聖獣: 蛇 (二匹の蛇)


蛇というのは、非常に二元的な意味をもつものであるようだ。
ここで、二元という前に、二匹ということで、ちょっとみておきます。

地域・国 聖獣(ヘビ)
図 イメージ 聖獣文様
古代
エジプト


有翼円輪=鷲の翼の広がり


中央の日輪を取り囲む2匹の蛇
イシスとネフティスは『二匹の蛇』とも呼ばれた
ヘフは頭上に太陽神円盤と二匹の蛇を乗せている。※1
エジプト王 ナルメル王のパレット※2
中段の2匹の怪獣の首は蛇的。
古代
ペルシア

有翼円輪のホルスの位置に
善と光明の神hura-Mazda (the Wise Lord); (アフラアズダー)が立つ
日輪を取り囲む2匹の蛇が帯に変容 ※3
チベット
タイ
ヒンドゥー文化圏
ガルダ
ガルダ・ナーガ(雌雄一対の竜王)
ナーガ(へび)を 両手にもち、蛇を食らう
2匹の蛇をくわえている図像化> →仏教に取り入れられる

garuda.html

ケルト
蛇は一匹なのだが、別の手にリングを持ち、
蛇も下の方が丸くなっている。
蛇が尾を飲み込むと永遠の象徴、リングとなる。
ギリシア
クレタ島
紀元前1,500

この女神はなんと、頭に猫を乗っけて、2匹の蛇を掴んでいます
なんと不思議なイメージなのでしょうか…
ギリシア ヘルメスの杖・・

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錬金術
ローマ
ポンペイの二匹の蛇

古代の宇宙山の模型図
ロジャー・クックの 「生命の樹 -中心のシンボリズム」(p17)より


模型図の底辺の螺旋の中心から二匹の蛇が互いに絡み合いつつ昇っていく
蛇は中心の象徴と関連してよく登場する・・・
  • 創世記の楽園の中央の木のそばにいる蛇
  • 宇宙卵の表象のわきでとぐろを巻く蛇
  • 中心の象徴を守護する龍
  • 蛇と女性の関係
  • 蛇と大地・獣・豊穣の神である大地母神との関係
蛇の伝統的な二律背反性を暗示する

ki.html



エジプト の 二匹の蛇

※1 へフ(原初の八柱の神の一つ)
このエジプトのアンクには
片方のひざを立て、モウひとつのひざを地面につけ、
しばしば黄金のしるしの上に座る人がいる。
座る人は神を意味し、
この形のヒエログリフは、
へフという神、あるいは永遠の象徴。
持っているのは、蛇ではなく
葉を取ったナツメヤシの枝=レンペトrenpetだが、
ヘフは頭上に太陽神円盤と二匹の蛇を乗せている。



水(ヌン)暗黒(ケク)空間(アメン)の神々とともに
世界が誕生する前から存在する。
ヘフという言葉は100万というような大きな数を意味し、
ヘフ・エム・レンペトは「100万年」
中王国時代から、
頭の上に都市を表すヤシの枝を乗せていたり、
刻み目のあるヤシの枝を両手に1本づつもっている。
特に新王国時代は
ヤシの枝の下端にシェンのヒエログリフ(永遠を意味する)の下に
小さなおたまじゃくし(10万を意味する)が座っている。

→「永遠の10万倍も王の生涯が続くように」
(古代エジプトシンボル辞典p39)
葬祭殿を「100万年の城」と呼んでいた (エジプトの神々事典p102)


エジプト

※2 ナルメル王のパレット

中央の二匹の獣の首が絡まっている・・

蛇を両手に持つ

カデシュ(ケデシュ)
https://www.pandaemonium.net/rdb/menu/file/2096.html
「エジプトの神々事典」によれば、
(ステファヌ・ロッシーニ著 矢島文夫訳 河出書房新社1997年刊)
花と蛇を手に持ちライオンの上に立つ裸の女性

蛇と花というのは、根源的象徴ですね。「神聖娼婦」←シリア起源輸入という。

Wikipedia.en

※3 Faravahar - WINGED SYMBOL OF ZOROASTRIANISM

https://altreligion.about.com/library/glossary/symbols/
The Farohar, or faravahar is an emblem of the Zoroastrian religion.
Faravahar means "to choose."
The Faravahar is descended from the Egyptian winged disk,
a symbol of divine kingship.
It once represented the Assyrian sun god Shamash,
and may have represented the corona of a solar eclipse.
In the Zoroastrian faith, it represents the human soul

WEB 検索
https://www.crystalinks.com/faravahar.html
(妖しいオカルトサイトかと思ったら、 ページランク7のすごい ひろがりのあるサイトです。 著書もお持ちなのですね、図もすごく 多い。)


検索
「インド旅の雑学ノート−蛇神ナーガの系譜−」
https://chaichai.campur.com/indozatugaku/naga01.html

ヘビに対置される聖獣 →蛇に対置されるもの


ラオコーン


獅子紋章風
聖樹聖獣 文様
聖獣概観
獅子
生命の木
蛇の図像文献

唐草図鑑