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桐と鳳凰、日本の紋章

総理大臣の紋


総理大臣の紋章です。
「日本国政府紋章」でもある五七の桐紋 (ulikipedia)
(普通の桐文は五三だそう)

meまず、日本のこの桐の紋の背景をちょっと見てみます。 手っとり早く検索から(^_^;;


https://kbaba.asablo.jp/blog/2007/05/16/

桐花紋

日本には、 キリ(白桐)をデザインした家紋や神紋(神社の紋)がいくつかあり、 それらを総称して「桐花紋」という。
なかでも「五七の桐」と呼ばれる意匠が有名で、 三枚の葉の上に五七五の薹(とう・花茎)が立っている。 
そもそも桐は鳳凰の止まる木として神聖なものとされていて、 この紋は、嵯峨天皇の頃から天皇の衣装に用いられるなど、 「菊の御紋」に次ぐ高貴な紋章とされてきたのだそうだ。
中世以降は天下人たる武家が望んだ家紋としても有名で、 足利尊氏や豊臣秀吉なども、天皇からこの紋を賜っている。 
そのため「五七の桐」は 「政権担当者の紋章」という認識が定着することになった。

me確認個所は「キリ(白桐)をデザインした」というところと、鳳凰のところですね。
(Wikipedia)では画像が詳しい。


Paulownia tomentosa1
※家紋の由来 https://www.harimaya.com/o_kamon1/

桐紋は皇室が臣下に、下賜された武将が さらにその臣下へ与えるというかたちで増えていったようだ。
幕末には大名・旗本のうち桐紋を使用する家は、 その全体の五分の一にもおよんでいたという。


※家紋https://www.genbu.net/sinmon/kiri.htm
※会津 桐の博物館http://www.aizunpo.or.jp/・・


https://blog.goo.ne.jp/obi-jime123/

皇室の副紋とされる桐紋は格式の高い紋章。
後醍醐天皇が足利尊氏に下賜された史実は、 朝廷の御紋章として鎌倉末期に確立していた証拠でもある。
尊氏は、拝領したこの桐紋を、一門の吉良、細川、新田、 今川、山名、一色、斯波、畠山  などの諸氏に分け与えた。
豊臣秀吉も同様に、下賜された桐紋を多くの将士に与え、 大いに普及させた。が、菊に継いで最も名誉ある紋章は、 武将の憧れの的であっただけに、借用、盗用も発生、 ついに秀吉も”禁令”を発して、その無断使用を厳禁した。
これが天正十九年の「菊桐禁止令」である。豊臣家滅亡後も 桐紋は天下の大紋として栄え、現在でもベスト5 に入る。


桐


聖樹文様

デザインとして洗練を極めた日本の桐の家紋をおさらいした後、さらに、聖樹文様に入ります。 課題は、
桐は鳳凰の止まる木として神聖なもの」というところで、、 『中国シンボル イメージ図典』 には 桐の項はないのですが、鳳凰の項に、以下の記述があります。 梧桐にあらざれば止まらず

me鳳凰が止まるのは、梧桐(アオイ科アオギリ)であって、(白)桐(キリ科のキリ)ではないと。
どのくらい違いがあるのでしょうか?
サカタのタネの読み物 (小杉 波留夫著)がわかりやすい。 https://sakata-tsushin.com/yomimono/


『字統』 鳳

白川静『字統』によれば
ト文の鳳は頭上に辛字形の冠飾を 戴き、ときに右上に凡形の声符を加えていて、風 の字義に用いられている。
「其れ大鳳に遊はんか」 とは大風の意。風はこの神鳥の羽ばたきによって起 こるものと考えられていたのであろう。
四方風神の 名は、のち(山海経)にそのまま伝えられ、また ぎようてん 〔書、尭典)では、その神話が、四方の民治を示す 説話に変改されている。鳳が風神とされたのは、こ の鳥が方神の神意伝達者であり、その伝達のため飛翔するときに風が起こるとされた。


鳳の字形には、大きな羽に多くの眼飾を加 くじやく に、と えているものがあって、鳥としては、孔雀がその 原形に近いものと思われる。鳳凰はのち瑞祥化さ れ、梧桐とも組み合わされて、〔詩、大雅、巻阿〕「鳳皇、鳴きぬ 彼の高岡に 橋 形はなく、 朝陽に」と歌われている。
[巻阿]の詩は、王宮の 人たちが山阿の間に遊んで、その聖所で魂振り的な 宴遊を行なうことを歌うもので、わが国の 万葉集にみえる吉野遊幸のような性質のものである。
鳳凰・梧桐はもとより実事実景ではなく、その車は 鳳輦鸞車、またわが国の山車のように、種々の造りものを従えていたのであろう。(p821)

鳳凰

想像上の瑞鳥、神鳥、霊鳥。
麒麟、龍、亀とともに「四霊」の一

鳳=オス
凰=メス
すべての鳥を生んで「百鳥の祖」


中国古代思想の陰陽を併せ持ち、陰陽を一体化した存在。
仁愛と慈悲の象徴

輝く黄金色の雉(キジ)の翼と
絢爛たる孔雀(クジャク)の尾を備え
青鷺(アオサギ)のごとき姿


昼は「善哉、善哉」と鳴き
夜は「凶吉、凶吉」と鳴く。


聖天子出生するとき、人々に幸運が訪れる瑞徴として、
この世にあらわれると言い伝えられてきた。

後漢代の許真の「説文解字


姿は前が鴻で後が麟(→キリン麒麟)、
首が蛇で尾が魚、
額がこうのとりで髭がおんどり
紋様が龍で背が亀
顎が燕で嘴が鶏、五色そろっている…


荘子


南方に鳥あり…南海に発して北海に飛ぶ。 梧桐にあらざれば止まらず、 楝実(れんじつ)にあらざれば食わず、 醴泉(れいせん)にあらざれば飲まず。


西洋思想の「不死鳥(フェニックス)」に照応する
日本には仏教思想とともに渡来。(平等院鳳凰堂)
鸞(ラン)は鳳凰の一種。赤色を主体に五色の羽毛をつける。
皇帝にふさわしい鳥とされ、皇帝の住居を鸞殿という。

me白桐と鳳凰、の確認ですが、
日本のキリ(桐)は中国名は毛泡桐で、漢語の別名とは白桐。初夏に特徴的な淡紫色の花を咲かせる花木で知られる。
古くから知られるアオギリは、アオイ科で異なる種であり、中国で 鳳凰が住む樹とされたのは、こちらであるということは、前述のとおり。
確認⇒植物としての桐 3種

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