池上 英洋(著) ちくまプリマー新書 2012 年12月刊
入門書として簡便・秀逸。ちょっと目次読書で、楽しみつつ、さらに頭が良くなる気分をここで((笑))
第2章に、16世紀末から出始めた「辞書的な『寓意画集』」の話があるが、邦訳は無いのだという話、たしかにそうだった。「シンボル事典」などで、そこからの引用をたまたまみて、参照したいと思ったのだったが、・・・
図像学=絵の解読のためのコードの発掘作業ということで(p38)、興味深いのであったが、以下で、カラー口絵も丁寧に見てみたい(途中です20180804現在)
内容紹介
本書は西洋美術入門者の方にもわかるよう、絵画やそれにまつわる写真などを大きく、ふんだんに掲載し、難しい用語にはルビを付け、丁寧に解説しています。エジプト・メソポタミアに始まり、古代ギリシャ、ルネサンス・バロック・ロココに印象派などから、世紀末美術を経て、現代美術、その後の展開まで、美術史の全体像をしっかり学びながら、楽しく西洋美術を学べる一冊です。
内容(「BOOK」データベースより)
名画にこめられた豊かなメッセージを読み解き、絵画鑑賞をもっと楽しもう。ヨーロッパの中高生も学ぶ、確かなメソッドをベースにした新しい西洋美術史の教室へようこそ。
第1章 美術史へようこそ
第2章 絵を“読む”
第3章 社会と美術
第4章 美術の諸相
第5章 美術の歩み
1.美術史とは何か
2.なぜ美術を学ぶ必要があるのか
3.絵を”読む”ということ
4.絵を読むための手続き(一) ―スケッチ・スキル
5.美術作品が持つ”二つの側面”
6.絵を読むための手続き(二) ―ディスクリプション・スキル
1.記号としてのイメージ
2.イメージとシンボル
3.シンボルとアレゴリー
4.アトリビュート
5.イコノグラフィーとイコノロジー
6.”後段階”におけるイコノロジー ―主題と社会背景
7.”前段階”におけるイコノロジー ―図像の成立背景
口絵2 図2-09アンドレア・マンテーニャ (聖セバスティアヌス)
1480年頃、パリ、ルーブル美術館★
1.社会を見るための”窓”
2.トビアスの冒険 ―ルネサンスを開花させた金融業
禁止されていた”高利貸し”/ 両替商のシステムと主題の流行
3.法悦の聖女 ―バロックの劇場
無原罪の御宿り/幻視/観る者を観客として参加させる/”劇場型”バロック
4.フェルメールのアトリエ ―17世紀オランダ社会の特質
世界地図/ラブレター
5.大英帝国が抱えるコンプレックス
一八世紀の修学旅行
6.悲しき(落穂ひろい)からルノワールのレストランへ ―階級差・鉄道・レジャー
”描かれた貧困層”を買う人々/みずからの善行をアピールするために/汽車というモチーフ/鉄道に見る階級差/オリエンタリズムの流行/レジャーとしての旅
絵を読むための手続き(二)―ディスクリプション・スキル
(Wikipediaにある、口絵7の類似画)
Canaletto, Veduta del Palazzo Ducale
口絵7 図3-11 カナレット(ジョヴァンニ・アントニオ・カナレット)(キリスト昇天祭の日の御座舟の帰還)
1732年頃、ウィンザー王立コレクション
1.美的追求と経済原理
2.パトロンの話
皇帝と教会による独占/再び市民パトロンへ/パトロンの移り変わり
3.技法の話
壁画の主流となったフレスコ/板絵の主流となったテンペラ/油彩+カンヴァスいう最終形/番外編:”印象派”という一大技法実験
4.ジャンルの話
風景画―画家はいつだって風景を描きたいと思っていた/風景画を作り出すもの―製作意図と純粋性/静物画―もう一つの”ニュートラル”主題/風俗画―食事・モデル・注文主
【エジプトとメソポタミア】
【エーゲ文明と古代ギリシャ】
【エトルリアとローマ】
【初期キリスト教時代とビザンティン】
【ロマネスクとゴシック】
【プロト・ルネサンス】
【ルネサンス】
【北方ルネサンス】
【マニエリスム】
【バロック(イタリア・フランス・スペイン)】
【バロック(17世紀オランダ)】
【ロココ】
【新古典主義とロマン主義】
【印象派】
【後期印象派と新印象派(点描派)】
【世紀末芸術】
【フォーヴィスムとキュビスム】
【その後~現代美術
「ちくまプリマー新書」ラインナップby筑摩書房は2005年1月創刊だそうな・・
それにしてもウィキメディアはさらに凄くなっている~~
ゴッホの項のまとめがすごいので恐れ入りました
Van Gogh works by dateは
なんと 月別!!!!