聖樹とは 、 聖樹文様とは ・・・・?
こちらは、唐草図鑑の中の聖樹関係のインデックスページです。
![]() クリムトの生命の木… 生命のエネルギーをあらわすかのように、どこまでも伸びる枝 唐草状にぐるぐると渦巻いています。 |
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生と死をみつめる聖なるもの、宇宙の「中心のシンボル」
、樹木と木の円柱と生み出す女神の同一視・・・などなど、新しい文献から、各ページに追記します
生命の木と生命の樹(ロジャー・クックの本「生命の樹 -中心のシンボリズム」を読む)
「生命の樹」を典型とする聖樹は世界各地で
装飾文様として使われている。
イランではハオマと呼ばれたがこれは葡萄だとされる。
聖樹は多くは聖獣や女神を伴った形で
装飾文様に使われる。
すでに前3000年紀のスーサ出土の円筒印章には
動物を伴った樹木文様や
樹下に聖獣を配したものがある。
なお、ヨーロッパのキリスト教美術でも
生命の樹として葡萄がしばしば描かれ、
今も行われる枝の主日のオリーブやナツメヤシの祝福、
またクリスマスツリーも聖樹崇拝の名残といえる。
詳しくは→樹下聖獣文
→ ブドウのページにて続けます。
ここで用字、漢字表記に「木と「樹」の使い分けがあるが、決められているのかどうか?(続きます。→生命の木と生命の樹)
また、楽園のイブ(エヴァ)の葉の衣については、イチジクの葉から、別に、キリスト教美術方面?
ダーウィンの生命の木 考察ノートのスケッチ(1837年)。 生命の樹 (Tree of life) と呼ばれる。 wikipediaによれば、このノートは2001年に行方不明になったが2022年に発見された。(2025.09.23閲覧) マンハッタンの自然史博物館で展示されている、彼の著書『種の変遷に関する最初のノート』(1837年)に掲載されている、最初の進化樹の図。 チャールズダーウィン Charles Robert Darwin 、(1809 - 1882)地質学者・・進化生物学 Wikipedia |
以下のシリーズ、2011年から読んできました
『生命の樹 -中心のシンボリズム-』
ロジャー クック (著), 植島 啓司 (訳)
イメージの博物誌 15 – 平凡社 (1982/12/1)
この用語は、エリア―デのもの。
eliade.html
6世紀の詩人、ケルトのタリエシンTaliesinの詩を約した
ロバート・グレイブス(en.wikipedia Robert Graves)の「The Battle of the Trees」も興味深い
en.wikipediaCad_Goddeuカド・ゴデウ(中期ウェールズ語: Kat Godeu、英語: The Battle of the Trees)は、14世紀の写本『タリアセンの書』に収められた中世ウェールズの詩です。この詩は、伝説の魔法使いグウィディオンが森の木々に命を吹き込み、自らの軍隊として戦わせるという伝承に基づいています。この詩は、その印象的で謎めいた象徴表現と、それが生み出した多様な解釈によって特に知られています。
「白い女神」詩人ロバート・グレイヴスの詩論のタイトル〈詩的神話の歴史的文法〉という副題(1948,増補版1966)
法政大学出版局の「ものと人間の文化史」シリーズに、日本の樹木信仰の研究として、『楠』の巻がありました。
矢野憲一・矢野高陽(父子 伊勢の神主)著 2010年刊
以下長いですが引用。
内容紹介〔文化史・植物〕
語源と字源、分布と繁殖、文学や美術における楠から医薬品としての利用、キューピー人げ陽や樟脳の船まで、楠と人間の関わりの歴史を辿りつつ自然保護の問題に及ぶ。
はじめに 楠の木学問
「楠の木学問と梅の木学問」クスノキは成長が遅いが着実に大木になる処から、進歩は遅くても堅実に成長している学問。それに比べてウメの木は、初め成長は早く華やかだけれども、結局は大木にならないという意味。
第八章 樹木の信仰と自然保護
世界各地に分布している樹木信仰として「宇宙軸」の思想がある(『宇宙軸・神話・歴史記述』(イワーノフとトポローフ著)()
「宇宙軸」「世界樹」「生命の木」
樹木により様々な世界観を表現することができる
その世界観が信仰となり、表現方法の一つである樹木自体が信仰の対象となっていく(p287)
「聖樹」・・ 巨樹や美樹、老樹
宗教や民族、地域などの違いにより特定種の樹木が崇拝対象となる例が多い
・イスラム教:オリーブの木
・仏教:菩提樹
・ゴール人:オーク
・インド人:バニヤンと呼ばれるイチジク
・シベリア原住民:カラマツ
・北欧:トネリコ
問 「日本の聖樹はなんですか?」
答 「榊、杉、檜、楠、梅、松・・」=特定種の樹木に限定されていない
すべての樹木を同等に崇拝する(アニミズムに近い神道の影響)
日本における聖樹 神木(p291)
古来神社における樹木は神籬(ひもろぎ)の役割を持っており、高天原より神々が降りる依代であった。
現在の神社祭祀では榊(サカキ)の枝が神籬として用いられることが多いが、古くは境内などにある樹木そのものが神籬として用いられた。
「ペイズリー文様 は、古代ペルシアからインドにかけてイスラム文化の広がりともに普及した。 「生命樹」のもう一つの姿である」
クリムトもそうですが、ボッシュも興味深い。
マンフレート ルルカー著
「シンボルとしての樹木―ボッスを例として」
(叢書・ウニベルシタス1994)
生命の木の絵画
聖樹聖獣
アカンサス | ハス | ナツメヤシ | ブドウ | ボタン | ツタ |
モティーフ | ロータス | パルメット | ロゼット渦巻 | ロゼット | メアンダー |
First update2005, Modified2011-03-21
,lastModified 2025-09-01