よくわかる名画の見方
読み解くための100のキーワード
池上 英洋 川口清香 荒井咲紀(著) PHP研究所 2013 年2月刊
池上 英洋著 『西洋美術史入門』が良かったので、『西洋美術入門』の方も・・というわけで、美術入門の方のその2「よくわかる名画の見方 読み解くための100のキーワード」です。(20181005)
内容紹介
本書は名画をより深く楽しめるようになる一冊。
受胎告知や最後の晩餐などのキリスト教絵画。美しい花々を描いた絵や抽象画。誰かの姿を描いた人物絵。描かれたモチーフの美しさや、素敵な色づかいを楽しむことは、名画を楽しむ基本ですが、どのような意味が込められているのかを知れば、その作品の面白さはさらに深くなります。
美しく印刷された250点超の名画を、鑑賞のヒントとなる100のキーワードにわけて解説します。
内容(「BOOK」データベースより)
あの絵は、なぜ描かれたのか?人気の西洋美術史家が名画に隠された秘密を教えます。250点超の名画を収録。
はじめに
第1章 シンボルとアレゴリー
花と果実、窓、食事、天使…
第2章 主要な主題
天地創造、受胎告知、キリストの復活、聖母子とピエタ、ヴィーナスの誕生…
第3章 技法とジャンル
フレスコ、油彩画、風景画、静物画、自画像…
第4章 時代区分(様式)
ルネサンス、バロック、ロココ、印象派、フォービズムとキュビスム…
主要 参考文献
「シンボル(象徴)とは、何か意味を与えられた図像のこと。
アレゴリー(寓意)とは、絵全体で一つの概念を表すもので、おときにシンボルの集合体の形をとりを読んでいくために必要ななつる知識です。」(p9)
花と果実
動物
星座(オリュンポスの神々)と黄道十二宮
太陽と月
窓
食事
ファム・ファタル
死の舞踏・頭蓋骨
ヴァニタス
対ペストの聖人
天使
悪魔と地獄
アンドロギュヌス
楽器
五感
美徳と悪徳(および聖愛と俗愛)
廃墟
夢
天国と理想郷
モード
不釣り合いなカップル
天地創造
エヴァの創造
原罪と楽園追放
カインとアベル
大洪水
バベルの塔
ロトとその娘たち
イサクの犠牲
モーセの十戒
サムソンとデリラ
ダヴィデとゴリアテ
ヨナの物語
スザンナの水浴
ユディト
トビアスと天使
サロメと洗礼者ヨハネ
受胎告知
東方三博士の礼拝
エジプトへの逃避
嬰児虐殺
キリストの洗礼
カナの婚礼
最後の晩餐
磔刑
キリストの復活
聖母子とピエタ
最後の審判
無原罪の御宿り(聖母被昇天)
マグダラのマリア
三位一体
わが子を喰らうサトゥルヌス
プロセルピーナの略奪
人類の創造とパンドラ
ダナエと黄金の雨
アポロンとダフネ
ディアナとアクタイオン
バッカスの祭儀
ピュグマリオン
ヴィーナスの誕生
アドニスの死
オルフェウスの冥界下り
パリスの審判
ラオコーン
モザイク 豪華さが好まれた時代の贅沢な技法
フレスコ 壁画制作に最も適し、多用された
テンペラ 木の板に好んで使われた
油彩画 繊細な表現と低コストを実現した
水彩画 特に英国で好まれたやわらかな色彩
ステンドグラス 布教の意味がこめられた光の芸術
彩飾写本 一文字一文字、手で写された複製本
版画(木版画・銅版画) 文化の伝播に貢献した複製の芸術
グリザイユ 古代風の演出を可能にした技法
素描・スケッチ 価値が再評価された基礎技術
タペストリー 絵を繊維で再現する高度な技法
遠近法 リアルな絵画表現を追求した
祭壇画 見るものを祈りの境地へと導く
風景画 装飾品として広く好まれた画題
静物画 写実の中に織り込まれた暗喩
風俗画 普通の人々のありふれた姿をとどめた
肖像画 裕福な商人が名画家にこぞって描かせた
自画像 社会的に不遇であった画家たちの想い
裸体画 時代を経てタブーは徐々に解消された
エジプトとメソポタミア 世界最古の文明が生んだ芸術
エーゲ文明と古代ギリシャ 人物の彫刻と陶器の挿画
エトルリアとローマ 墳墓と壁画に残された高度な表現
初期キリスト教時代と
ビザンティン、ロマネスクとゴシック キリスト教の布教に寄与した芸術
プロト・ルネサンス ルネサンス繁栄の礎となった
ルネサンス 古典芸術に学び、花開いた人文主義
北方ルネサンス 身近な空間における現実的な描写
マニエリスム リアリズムよりも優美と洗練を追及
バロック(オランダ以外) 人々を扇動するドラマチックな表現
バロック(オランダ) 自主独立の精神が香る市民の芸術
ロココ 貴族文化を象徴する装飾的な表現
新古典主義とロマン主義 古典主義の再燃と感性重視の芸術
印象派 カンヴァスに残したかった一瞬のイメージ
後期印象派と新印象派 印象派から羽ばたいた独自の芸術
世紀末芸術 神秘的表現とデザインとしての芸術
フォービスムとキュビスム 新手な色彩・形態表現の誕生
その後~現代美術 芸術の根本的な在り方を問い続ける
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