カール・ケレーニイの[ギリシア神話]には、
女神老婆たち〔グライアイ〕は白鳥のような容姿の灰色の髪の乙女であったという説もあげている。たった一つの歯と目を三人あるいは二人で共有しているという物語から、ゴルゴンの国の入口の番人であったともされる。
別に、
ゼウスより古い年老いた神である灰色の髪の女神たちのグループがあり、エリニュス(複数形エリニュエス)といい、髪の毛でなく、蛇が生えている。たいまつをかざし蛇を持っている。
カール・ケレーニイ「ギリシア神話-神々の時代」植田兼義訳 中公文庫(1985)p46
エリーニュースは冥府にあるエレボスに住み、頭髪は蛇、頭は犬、身体は炭のように黒く、コウモリの翼を持ち、血走った目をした老女の姿をしている。
エリーニュースが三神であることは、コレー、デーメーテール、ペルセポネー、あるいはアルテミス、セレネー、ヘカテーなどと同様、一柱の女神が三様の姿をとることに相応している。
ローマ神話においては、フリアエ(Furiae)またはディーラエ(Dirae)を、エリーニュースに対応させた。
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上は蛇の髪でも美しげな女神のようだが、同じリュートのこちらは恐ろしげな「ゴルゴネイオン」 |
ヘシオドスがグライアイのすぐあとに触れているボルキュスの娘たち、すなわちゴルゴンたち
これは老婆になぞらえるよりもむしろ、仮面、例えばヘカテにつけられて、彼女の三身を表したような仮面に比べられるものである。
何人であろうとゴルゴンの所に行こうと思えば、その姉妹のグライアイの助けを借りなければならなかった。
そのわけはオケアノスの向こうの夜の国に接するあたりに住んでいたからである。
彼女たちも三人で、ステンノ(強さ)、エウリュアレ(広い海)、メドゥーサ(女支配者)という。
「海の支配者」は、一般的には、ポルキュスあるいはポセイドンであるが、メドゥサの男性形でしばしば呼びかけられていた。
メドゥサは三姉妹の中で一人だけ不死ではなかった。
ゴルゴンとコレに戻る、
ゴルゴンの頭(ゴルゴネイオン)に続く
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