イギリスの Exeter Cathedral の美しいリブボールト(13世紀に完成)
リヴの交点にある辻飾り
Exeter Cathedral (Bosses in England、Interior of Exeter Cathedra)
思考することの新様式と、建てることの新様式とは、
共に、パリを中心とする半径100マイルに満たない地域に広まった。
盛期スコラ学は12世紀の変り目に始まったと一般に考えられているが、それはまさしく、盛期ゴシック芸術の体系がシャルトルとソワソンにおいて最初の大成功を成し遂げたその時のことである。
byエルヴィン パノフスキー、Erwin Panofsky
『ゴシック建築とスコラ学 』
明瞭化の習慣が最大の勝利を得たのは、建築いおいてであった。
盛期ゴシック建築は、「透明性の原理」とでも呼びうるようなものによって支配された
盛期スコラ哲学の<大全>と同様に、盛期ゴシックの大聖堂は何よりも『全体性』を目指し、それゆえ、削除と総合によって一つで完全で最終的な解決に近づいていった。
ある権威をもったものを初めに挙げ、次にそれと和解できないように見える別の権威を持ったものに言及し、そして両者を最終的に和解させる解決を述べるというスコラ学の議論の進め方とまったく歴史的展開が、ゴシック建築の発展史に明瞭に見られることを指摘している(青山昌文P110)
ゴシック合理主義の極致:アミアン大聖堂 ゴシック教会には、ヴァンサン・ド・ボーヴェの『大いなる鏡』(Speculum maius)に対応する図像が豊富に存在 (byエミール・マール)
ヴァンサン=ド=ボーヴェVincent of Beauvais(c.1190–c.1264)
ラテン中世世界最大の百科全書「大鏡 Speculum maius」 (The Great Mirror),を著した
教会こそが、一年の労働作業を教え、中世社会に生きてゆくための道徳的教訓を、文字ではなく、図像によって教える、いわば石による<大全>であった (青山昌文P112)