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霊木アオギリ(梧桐 ゴトウ)


桐 の3(+2)種類

アオギリ(梧桐)

学名:Firmiana simplex (L.) W.F.Wight (1909)
科名:アオギリ科
和名:アオギリ(青桐、梧桐)
英名:Chinese Bottle Tree
花 : 花弁が退化した目立たない花。
6~7月に、枝先に大形の円錐花序を出す。雄花と雌花を交え黄白色5弁の小花を群生する。
がく片5個で花弁はない

アオギリ植物生態研究室(波田研):アオギリ
「太くなっても幹が緑であり、和名の由来となっている。」
の花や果実は特徴あるもので、似た植物は記憶にない。(…)花弁は発達せず、リボンのように見えるのは顎で5枚。
アオイ科はカカオ、およびコーラを含む。

※(Wikipedia)カカオ


ココノエギリ(白桐)

学名:Paulownia fortunei (Seem.) Hemsl.
科名:ゴマノハグサ科
和名:ココノエギリ
中国名:白桐、泡桐
英名:Chinese Bottle Tree
花 :キリより早く咲く、四月の花 桐より大きい淡い黄色(ピンク)花。
日本新薬(株)ハーブの館

キリ(紫桐)

学名:Paulownia tomentosa
科名:ゴマノハグサ科
和名:キリ(桐)
中国名:紫桐、紫花泡花
英名:Empress Tree, Princess Tree Foxglove Tree
英名のフォックスグローブツリーというのはなるほどですね。 ※植物生態研究室(波田研):キリ
「幹の頂に大型の房になった円錐花序をつける」
幼樹の葉は大きく、直径1m近くになることもあり

「神の意思を伝える霊木」

中国の愛の花ことば」(中村公一)によれば、
植物として、
アオギリ科のアオギリ(梧桐 ゴトウ)が挙げられ、これが鳳凰の住まいらしい。
「神の意思を伝える霊木」とあります。
ほ かに、
ゴマノハグサ科の白桐(ハクトウ または泡桐ホウトウ 和名ココノエギリ)と、
紫桐(紫花泡桐シカホウトウ=これが和名キリ)


他に
クマツヅラ科
の貞桐花(テイトウカ 和名ヒギリ緋桐)が挙げられ、
中国では梧桐、白桐、紫桐を同類とみなし、桐と汎称した、とあります。
和名のキリは…白桐ではなく紫桐ですね。

検索すると、跡見群芳譜 の樹木譜に、
「 日本でキリに鳳凰を配する(皇室では衣裳などの文様や紋章、身近なところでは たとえば花札)のは誤りだが、
すでに清少納言『枕草子』に誤解が見られる」…とあるが


枕草子の方、第37段「木の花は」に、

「きりの木の花、むらさきにさきたるはなほをかしきに、 と紫というので、確かにアオギリではないですね。続いて「もろこし(唐土)にことごとしき名つきたる鳥の、えりてこれにのみいるらん、いみじう心ことなり 」

…は確かに混同していますね…。


それにしても日本の家紋は洗練を極めていますが、これをアオギリのデザインとみてはダメなのか、みてみます。
花札のものは明らかに、花弁が見え、紫桐(=これが和名のキリ)

桐に鳳凰の花札

季節の花 300山本さんのページは、学名の解説のほか、似た植物の話、 秋桐(シソ科、サルビア)と緋桐 (クレロデンドロン)も出ていて、やっぱり面白い。そういえばサルビアは和名「あきぎり」でした。

https://www.hana300.com/kiri00.html
「切ればすぐに芽を出して生長する意で、
動詞の「きる」がそのまま「きり」になった。」
語源については、異論が多いので (ちょっと確認します↓)

加納喜光さんの「知ってびっくり「生き物・草花」漢字辞典――烏の賊が何故イカか (講談社+アルファ文庫 B 6-4)」によれば
「軽くて加工しやすいので、キリ(伐り)という。
漢名の桐(トウ)もの字の「突き通す」というコアイメージをとる。
材質が軽くて軟らかく突き通しやすい木の意。」ということであった。

ちなみに、キリと言ってまず思うのは、
オー・ヘンリー『最後の一葉』 (The Last Leaf)ですが、これがアオギリのようです。
桐と文学の話はまたこちらで(2008-07-17)


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