聖樹聖獣文様
聖樹(生命の木)の総括のその2
古今東西の聖なる木の概観
樹木に豊穣の女神が顕現するという表現は、全オリエントからインドまで、各種の造形美術に頻出する。
エジプトではイチジクの木がイシス女神ないしハトホル女神と同一視された。
オリエントではブドウの木が「生命木」とみなされたが、この神秘の木は地母神にささげられ、彼女は「母なるブドウ」とか「女神ブドウ」と呼ばれた。
*エジプトでは葡萄の木はオシリス
樹木、樹木と柱の合体、柱、神・・
上部が広い「クレタ式の柱」であり、ここに先行文化であるクレタ・ミノア文明の影響が明白に見て取れる
■オリエントの生命の樹ブドウ
葡萄唐草の仏教に随伴した東漸
■古代メソポタミアの聖樹ナツメヤシ
ロータス・パルメット文様の形成
コトバンクの「樹木崇拝」日本大百科全書(ニッポニカ)[田村克己]
古代ゲルマン人の社会で「聖なる森」の崇拝があり、古代ローマでもロムルス王(伝説的なローマの建国者)の神聖なイチジクの木が崇拝された。
地中海地域にはカシの木の崇拝が古くからあり、「アテネ女神崇拝も元来の崇拝対象はカシの木」
アテネ女神のところが良くわからない・・アテナ女神はオリーフの木だと思っていたので・・→生命の木は、豊饒の象徴、母なるものとして「崇拝」されていたという基本イメージがあるので。
■ギリシアのザクロ
ギリシア神話
「聖なる森」の他に、善悪の戦いの場である木も、「生命の木」で崇拝されたのであろうが、母なる豊饒の木からはずれている。
■北欧のイグドラシル(トネリコ)
■聖書のリンゴ(善悪の木)
聖書のリンゴやイチジクは、実のなる木ではあるが、キリストはイチジクを呪ったりしている
クリスマスの祝いも、常緑樹の信仰とのつながりの方が基本であろうか 。しかし、赤い林檎の実は、今もメインのオーナメントである。
中国にあっては、木の方より、実の方、まずは「瑞果」不死の桃の実だろうかと思うのだが、天地の中央にそびえる大樹=蟠桃、「桃」源郷・・
この辺り難しい。居丈高なフェミニズムに偏らず、怪しい宗教オカルトに陥らず、なるべくアカデミックに続けたい。
『M・エリアーデ著、堀一郎訳『大地・農耕・女性』(1968・未来社) eliade.html
フレイザー著、永橋卓介訳『金枝篇』全5冊(岩波文庫)』 frazer.html
アカンサス | ハス | ナツメヤシ | ブドウ | ボタン | ツタ |
モティーフ | ロータス | パルメット | 渦巻 | ロゼット | メアンダー |
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