唐草図鑑

花綱装飾

フェストゥーン

festoon(装飾の)〔花、葉、リボンなどを棒状に編んで、2カ所に掛けてつるす装飾品。〕
(建築などの)〔建物、絵画、陶磁器などの飾りとしての花綱。〕
garland(装飾の)
swag(装飾や模様の)
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世界大百科事典内の花綱装飾の言及 【フェストゥーン】より
…花,枝葉,果実,穀物等を帯状布で巻き,2点間に緩やかにつり下げた形を示す装飾。
懸華(けんか)装飾花綱(はなづな)装飾ともいう。
石,スタッコ,ないしブロンズのレリーフ(浮彫),および絵として表され,主として古典様式建築のフリーズfrieze(水平装飾部材)または墓碑等に荘重感と記念性を強めるために用いられる。

 上の、荘重感と記念性を強めるために用いられるという表現には、納得

s. m. ‘serto di fiori, frutti, foglie e altro che, sorretto da due capi, si appende a finestre, balconi, soffitti come motivo ornamentale’ (1541, Firenzuola Celso 580), ‘motivo ornamentale architettonico consistente nella raffigurazione, scolpita o dipinta, d'un festone’ (av. 1519, Leonardo), molto diffuso durante l’età classica in Grecia a Roma, fu ripreso in epoca rinascimentale e utilizzato fino al XIX sec., detto anche encarpo, i nastri ai lati si chiamano bandelle.
(1541年、フィレンツオラセルソ580)、「重要な建築装飾用モチーフ、彫刻や塗装'花、果実、葉となどが窓から吊り下げられている二つのヘッドでサポートされている、バルコニー、装飾用モチーフに天井のガーランド'、
(AV。1519年、レオナルド)、ローマ・ギリシャの古典的な期間中に非常に人気があり、ルネサンス期に復活し、19世紀まで使用された。
encarpo、両側のテープはストリップと呼ばれている。

L'encarpo, in architettura è un motivo decorativo costituito da un festone di fronde, frutti e fiori, presente ad esempio nel fregio ionico.
È chiamato così anche l'abaco riccamente ornato dei capitelli ionici.
Nato nell'età classica, l'encarpo venne ampiamente usato anche durante il Rinascimento.
古典的な起源の装飾的な建築要素encarpoは、イオニアフリーズための本葉、果実や花の花輪、から成る装飾モチーフ。
古典的な時代に生まれ、encarpoは広くルネサンス中に使用された。

Lion with festoons

Sarcophagus Louvre AO4962 n03
ルーブル美術館のサルコファガス 2nd century-early 3rd century AD

Eros with festoons

Bellapais Kloster - Römischer Sarkophag 3
Bellapais monastery ( Northern Cyprus ). Cloisters - Ancient Roman sarcophagus (2nd century AD ):.

me世界の博物館〈19〉シルクロード博物館 』 (宮治昭・モタメディ遥子編)見開きの、花綱を担ぐキューピッド、花綱から葡萄がたれさがり、それを鳥がついばむ図が魅力的・・(こちらからの再掲であるが)
図135の「花綱を担ぐエロス」の解説に、

このモティーフはヘレニズム時代に現れ、帝政期のローマ時代に流行するが、ガンダーラ仏教美術の好みの題材ともなった。
供養者が花や葉を手に半身を現すのは、この地での改変である。

meなお、「インド美術史」(宮治昭著吉川弘文館)ではp71で、アトラスと仏のいるコリント式柱頭(→インド美術)と3つ、「ヘレニズム・ローマのモティーフ」として紹介されている。ただし、これを「ローマ式仏教美術」と規定すると誤解を招きやすい、と。ガンダーラ美術がローマの影響によって他律的に発生したという誤解を与えるからと。
重要なことは、ガンダーラの地において、西方の影響が仏教と結び付いた形で、目覚ましい造形活動が展開したこと である、と。

ガンダーラ美術の独自性は、 仏陀の「歴史化」「人格化」を背景にした熱狂的な民衆芸術ともいえる性格にある。

KanishkaCasket
カニシカ王の舎利容器 銅製(べシャワール博物館蔵 大英博物館に複製あり)
Kanishka Casket, 127 CE. British Museum.
細部
KanishkaBuddhaDetail2
天使と菩薩。中央に仏陀(花綱の上)

wikipedia 閲覧20160527)
1910年、ペシャーワルのカニシカ王のストゥーパ(パキスタン)から発見された仏舎利
容器の側面にはクシャーナ朝の君主(おそらくカニシカ王自身)とその脇に控えるイランの神(日神と月神)が描かれている。そのそばには着座した仏陀と、仏陀を崇拝する菩薩と見られる王侯風の人物が描写されている。天使に祝福されたガーランド(花の装飾)が場面のあちらこちらにちりばめられ、典型的なヘレニズム様式を呈している。

me宮治昭著「インド美術史」( 吉川弘文館)p73で このシャリ容器(シャー・ジ・キ・デリー出土)は、精巧な作とは言い難く、種々の問題を含む、というが・・

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