ミュンヘン/ベルリンの希臘・羅馬美術
2023年6月 Germany,ミュンヘン・(ワイマール・)ベルリンの旅で見たギリシア・ローマ美術をより深く見ます。←前ページはグリュプトテークの美術(munich.html:アファイア神殿の破風彫刻群、アッティカの墓碑)、 、
(munich2.html:羅馬の彫像、アイオン、サルコファガス)
次いで、グリュプトテークの向かいの古代収集館 (Staatliche Antikensammlungen)の文物、ギリシア陶器その1’エクセキアスのディオニュソスカップ、エウフロニオスのクラテル)を。
古代希臘・羅馬の文物
(文様/文化/象徴)
コレクション アンティーク「マイナーアート」
州立古代美術収集館@ミュンヘン(Staatliche Antikensammlungen) の旧名
古代収集館の文物
Hydria
ヒュドリア
Amphore アンフォラ
この、人の頭の陶器の名称であるが、こちらの PDF[「ギリシアの窯業」 橋本 謙一氏、https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcersj1950/64/732/64_732_C479/_pdfには、
リュトン(第27図) とある。
リュトンは、
「牛の角を模した酒盃である.
人頭や馬頭の異形も多い.」
[把手は有るが脚は無く,尖 底であ
るか ら注がれた酒を飲干 さない と置けない]//この説明が該当しない。
さらに見ていたが、カンタロスという説明もある?続く→ ../greece/greek_art.html
州立古代美術収集館
旧名が、コレクション – アンティーク「マイナーアート」であるとは知らなかった。
https://www.antike-am-koenigsplatz.mwn.de/index.php
Wikimedia CommonsのGlyptothek Munichの画像
(wikipedia)「ギリシャの陶器のコレクションは世界で最も重要なものの 1 つで、アマシスの画家、エクセキアス、アーキクルス、グラウカイテス、ペンテシレイアの画家、アンドキデスの画家、オルトス、クレオフォンなど、多くの最も重要なギリシャの陶芸家や画家の陶磁器が含まれています。 、フィンティアス、エウフロニオス、エウティミデス、エピクテトス、パン・ペインター、ベルリン・ペインター、ヒエロン、マクロン、デュリス、ブリゴスの画家、アケロースの画家、リドス。最も重要な陶芸家や花瓶の絵付け師たちは、芸術作品のように自分の器にサインをしていました。 」
Kataloge der Staatlichen Antikensammlungen München
(wikimedia
紹介掲示
ギリシア陶器
パイオニア達The Pioneers
紀元前6世紀のアテネ陶器画のパイオニアグループ
Euphronios、Euthymides 、Phintias
赤絵の始まりThe Beginnings of Red-figure Vase Painting
アンドキデスの画家Andokides Painter
生産拠点 Die Produktionszentren
取引先 (Dir Handel)
生産地別主要形分類作品概観
形と機能 Formen und Frunktionenn
実際に絵を描き焼き付ける方法 eigentlichent Bemafene,Brenenn
ディオニュソスカップ
Exekias Dionysos Staatliche Antikensammlungen
私が見たかったものその1・・Kylix エクセキアスのキュリックス
(wikipedia) いわゆるアイカップの一種であり、外側には2対の目が描かれている。取っ手部分のスペースにアイカップには珍しい比喩的場面が描かれており、これもエクセキアスの考案と思われる。エクセキアス
Staatliche Antikensammlungen - Room 2
(wikipedia) 「エクセキアス(Εξηκίας、Exekias)は古代ギリシアの陶芸家および陶器の絵付師で、おおよそ紀元前550年から紀元前525年のアテナイで活動した。
エクセキアスの作品と確定している現存する陶器は16点」
「彼の有名な作品の1つとして「ディオニューソスの杯」と呼ばれるものがある(ミュンヘン古代美術博物館 2044)。」
内側には赤い背景の中にディオニューソス神が描かれている。」 「ディオニューソスは霊感の神でもあった。描かれているのはディオニューソスが舟で初めてアテナイ(ナクソス島という説もある)まで行った旅である。ディオニューソスは海賊に捕らわれ、奴隷として売られそうになった。そこでブドウの木をマストから生やさせて海賊を怯えさせ、彼らが海に飛び込むとその姿をイルカに変身させたという。 」
Augenschale des Exekias (Dionysos-Schale): Dionysos (ca. 530 v. Chr.)
