chinjuh.mydns.jp/sengai/hundo/p36.htm
古代メソポタミアの守護精霊ウルマフルッルーは、
ライオンの体に人間の上半身がくっついている
ウルマフルッルーはライオン人間という意味。
古代メソポタミアで知られていた守護精霊。
帽子についているのは牛の角。