パルメット文様に関連するので、世界美術大事典(小学館1988)の記述を以下に
傾斜した屋根の瓦を抑える目的をもち、軒先につける
古代ギリシア、エトルリア、古イタリア、古代ローマ建築における屋根の装飾要素
古典期のアンテフィクサはパルメットを上に載せた渦巻文の形をしている(アテナイのパルテノンなど)
ヘレニズム時代になると、仮面や植物モティーフが浅浮彫もしくは透かし彫りで刻まれる。
ローマ時代には再び簡素な形になり、
三角形の表面にパルメットやウィクトリア(勝利の女神)、トロパエウム(勝利を象徴する武具飾り)などを浮き彫りで表したテラコッタ製が一般的
"AntefixSharp". Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.
Wikipedia英語版に、別に
Acroterion (台に載った装飾)という語がある。(美術大事典にはない)
下は↓パブリックドメインの画像であるがAcroterionとPalmetteにリンクされている。 Palmetteの項には
(20151007閲覧)antefixとanthemionという語も出てくるが、厳密な区分はこれだけではわからない。形ではなく、使われた場所による一応の区分と解してよいだろうかと思ったのだが、Encyclopædia Britannica - Acroterionはにpediment( 破風)の上の飾りとあるので、使われる場所に違いがあるようにみえない。
その後「世界の建築」の建築用語解説に、
両方が出ていてい、幾分か違いがわかった。
(Encyclopædia Britannica - Acroterion)
Acroterion, plural Acroteria, in architecture, decorative pedestal for an ornament or statue placed atop the pediment of a Greek temple; the term has also been extended to refer to the statue or ornament that stands on the pedestal.「世界の建築」
acroterion アクロテリオン:ギリシア語の原義は、物の頂上や端。ギリシア語から、台の方をさすのと、ラテン語からそこに置かれる装飾物自体をいうものとの別であるようだ。
それに対してその代表的文様がアルテミオンであると言えるようだ。そしてその文様を構成数するのがパルメット・アカンサス。(ロータス?・スイカズラ?)
Examples of acroteria.
This image comes from the 6th edition of A Handbook of Ornament (1898), or earlier
Palmette motifs from A handbook of Ornament by Franz Meyer (1898).
↓のようなpediment( 破風)の上の飾り)
美術大事典には「パルメット」の項の図に「装飾瓦」とある
上はPublic domainのSteleだが、これとは別の同様なfunerary steleについて
https://www.antiquitiesexperts.com/greece480.htmlの説明は
アテミオンになっている
Greek marble Anthemion (funerary stele), ca. 325 B.C., rosetts in relief, two acanthus stalks, palmettes; 109.2 x 57.8 cm.
文様用語としての「アンテミオン」を再度見てから、
文様(美術)用語の再チェックです。
複合的な文様(植物モティーフ)「ジラーレ」などは初見の用語です。
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