唐草図鑑

西洋の芸術(中世)

建築と都市の美学(ロマネスク・ゴシック)


 

建築と都市の美学 イタリア〈3〉
優美―ロマネスク・ゴシック
 

監修: 陣内秀信 (1947~)
編著:大槻武志(「コンフェルト」初代編集長 1954~) 
写真:喜多章(1949~)
建築資料研究社 (コンフォルトギャラリィ) 2000年刊
/目次読書2014-08-27/

この本の紹介(惹句)

ゴシック建築というと、フランス・ドイツ・イギリスが本場で、イタリアはあまり重要でない、と言われる。しかし、そをれはいわゆるゴシック建築がイタリアにはほとんどない、ということであって、ゴシック時代(12~14世紀)のイタリア建築にみるべきものが少ないということではない。
イタリアは都市国家の時代であった。隣接する都市は長い抗争の歴史を持ち、町の雰囲気ははっきりと違っている。
趣のある美しさ を持つ保存のよいシエーナやサンジミニヤーノ旧市街は ユネスコ世界遺産に登録されている。(編集後記p102)

2014-08-27
・・・ということなのだが、尾形希和子さんのイタリアのロマネスクの図像、「教会の怪物たち」を読んでいるところなのだが、途中で少し、中世のイタリア建築の基礎を見ておきたい・・・。
この本で、下からのファサードの見上げ写真に驚いた。こういう構図は見たことがない。またざっと見て、花模様のイメ―ジを結構感じた。たとえば、サンタマリーア・ディ・コレマッジオ聖堂の壁面(P43) 、ミラノ大聖堂の外面(p60)など。もう少しよく見ると、タイトル自体に「ヴェネツィーア・花のゴシック」とある項があった・・p64~69の柱頭上部の形(六連窓の装飾アーチ、多葉系デザイン)、ゴシック建築のバラ窓(p97)など・・ふむふむ、普通の感想であったか(笑)
詳しい様式名としては、下のはフランボワイヤン(火炎)様式

Ca' d'Oro facciata.jpg
"Ca' d'Oro facciata" by Didier Descouens - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.

目次

ロンバルディ―ア・ロマネスク様式

ミラーノのサンタンブロージォ聖堂 Wikipedia
パヴィーアのサンミケーレ聖堂 
コ―モのサンタッボーンディア聖堂 ⇒ベルナルディーノ・ルイーニ
モデナ大聖堂 Wikipedia
ピアテェンツァ大聖堂 Piacenza
クレモーナ大聖堂  CremonaDuomo di Cremona(.it Wikipedia)
フェッラーラ大聖堂  Ferrara
パルマ大聖堂 Wikipedia
ヴェローナのサンゼーノ・マジォーレ聖堂 Sanzeno

トスカーナのロマネスク

ピーサのドゥオーモ広場 Piazza del Duomo, Pisa
ルッカのサンミケーレ・イン・フォーロ聖堂 Lucca
フィレンツェのサンミニアート・アル・モンテ聖堂 San Miniato al Monte(.itWikipedia)
サンジォヴァンニ洗礼堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)に付属する洗礼堂。・・この建物で最も有名なのは、ミケランジェロが「天国への門」と呼んで激賞したロレンツォ・ギベルティの手による東側の扉

ロマネスク・ゴシック様式

シエーナ大聖堂 Wikipedia
オルヴィエート大聖堂 Orvieto
フィレンツェ大聖堂、ジォットーの鐘楼 公式サイト

修道会から始まったゴシック建築

フォッサノーヴァ修道院 Fossanova 公式サイト (1274年聖トマス·アクィナスが死んだ場所)
アッシ―ジのサンフランチェスコ聖堂 [※1
ミラーノ大聖堂 Wikipedia 

ヴェネツィーア・花のゴシック様式

パラッツォ・ドゥカーレ Palazzo DucaleWikipedia
カ・ドーロ=パラッツォ・サンタ・ソフィア Palazzo Santa Sofia Wikipedia
パラッツォ・ジゥスティニアン Wikipedia

中世の広場・世俗建築と町並み

シエーナのカンポ広場: Piazza del Campo Wikipedia
フィレンツェのパラッツォ・ヴェッキオ Wikipedia
サンジミニャーノの大塔 San Gimignano Wikipedia
ペルージァのパラッツォ・プリオ―リ宮(Palazzo dei Priori) 
トーディのポーポロ広場 Todi Wikipedia
ヴィテールボViterboのサンペレグリーノ通り  San Pellegrino
グッビオのシニョリ―ア広場 ウフツィ美術館の横
カステル・デル・モンテ城 Wikipedia 公式サイト カリアティード?
モンターニャの城壁   .it Wikipedia 

この本のエッセンス

ロマネスクからゴシックへ中世イタリア・都市国家の時代

基礎自治体(コムーネ)・・日本の市町村のような規模による区別がない。2011年現在8092(Wikipedia)=フランス:コミューン3万8千 

「様式」の付く語

(頭に地名を付けたもの、初期後期などもあるが、目立つものは・・)

ロンバルディ―ア・ロマネスク様式(p02)

(トスカーナ)ピ―サ・ルッカ様式(p22)

(トスカーナ)フィレンツェ様式(p22)

ロマネスク・ゴシック様式(p38)

後期ゴシック様式(p39)

フランボワイヤン(火炎)様式(p60)

ランセオリ(槍形)式ゴシック(p98同時代のフランス)

レイヨナン(放射状)式ゴシック


全巻 内容

イタリアの建築と都市の様式の歴史 シリーズ

Ⅰ 古典 ギリシア・ローマ

Ⅱ 神聖 初期キリスト教 ビザンティン・ロマネスク

(Ⅲ 優美 ロマネスク・ゴシック様式)

Ⅳ 理知 ルネッサンス

Ⅴ 奇想 マニエリスム(後期ルネッサンス)

Ⅵ 壮麗 バロック

西洋建築参考書

この書に出ている参考書には、英文のものを除くと、世界美術大事典(小学館)の他、 アンリ・フォション他以下のもの


amazon 西洋建築様式関係の本

西洋建築参考サイト

ここで、自分のテーマに戻ると、今回は、具体的な「テラモン」(人像柱)を見ることであり、また、また玄関口(ポーチコ)のライオンの検討もありだったが、下の図に驚きました・・ライオンにまたがる人像が柱を支えている・・・これについては更に、女人円柱(カリアティード)、男像柱(アトラス、アトランティス)のあとに・・


p07 ピアチェンツァ大聖堂扉口支柱の柱頭と柱脚  Duomo di Piachenza


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