ベル神殿の文様
葡萄唐草文様
Temple of Bel, Palmyra
葡萄唐草文様 1世紀 建築・彫刻 シリアSyria・パルミラPalmyra.現存Temple of Bel
、西暦紀元32年に奉献、ベル(バール)神はバビロニア系の最高神(Wikipedia)
これは、『オリエントの文様』(小学館 1992) で取り上げられている(38図 「ベル神殿の外壁装飾」
卵鏃文様 (egg-and-dart) の上部には人物像が何体か描かれているが、
この本の著者の一人宮下佐江子さん(古代オリエント博物館)のパルミラの植物文様研究(
文部科学省科学研究費補助金 「特定領域研究」
計画研究「オアシス都市パルミラにおけるビシュリ山系セム系部族文化の基層構造と再編」)の紹介では、大梁2とされる図の 左側に「蛇脚の怪獣がいる」とある
「下半身が蛇で上半身が人間の怪獣と戦う神々が描かれているが、神々は武装してはいるが、正面を向いて整列し、戦いの躍動感は全くあらわされていない 」
(「オアシス都市パルミラにおけるビシュリ山系セム系部族文化の基層構造と再編」国士舘大学2003)
(
wikipedia)バアルはセム族の神、旧約聖書に現れる異教の神
その論考
http://homepage.kokushikan.ac.jp/kaonuma/で見られる図だが、「ピープル唐草」というわけだ・・※ピープルドスクロール/romanesque_ogata5.html
図6大梁 聖なるもの(?)を運ぶ駱駝と奉献者たち
図7 大梁2 左側に蛇脚の怪獣がいる
図8 大梁2下面 有翼女神と裸体の有翼男性像
図9大梁2下面 アカンサスから生まれた馬をひっぱるエロス
アカンサス唐草文に有翼女神やパルミラでは非常に珍しい裸体の有翼男性像、エロス、馬の上半身をえがいた浅浮彫がある(図8、9)。
花綱やリース、アカンサスの葉の間に人物を配する構図はローマの石棺彫刻やモザイク装飾にみられるものであり、半身の動物が植物文に囲まれるものもモザイク画にある。
しかし、この梁の浮彫では馬は傍らのエロスが茂みから生まれ出た馬をその前脚を掴んでひっぱりあげているようで、モザイクや石棺彫刻の植物文が純粋な空間装飾として採用されている装飾性に比してアカンサスの葉は生き物そのものでさえある。(宮下)
https://www.afpbb.com/articles/-/3082532
シリア・
パルミラ遺跡
Siria, Palmira, Tempio di Bel
拡大確認してみた。蛇脚なのか?4本描かれたのだろうか? 衣の裾が、アカンサスの葉のような形になっている・・
「駱駝の背中に覆いをかけた神聖なものを運ぶ祭儀の場面がある。頭からすっぽりと布を被った現在の厳しいイスラーム教徒のような女性が付き従う不思議な光景」(by 宮下佐江子さん)
Procession scene「行列」のシーンと呼ばれるようだ・・
(
※)
「覆いに包まれた霊石をラクダの背に載せて運ぶアラブ固有の神殿の建立に関わる儀式の場面」
※
『オリエントの文様』(小学館 1992) 97図 99図は ベル神殿梁断片
葡萄唐草文様 2世紀 建築・石 シリア パルミラ現存
Temple of Bel(Temple of Baal) Palmyra
ベール神殿入り口脇柱の彫刻
葡萄唐草文様 2世紀 建築・石 シリア パルミラ現存
Travel site with images
- Horse hewn out in stone(石の粗削りの馬)
- Cosmic appearances in the roof of the temple
9 大梁2下面 アカンサスから生まれた馬をひっぱるエロス
Decorated ceiling in the Inner Temple of Bel over the altar, Palmyra, Syria Deckenverzierung im Inneren Baal Tempel über dem Altar, Palmyra, Syrien
天井の一枚岩には天体の運行をつかさどる「宇宙神ベールの象徴として、
真中にユピテル、その周りを惑星6神の胸像と12宮が囲む」文様
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