いや、いや、(^_^;;…
蛇が好きなわけないでしょう・・・
しかし、・・・
避けて通れない.
何という広大な広がりを持つイメージなのか…!!
古代エジプトの笏杖(蛇よけの杖)、蛇の絡まる杖 アスクレピオスの杖や ヘルメスの杖、聖樹(イグドラシル)の尾をかむ蛇ウロボロス、 エジプトの原初の蛇、エデンの園のリリスから蛇女神からゴルゴン、クリムトの水蛇、いろいろな図像イメージを見てきましたが、聖獣という観点から、
以下、まずは百科事典の解説を参照します
荒俣 宏(平凡社世界大百科事典)
西洋では竜をドラゴンdragonと呼ぶが,これはヘビを意味するギリシア語に由来する。しかもこのギリシア語は derkesthai (〈純(にら) みつける〉の意) と近縁の語とされ,ヘビ一般の凝視行動との関連が予想される。多くの伝承において,竜は地中,洞窟,水中などに潜み,そこに隠された宝物を護る
西洋の竜は四肢を持つトカゲ型と,一対の翼および一対の肢を持つ鳥型に分けられるが,両者を混同した四肢二翼型や東洋の竜から影響を受けた形態のものもある。大きさは一定せず,空を飛ぶと大竜巻が起きるほど巨大なものから,イヌ程度のものまでさまざまである。その力は強く,ワシのような鉤爪と鋭い毒牙を備える。アリストテレスなどの記述に,翼ある竜はエジプトやエチオピアに産し,巨大なヘビ型の竜はインドに住むとあるが,前者は神としての有翼蛇,後者はニシキヘビの姿がもとになっているらしい。
聖獣として龍と蛇は同一視されるということのようだ。(※)…
ドラゴンについては別に見ることにして、まず日本における蛇の文献から。
南方熊楠以来の民俗学の領域で…
※「十二支では辰が龍であり巳が蛇」笹間良彦「蛇物語」→龍=蛇?・・これについては、2011年7月追記に続く
「蛇―日本の蛇信仰 」吉野 裕子 (著) 法政大学出版では手に入らないと思っていたら、 講談社学術文庫に入っていました。 一言に縮めると日本の蛇は水の象徴であるという内容。 二言以上については、しばしお待ちください。〈(笑)〉 |
内容(「BOOK」データベースより)
古代日本は蛇信仰のメッカであった。
縄文土器にも活力溢れる蛇の造形がたくさん見られる。
蛇に対する強烈な畏敬と物凄い嫌悪、この二元の緊張は
注連縄・鏡餅・案山子など数多くの蛇の象徴物を生んだ。
日本各地の祭祀と伝承に鋭利なメスを入れ、
洗練と象徴の中にその跡を隠し永続する蛇信仰の実態を
大胆かつ明晰に検証する意欲的論考である
目次
第1章 蛇の生態と古代日本人
第2章 蛇の古語「カカ」
第3章 神鏡考
第4章 鏡餅考
第5章 蛇を着る思想
第6章 蛇巫の存在
第7章 日本の古代哲学
人は他界から来て他界に還る。
その広大にひろがる他界を領する主がわれわれの祖霊である。
そしてその祖霊こそ蛇にほかならない !
蛇から人になる「誕生」、
そして人から蛇へ変身する「死」。
産屋・産育習俗、喪屋・殯・葬送儀礼など、
生と死にかかわる夥しい日本の諸民俗は
徹底した蛇信仰につらぬかれている。
日本人古来の死生観を探り、
世界の蛇信仰への視点も切り拓く吉野民俗学の白眉。
次は、人間と蛇の交渉の歴史、
人間の精神文化に映し出された蛇の「民族自然誌」で概観できる。
「海と蛇は世界ができあがる前の混沌を象徴したものかもしれない。」
「蛇はさながら世界を羊水の中に漂わせる母胎のよう」と表紙にあります。
蛇の宇宙誌―蛇をめぐる民俗自然誌
小島 瓔礼 (編著)
1991年11月東京美術刊
内容(「BOOK」データベースより)
蛇に対して我々が抱くアンビヴァレンス
―畏敬と憎悪、混沌と秩序、死と再生、そして神聖にして邪悪なもの。
人は蛇になにを仮託してきたのか。
目次
はじめに 蛇をめぐる民俗自然誌について
第1章 日常生活のなかの蛇―日本人のみた蛇
第2章 大王と大地の主の蛇―古代日本の蛇信仰からの流れ
第3章 天の蛇の虹の橋―日本の「虹の蛇」から世界諸民族へ
第4章 栗花落左衛門の蛇性―日本の水神としての蛇神仰
第5章 蛇をたたえる人々―日本の蛇飼育習俗からの展望
第6章 3枚の蛇の葉―日本の落語から古代ギリシアまで
第7章 蛇をつかう法術―日本の神判の伝統
第8章 蛇除け節供―日本の歳時習俗の形成
第9章 『白蛇伝』と蛇をめぐる民俗―中国…西脇隆夫
第10章 インド・東南アジアのナーガ…大林太良
第11章 イブをだました蛇―西アジアからヨーロッパへ…矢島文夫
第12章 畏敬と追放―ヨーロッパの蛇…飯豊道男
