(※太字は「岩波西洋用語辞典」の巻末に挙げられた12文様です)
アカンサス achantos |
ハアアミ属の植物で、古代ギリシアのコリント式柱頭の装飾にその葉のモティーフ装飾性がこのまれて、原題の銀行建築にまで広く用いられている。(岩波西洋美術用語辞典)→「アカンサス」まとめ |
パルメット palmetto |
ギ「椰子」という意味のラテン語palmaに由来。古代エジプトに端を発し、 リシアで広く用いられた文様パターン。椰子の葉を図案化し、下端を曲線でつないでゆく。古代ギリシアではしばしばロータスと交互に用いられた。(岩波辞典) 人間の手の指のように扇状をした棕櫚の葉を文様化したもの |
ロータス lotus |
古代エジプトに期限をもつ、睡蓮の花をモティールとした文様。復活、再生の象徴とされた。古代ギリシアではしばしばパルメットと交互に組み合わせて用いられる。(岩波辞典) 睡蓮の花を様式化した文様 |
あ行 | か行 | さ行 |
アカンサス ** アラベスク * アンテミオン * ヴァイン ヴィトルヴィアン・スクロール エッグ&ダーツ |
カルトーシュ 幾何学文様 ギローシュ クラヴィ グリーン・マン グロテスク コルヌコピア |
スクロール スケール スター スパイラル スワスティカ |
た行 | な行 | は行 |
ダイアバー チェッカー デンティール トランペットパターン |
忍冬文 (→ハニーサックル) |
パインコーン ハニーサックル パーム パルメット ** フェストーン ● フォイル フランボワイヤン フルール・ド・リス フレット ペイズリー |
ま行 | や行 | ら行 |
ミル・フルール メアンダー モールディング |
(様式) | 卵鏃文 ロータス ** ロゼット ローレル |
わ行 | ||
(蕨手文) |
アラベスク arabesuque | 出典:道明三保子 「オリエントの文様」(小学館) アラビア意匠・イスラームの装飾文様のことで、植物文、幾何文、装飾文字などを組み合わせ、平面を埋め尽くす連続文様。 狭義には、先端が二またに分かれたユリの花に似たモティーフを、絡みあった合ったつる草状の流麗な曲線でつないだイスラーム独特の唐草文様を指す場合もある。 イスラーム教は生き物の表現に制約を与えたために、装飾文様がイスラーム美術において重要な要素になった。 アラベスクは建築装飾、写本装飾、絨毯、金工品など美術のあらゆる分野に見られ、濃密で幻想的なイスラーム美術特有の雰囲気を作り出している。 ■アラベスク アタリウク アラビア文字 |
アンテミオン anthemion |
忍冬の葉、またはパルメットの枝葉を様式化した 古代ギリシアの植物文様 (忍冬文) 古典主義建築が復活する18,19世紀のヨーロッパ建築 家具・装飾板に広く用いられた ■「アンテミオン」とは |
ヴァイン vine |
蔓草文様 広義には唐草文様 狭義には葡萄唐草文様 ビザンティン、ローマのモザイク、中世建築の細部、 装飾写本の縁取りとして広く用いられた |
エッグ・アンド・ダーツ egg-and-darts |
卵鏃(らんぞく)文様 卵型と鏃(やじり)型のパターンを交互に配した文様 卵と剣、卵といかり、卵と舌 葉と鏃など多くのバリエーションがある |
カルトゥーシュ cartouche |
語源:ラテン語「紙板(carta)」 バロック時代先端が渦巻状にめくれた縁取り装飾 |
幾何学文様 guiloche |
「幾何学文様期」についてはこちらへ(陶器年代) |
ギローシュ guiloche |
組紐文様、縄編文様 |
クラヴィ clavi |
語源:ラテン語「釘・鎬しのぎ(clavus)」 縞模様 |
グロテスク grotesque |
蔓草・葉・花綵(はなづな)などの植物モティーフ 、
動物、人像、仮面、武具などを組み合わせた幻想的な文様 語源: 1500年ごろ発掘された古代ローマ皇帝ネロの別荘 「黄金宮殿」(ドムス・アウレアに装飾されていた文様で、 この建物がグロッタ(洞窟)と呼ばれていたことに由来する 。 16世紀初頭イタリアで壁面装飾として大流行: 例: 17世紀フランス :当初「グロテスク文様」を指した 出典 ヨーロッパの文様事典 |
(鶴岡真弓)
スクロール scroll |
古代ギリシアに生まれ古代ローマ建築に継承される イオニア式柱頭に飾られた巻軸ないし渦巻き型の文様。 唐草文様のC字型の渦巻く形態を指す場合もある。 ■スクロール、ジラーレ |
スケール scale |
鱗状文様 エジプトの墓質壁画、メソポタミアの建築壁画装飾に顕著 |
スター star |