エクセキアスのキュリックス
(ディオニュソスのボウル): (紀元前 530 年頃)
https://karakusamon.com/budou_dionysos.html(ブドウの神話)より再掲
ジョゼフ・キャンベルの『神話のイメージ』の (p254)
「海の上のディオニュソス」とフドウの木(ディオニュソスの腹部から生えている)・・葡萄の木が生えている魚のような舟と「エッサイの木」のモチーフの原型の原型
赤絵のキュリックス杯。紀元前530年のものだという。
関連Myページ● dionysos.html
海を行くデオニュソス
『図説ギリシア神話』(ふくろうの本 p107 )「酒神は逃げまどう海賊どもをイルカに変えた」
(wikipedia)
「内側には赤い背景の中にディオニューソス神が描かれている。」 「ディオニューソスは霊感の神でもあった。描かれているのはディオニューソスが舟で初めてアテナイ(ナクソス島という説もある)まで行った旅である。ディオニューソスは海賊に捕らわれ、奴隷として売られそうになった。そこでブドウの木をマストから生やさせて海賊を怯えさせ、彼らが海に飛び込むとその姿をイルカに変身させたという。 」
エクセキアスの腹部アンフォラ
Achilles and Ajax playing a board game. Attic black-figure amphora, ca. 500 BC.
アキレウスとアイアスのボードゲーム(トロイア戦争中)
関連Myページ:エリカ・ジーモンの『ギリシア陶器』での紹介・・
●2021k/grichischern77.html →→ゴンブリッジも挙げる厳選アッティカ陶器です。
●greece/attika_pottery.html
●greece/greek_410.html 「革の鎧の細かい文様の描写は錐(きり)を使った掻落(かきお)としという手法による」)by前川誠朗解説
エウフロニオスのクラテル
赤像キュリックスクラテル
attic red figure calyx-kraterアッテイカ赤像キュリックスクラテル
作者 エウフロニオス
Deutsch: Euxitheos (Töpfer); Euphronios (Maler)
English: Euxitheos (potter); Euphronios (painter)
解説
Deutsch: Symposion Szene. Seite A von einer attischen rotfigurigen Kelchkrater, 510-500 v. Chr.
English: Symposium scene. Side A of an Attic red-figure kalyx-krater, 510–500 BC.
Symposium scene. Side A of an Attic red-figure kalyx-krater, 510–500 BC.
(wikipediaの説明)Euphronios ARV 13 3bis symposion
English: object type / vase shape: attic red figure calyx-krater
- description: symposion: side A: 4 men (name inscriptions: Thodemos, melas, Smikros, Ekphantides) on 2 klinai, hetaira (Syko) playing auloi (double flute); Leagros kalos - side
B: 3 young cupbearers / servants preparing the wine - production place: Athens - painter: Euphronios - period / date: late archaic, ca. 510-500 BC
- material: pottery (clay) - preserved height: 38,3 cm - findspot: unknown - museum / inventory number: München,Staatliche Antikensammlungen 8935
- bibliography: John D. Beazley, Attic Red-Figure Vase-Painters, Oxford 1963(2), 13, 3bis Wolf-Dieter Heilmeyer and others, catalogue to the special exhibition (Berlin 1991 ) „Euphronios. Der Maler“, Milano 1991, cat. 5
エウフロニオス
Euxitheos エウフロニオス (fl. 紀元前520年頃 / 紀元前520年–紀元前470年頃 / 紀元前470年)エウフロニオスは日常生活を描いた陶器を多数制作している。ミュンヘン古代美術博物館にある萼型クラテール
クラテ(-)ル
(wikipedia)- 円柱 (column) 型クラテール
- この形状はコリントスで生まれたが、アテナイで多く見られるようになった。典型的な黒絵式陶器である。
- 萼 (calyx) 型クラテール
- おそらく紀元前525年ごろ、陶工エクセキアスが考案したと考えられる。口の部分が花の萼を思わせる形をしており、低い位置に持ち手が付いている。
- 渦巻 (volute) 型クラテール
- アッティカ地方の様式で、紀元前4世紀末まで続いた。持ち手がイオニア式柱頭の渦巻模様のようになっている。
- 鐘 (bell) 型クラテール
- 鐘を逆さにしたような形状をしている。鐘型クラテールは全て赤絵式陶器である。
関連Mページ2018年の旅で見たルーブルのアスコス→●https://flora.karakusamon.com/france/paris20180618.html
※ オックスフォード大學BEAZLEY ARCHIVE POTTERY DATABASEギリシア陶器
アスリート
円盤投げ‥たしかに「マイナー」サイズだったかもしれません・・
マイロンの有名な円盤投げ(ディスコボロス)選手の小型ローマンコピー
青銅製 200年頃
Roman bronze copy of Myron’s Discobolos, 2nd century CE (Glyptothek Munich)
マイロンでも良いかもしれないが、いや、ミュロンでした。(笑)(Myron、紀元前480年頃 - 紀元前445年)※ <「五輪の象徴になった彫刻」br> wikipediaに、「激しい運動の瞬間を巧みにとられた傑作といわれる。」とあるが、実際に見て、その大きさ(小ささ)に驚き。
ちなみに大英博物館のコピーは前を向いている、ローマ国立博物館にもあり。
ギリシア陶器(選手たち)
greece/attika_pottery.htmlのページから再掲。
ナイジェル・スパイヴィの『ギリシア美術』での引用7陶器の中の1、
(p141図84,85)
武装徒競争
アテナイの黒像式アンフォラ 前540年頃 高さ36㎝
ミュンヘン国立古代収集
Hoplitodromos (armoured race); on the right some tripods as winning prizes. Side A of an Attic black-figure neck-amphora,
ca. 550 BC. From Vulci.