蛇と十字架―東西の風土と宗教 安田 喜憲 (著)人文書院 ; ISBN: 4409540475 ; (1994/08)
内容(「MARC」データベースより)東西の蛇信仰を軸にした比較文明論
蛇儀礼―北アメリカ、プエブロ・インディアン居住地域からのイメージ ヴァールブルク著作集第7巻
アビ ヴァールブルク (著), Aby Warburg (原著), 加藤 哲弘 (翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
ヴァールブルク自らが現地で写真に収めた
アメリカ先住民たちの生活と儀礼、
そのなかに息づく蛇のイメージ。
古典古代やキリスト教世界の美術に見られる
蛇の図像の役割を逆照射する。
ジャンルの閾を超えて、文明化による不安克服の両義性を
自己省察とともに顕在化させる試み。
目次
蛇儀礼―北アメリカ、プエブロ・インディアン居住地域からのイメージ
一九二三年四月二六日付ザクスル宛ヴァールブルク書簡…
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鷲と蛇―シンボルとしての動物 叢書・ウニベルシタス
マンフレート ルルカー (著), Manfred Lurker (原著), 林 捷 (翻訳)
出版社: 法政大学出版局 ; ISBN: 4588005316 ; (1996/07)
内容(「MARC」データベースより)
鷲と蛇を代表例とした動物象徴論。
鷲と蛇という個別的な事物の背後にひそむ意味(イデー)を探り、
人間の二元論的な世界観・宇宙観とその止揚(対立の一致)を述べ、
喪失した世界の豊かさを提示し、思考変革を迫る。
目次
第1章 初源と創造
第2章 鷲と蛇の太古からの闘い
第3章 宇宙の諸力を代理する爬虫類と鳥類
第4章 人間と動物との関係
第5章 魂の動物と守護霊
第6章 支配者のシンボルと紋章動物
第7章 神々の鳥
第8章 復活と昇天のシンボル
第9章 龍と怪物
第10章 蛇と死と悪魔
第11章 恩寵と救済のシンボル
第12章 対立の一致
蛇との契約―ロマン主義の感性と美意識
マリオ プラーツ (著), Mario Praz (原著), 浦 一章 (翻訳)
出版社/著者からの内容紹介
フュスリ、ポーから、ラファエル前派、ラスキン、ワイルド、ヴァーノン・リー、
デ・ラ・メア、ダヌンツィオ、ロダン、プルースト、アール・ヌーヴォー、
フロイト/ジョイスまで、
エヴァ(官能/美)の誘惑(蛇/悪魔)にかりたてられた文学的想像力(アダム/死)が
快楽にのめりこみすぎやがて衰弱していく過程、
すなわちヨーロッパにおけるロマン主義芸術観の栄光と挫折を、
縦横無尽、自在無碍にその最深層にまで探究の眼を浸透させ、
その芸術的感性を明らかにする。
内容(「MARC」データベースより)
時代の強迫/誘惑を蛇に、感性/性愛をエヴァに、
芸術/喜悦をアダムに喩え、
想像力と感性の愉悦が召喚する綺想という
イメジャリーのエロティシズムの深層を視覚化するプラーツ美学の精髄。
20世紀の美術=文学の最大の碩学プラーツによる集大成
目次
第1部 恐怖の三巨匠
第2部 ラファエル前派
第3部 唯美主義の生みの親たち
第4部 奇人変人たちの展示館
第5部 ダヌンツィオ博物館
第6部 プルーストの室内装飾
第7部 フロレアーレ様式
第8部 ココシュカの人形
メリュジーヌ―蛇女・両性具有の神話
ジャン マルカル (著), Jean Markale (原著), 中村 栄子 (翻訳), 末永 京子 (翻訳)
大修館書店 ;(1997/04)
内容(「BOOK」データベースより)
フランスに古来伝わる蛇女伝説メリュジーヌ。
日本の「鶴女房」伝説とも共通する物語構造は、
形を変えて古代世界各地の説話にも見られる。
両性具有という異形性を手がかりに、こうした各地の説話に共通する心性を探り、
西欧キリスト教世界の背後にうごめき、
古代ケルト以来各地の神話にも通底する闇の精神史を明らかにする。
内容(「MARC」データベースより)
フランスに古来伝わる蛇女伝説メリュジーヌ。日本の鶴女房伝説とも共通し、
世界各地の説話に見られるその物語構造を、両性具有という異形性を手がかりに探り、
西欧キリスト教世界の背後の闇の精神史を明らかにする。
⇒メリュジーヌ(中世の怪物)
蛇物語―その神秘と伝説
笹間 良彦 (著)
内容(「MARC」データベースより)
辰年生まれで、十二支のなかでも最も高貴な霊獣を
当てはめられていることを誇りに思っている著者が、