星模様 |
スパイラル spiral |
渦巻模様 |
スワスティカ swastika |
卍(まんじ) 模様 ■グリーク・キーとは(2012) |
ダイアバー diaber |
小柄の菱形連続文様 |
チェッカー checker |
市松文様 |
デンティール dentelle |
犬歯飾り |
トランペットパターン trumpet pattern |
ケルトの渦巻き文様の重要な構成要素 |
パイン・コーン pine cone |
松毬(まつかさ)文様 スケール(鱗文) ※アッシリアでナツメヤシの前の鷲頭の精がもつ |
ハニー・サックル haneysuckle |
忍冬唐草(スイカズラ)唐草風文様の総称 ■「アンテミオン」とは?参照 |
パーム palm |
指のように深く裂けた形態を特徴とする 椰子ないしは棕櫚の葉を文様化したパターン 縦長の葉柄から櫛状に細長く葉が伸びている形態 |
フェストーン festoon |
花綵(はなづな)文様 古代ローマにおいて牛・羊などの聖獣を犠牲として神に捧げる時、 犠牲をおいた祭壇を飾った儀礼に由来する →ガーランド、プークラニウム |
フォイル foil |
烈葉文様 切り込みのある葉の文様。 |
フランボワイヤン flamboyant |
火炎文様 →※中世のイタリア建築 |
フルール・ド・リス fleur-de-lis |
ユリの花文様 →■ユリ |
フレット fret |
連続鉤型文様 |
ペイズリー peisley |
パイナップル・マンゴー・松毬・おたまじゃくしなどと愛称される "涙型"の文様 ■ペイズリー模様も生命樹から(by杉浦康平) |
ミル・フレールmille fleurs | (millions of flowersという意味)という デザインでよく使われる言葉。 一面に草花をあしらったデザインとのこと |
メアンダー meander |
雷文 |
モールディング moulding |
刳(くり)型文様 凹凸の起伏をつけた連続文様の総称 |
ラティス・ワーク lattice worl |
格子文様 |
ロカイユ rocaille |
貝殻・人工の岩石を様式化した文様 |
ロゼット rosette |
円花文様 世界大百科事典の解説によれば、「花形装飾を意味するフランス語および英語。開花した花を上から見た形を図式化した装飾ないし模様で,中心から放射状に広がる花弁状の単位を円形に並べたもの。」(詳しくはこちら) 『古代オリエント辞典」では ロゼット(rosette):花弁が放射状に広がった円形の花のモティーフ。先史時代から装飾意匠として使用され、壁画や浮彫などの建築装飾や宝飾品や装身具のデザインとして広く使われた。メソポタミアでは前4千年紀末から女神イエンナのシンボルとして頻繁に表現され、また初期のエジプトでも王と共に描かれた例がある(渡辺千賀子) 視覚デザイン研究所の文様事典では、「ロセット文様は太陽の光条を象どったもので中央から放射線状に広がる円形装飾。「バラ花型」と訳されるが、日本の菊花の文様に似ていてバラには似ていない。メソポタミヤからギリシア、ペルシアでは一種の太陽マークとして、建築のレリーフ、陶器に装飾された。」とある。 Wikipediaでは、 「本来はバラの花から由来する言葉で、八重咲きのバラの花びらのような配列を現す。や細長くて多少とも平らな構造や器官が一か所に集まり、放射状や螺旋状に配列するもののことをロゼット、あるいはロゼット状と表現する。」 「その始まりはロータス(スイレン)からヒントを得たともいわれる」とある 『オリエントの文様』(小学館)での解説はこちら ■ロゼットの図像 |
ローレル laurel |
月桂樹の葉文様 ※20170606 ダンテ(桂冠詩人)の墓参り |
螺旋 渦巻文様
ローマ巻き
ウィキメディアでは、Volute、Vegetal decoration・・・
ところで、唐草をRinceauというのは、そうであったのか(~_~;) ※https://etc.usf.edu/clipart/ 渦巻文
様式 style | 美術史の重要な方法論(様式史):ある時代の特徴的要素の総体
(世界美術大辞典) 従うべき規範(文体・スタイル)→ 一つの作品、一人の芸術家、一つのジャンル、一つの時代そのものに特有の表現形式 「ルネサンスとバロックの様式を定義づけたヴェルフリンによる5つの対概念は、いまだにある種の普遍性をもっている」 線的━絵画的 平面性━深奥性 閉じられた形式━開かれた形式 多様性━統一性 絶対的明瞭性━相対的明瞭性 |
美はそれを求める人のものである。(ゲーテ) |