ミケーネ 「ミニュアスの宝庫」墓室レリーフ オルコメノス 前1500~前1400 |
アッシリア 「王小像」 ボストン美術館 前9世紀 |
アケメネス朝(ペルシア) 「牡牛形柱頭」 スーサ出土 ルーブル美術館前 6世紀 |
ギリシア 「アルテミス神殿のイオニア式柱頭」 大英博物館 前500年ごろ |
ロゼット文様 (「ヨーロッパの文様事典」P78より引用)
ロゼット rosette |
最も簡潔な『岩波西洋美術用語事典』では 上から見た薔薇の花のような円形の装飾文様、建築にも用いられる。 『古代オリエント辞典」では ロゼ ット(rosette):花弁が放射状に広がった円形の花のモティーフ。先史時代から装飾意匠として使用され、壁画や浮彫などの建築装飾や宝飾品や装身具のデザインとして広く使われた。メソポタミアでは前4千年紀末から女神イエンナのシンボルとして頻繁に表現され、また初期のエジプトでも王と共に描かれた例がある(渡辺千賀子) 視覚デザイン研究所の『ヨーロッパの文様事典』では、 「ロセット文様は太陽の光条を象どったもので中央から放射線状に広がる円形装飾。「バラ花型」と訳されるが、日本の菊花の文様に似ていてバラには似ていない。メソポタミヤからギリシア、ペルシアでは一種の太陽マークとして、建築のレリーフ、陶器に装飾された。 『オリエントの文様』(小学館) 円花文様 //
その始まりはロータス(スイレン)からヒントを得たともいわれる その他詳しくは こちら |
ロゼットの源流は太陽の光条を象どったものと解釈される。それがバラに投影されたのです。だから中央から放射状に広がる円形装飾はみなロゼットと呼んだ。結果的には、上から描いた蓮華文様、特に瓦などの円形蓮華にそっくりになった。日本の菊花文様にも似る。
ロゼットを小さな太陽マークと見ると、ギリシアの壺絵のギリシア神話にちりばめられている文様が理解される。ロゼットを連続させることは、太陽の功徳を連続させようという願望で圧ことに気づく。
クノッソス宮殿の天井レリーフに描かれたた渦とロゼットの組み合わせは象徴的
渦は太陽の動きを表しているが、海は太陽の動きを受けて生命体を誕生させた。つまりこのレリーフは壮大な創世神話を物語っているのである
(p112) 菊は放射状の花序から太陽に見立てられ、「日精」と称される。菊が太陽に見立てられたのは東洋だけではなく、オリエントや西欧でも同じであった。
西洋ではむしろ葬儀や墓前の方に供えられることが多い。これは古代オリエントや地中海沿岸において、死者の霊魂不滅と復活を願った儀礼祭祀の名残であって、不滅と復活の象徴である太陽を菊になぞらえているのである。
アッシリアのパテラと呼ばれるロゼットは、明らかに円形パルメットである。
発生上は上から見たロータスという説もある。
ちなみにWikipedia(英語版)では、古代美術における最も古いこのロゼット文様の)使用例の一つは紀元前4世紀のエジプトだなどとある。
そちらは正確にはスイレン(ロータス)であろうが、これも分別は難しいともいえる。(・・にしても取り上げが恣意的にみえる)
パテラという言葉は初見であった。
ギリシアのロゼットには、日本の菊花や梅鉢とそっくりの形もあって、親近感を覚えさせる
『オックスフォード西洋美術事典』から追加
roseに関連しては、以下しかなく、また、パルメットの項もないのだが、、ロータス・パルメットの項があった(再掲)
薔薇窓rose window →レイヨンナン式→Gothic美術(建築)
Lotus and Palmette
古典的なアンテミオン文様による建築装飾。
この装飾は、メソポタミアの「聖なる樹」に由来するパルメットと(小さなヤシの葉の尾つなぎ文様)とエジプトのロータス(蓮の花の文様}とを交互に組み合わせて構成される
花に関連する用語では、「ロータス」、「アンテミオン」も参照したい
アカンサス | ハス | ナツメヤシ | ブドウ | ボタン | ツタ |
モティーフ | ロータス | パルメット | 渦巻 | ロゼット | メアンダー |
美術用語 | 「アカンサス」 | 「アンテミオン」 | 「アラベスク」 |