最も忌み嫌う蛇(巳)についての伝説を書いた本。日本人と蛇は意外にも深い関わりをもち、
古くから数々の伝説が残されていることがわかる。
→蛇の異称
竜蛇神と機織姫―文明を織りなす昔話の女たち 篠田 知和基 (著)
人文書院 ;(1997/11)
目次
第1部 妖精の国、妣の国(竜宮
冥界へ―地下の蛇
山上他界―走る女)
第2部 竜の国(蛇息子の結婚
白猿伝・白蛇伝
竜の末裔)
第3部 蛇と鉄のシンボリスム(英雄の誕生)
セイレンの歌
王権の秘密)
内容(「BOOK」データベースより)
『竜=蛇女』変身譚の東西比較~機織姫からメリュジーヌまで。
製鉄と機織りの謎を秘めながら巨大な竜蛇がユーラシア大陸を覆う。
内容(「MARC」データベースより)
妖精と結婚した騎士が覗くとその姿は下半身が蛇体であったというメリュジーヌ伝説。
これを異類婚説話のひとつの原型とみなすと、日本の機織姫伝承群も同じ話型と考えられる。
東西の竜蛇変身譚を比較伝承学の視点から考察。
女と蛇―表徴の江戸文学誌
高田 衛 (著)筑摩書房 ; (1999/01)
内容(「MARC」データベースより)
近世文学にあって、「女と蛇」というシンボリックな観念連合は、
奇怪さ、薄気味の悪さだけでない、絢爛たる色彩を帯びた強烈な光を放っていた。
グロテスクな美意識、デモニッシュな想像力に肉迫し、江戸人の心性を抉出する。
WEB検索
https://akira-chin.com/search2.php?res_id=4328 慶應義塾大学所蔵 博物誌コレクション より
コンラート・ゲスナー (Conrad Gesner 1516-65)は、
「近代のプリーニウス」(a modern Pliny)とも称しうるスイス人の博物学者。
彼の著作のうち、豊富な挿絵のついた晩年の大作『動物誌』(TheThierbuch)の
第4巻「蛇・怪物類」(1589)に、伝説の竜と思われる絵あり
ゲスナー―生涯と著作
シンボリック・イメージ ヴァールブルク・コレクション
E.H. ゴンブリッチ (著), 大原 まゆみ (翻訳), 遠山 公一 (翻訳), 鈴木 杜幾子 (翻訳)
古典的大論文シンボリック・イメージ「イコネス・シュンボリカエ」をはじめ、
イコノロジーの目的と限界ボッティチェッリの神話画等の力篇を収録する。
図版170点。豊かな学殖と犀利な方法意識に溢れる白眉の論集。
内容(「MARC」データベースより)
「シンボリック・イメージ」とは、そもそも空間的に限定されたイメージ
(特に抽象概念の擬人像)によってイメージ自体とは別の何物かを象徴させる行為で、
それがどのような精神態度によるのかという問題をとりあつかう。
象徴表現の理論を説く白眉の論集。
⇒
装飾芸術論 美術名著選書
E.H. ゴンブリッチ (著), 白石 和也 (翻訳)(1989/12) 岩崎美術社
内容(「BOOK」データベースより)
装飾は反復が多いので見る人は積極的に注意を向けようとはしない傾向がある。
そのため絵画と違って装飾にこそ秩序の感覚が重要であり、
装飾の心理を探り出すことによって、
造形のもっとも根本をなす無意識の世界が解明できると、
著者は多くの具体例を展開しながら説く。
⇒
https://www.geocities.jp/navisoneraria/gorgo.html 鷲と蛇の戦いのモチーフはホメロスにも見ることができる。 https://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0685.html 松岡正剛の「千夜千冊」第685夜 ルドルフ・ウィトカウアー『アレゴリーとシンボル』 |
蛇関連のページ ・・ 今ここで蛇を一言で言うと、蛇とは原初の母なるものである。(2010/02/10 )
エジプト⇒エジプトの蛇図像 |
バビロンの主神マルドゥクMarduk(象徴は頭が竜,体が蛇の怪獣) クレオパトラの死 kemono garuda シリア クレタ島[BC1500]→≒→エジプト[第12王朝]カデシュ(ケデシュ) 雷を持つ
中国 龍文 :聖獣 龍
蛇関連のページ
インド・東南アジア:2011年
ギリシア(古典古代)2014
中世ヨーロッパ:2017
インド・東南アジア : 蛇を噛むキールティムカ・・・
インド、カンボジア・・ は、ギリシア・ローマ神話のゴルゴンにも関連します。
ギリシア(古典古代) :ゴルゴンとコレ
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