ユウフロニオス
84 85 アテナイの黒像式アンフォラ 前540年頃 高さ36㎝
Euphronios ARV 13 1 young athletes preparing themselves
競技前の準備をする選手たち。紀元前510年から500年ごろ
こちらは ベルリン古代美術館蔵:
ギリシア陶器
神話を描く
テュフォンを描く(※2015k/kusoudoubutu_greece.html)
一つ一つじっくり見ます・・・・(続く~~)
参照したい図説本
図説 ギリシア神話【英雄たちの世界】篇で紹介のギリシア陶器
(ふくろうの本/世界の文化)松島 道也、岡部 紘三著河出書房新社刊 Amazon
p24 ミュンヘン 古代収集館
「ヘラクレスとネッソス」
黒像式アンフォラ BC 540?
Theseus Sinis Staatliche Antikensammlungen 8771
p28 ミュンヘン 古代収集館
「テセウスとシニス」
赤像式キュリクス エルピニコスの画家 BC500?
p35 ミュンヘン 古代収集館
「テセウスとケンタウロス」
赤像式キュリクス エウフロニウス BC490 ?
p54 ミュンヘン 古代収集館
「竜の口から脱出するイアソン」
赤像式キュリクス ドゥリス BC490?
p58 ミュンヘン 古代収集館
「ぺリアスの葬礼競技」ペリウスとアタランテ
カルキスのヒュドリア BC540?
p82 ミュンヘン 古代収集館
「アキレウスとペンテレイシア」
赤像式キュリクス ペンテレイシアの画家 BC475?
こちらは、『図説ギリシア神話』神々の世界篇の紹介。
p105 ミュンヘン 古代収集館
「ディオニュソス祭り」
ディオニュソスとマイナスたち
赤像式アンフォラ クレオフラデスの画家Kleophrades Painterの代表作
(コトバンク) 関連Myページ
wikipediaの画像は以下で、少し陶器の形のイメージが違う。
Dionysos with maenads and satyrs. Munich, Staatliche Antikensammlungen 2344
Kleophrades Painter ARV 182 6 young athletes - Dionysos with maenads and satyrs
A and B: 6 young athletes exercising in the palaestra - belly side A and B: bearded Dionysos with wine and kantharos, together with a wild thiasos of satyrs and maenads - production place: Athens - painter: Kleophrades Painter (early work) - period / date: late archaic, ca. 500 BC - material: pottery (clay) - height: 56 cm - findspot: Vulci - museum / inventory number: München, Staatliche Antikensammlungen 2344 - bibliography: John D. Beazley, Attic Red-Figure Vase-Painters, Oxford 1963(2), 182, 6
高さ56㎝
次は Staatliche Antikensammlungen州立古代収集館(2)
ギリシア神話
(「ギリシア神話の空想動物とその図像」)
greece/typhon.html再掲)ガイアの最後の子供テュポン
その子は、強い腕、疲れを知らない足、眼から炎の閃光を放つ100匹の蛇の頭をもった怪物である。
怪物の声は、変わり、あるときは神々、ある時は野獣、あるときは自然力と同じであり、無秩序の持つ基本的な力を具現する。(『世界神話大辞典』p283)
ゼウスとテュポンの戦い、紀元前530年頃、カルキデキオの水がめ
ミュンヘン、国立考古学博物館
テューポーン 紀元前540年頃-530年頃
カルキディア 黒絵式ヒュドリア(en
ミュンヘン、州立古代美術博物館(en)蔵
Side B: a frieze with hoplites in battle and above it funeral games for Pelias (chariot race). Wrestlers under left handle.:Korinthischer Krater, Berlin
「葬礼競技その他」井本英一https://core.ac.uk/download/pdf/236041507.pdf
岩波世界の美術『ギリシア美術』(2000)ナイジェル・スパイヴィ著
図52(p93)ヴルチ出土のアンフォラ
ベルリンの画家に帰属 前5世紀初頭。
ミュンヘン国立古代収集
コンテンツ
- グリュプトテーク
- グリュプトテーク(2)
- 州立古代収集館
- 州立古代収集館(2)
- 「ギリシャ美術史入門」を読む
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