聖獣: 蛇 (二匹の蛇)
日本の迦楼羅像
八部衆の造像は,日本においては古代に集中している。著名な作例である
奈良・興福寺の彫像 (乾漆造,国宝) は五部浄 (ごぶじよう),沙羯羅 (さから), 梼楼羅,鳩槃荼,阿修羅,乾闥婆,緊那羅, 畢婆梼羅 (ひばから)と称し,五部浄を天に,沙羯羅を竜に,鳩槃荼を夜叉に,畢婆梼羅を摩順羅伽に当てる。なお興福寺像は二十八部衆の一部である可能性を指摘する説もある。八部衆は奈良時代の作である興福寺像以降は,著名な作例は残されていないが,密教に取り入れられ,
胎蔵界曼荼羅図の外金剛部院に八尊が離れて配置されるが,八部衆八尊を一組として造像することはなかった。また,
仏涅槃図の中に八部衆の八尊が描かれる例が多い。
平凡社世界大百科事典 関口 正之
ガルーダ/
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立川武蔵さんの『聖なる幻獣』第5章 翼のある獣