動物奇譚集1 (西洋古典叢書)
前2~3世紀、主にローマを拠点としながら、古典ギリシア語を用いて著述活動に専念した人物による本書は、獣・魚・鳥はもとより、爬虫類・両生類から虫・植物、果ては未確認動物に至るまで、ありとあらゆる生物にまつわるきわめて多彩なエピソードを800話近くも集めたもの。動物たちのさまざまな生態を活写して、純粋な驚きや知的関心の対象とするだけでなく、理性なき彼らが示す美徳や悪徳などの特性にも注意を促すことで、理性を備えたわれわれ人間にとっての教訓や反省の材料に供することが企図されている。後代のシートンらによる動物文学の系譜にも位置づけられる。原書17巻を2冊に編み、第1分冊には9巻までを収める。本邦初訳。
【目次】
第 一 巻
一 ディオメデイア島の迎え鳥
二八 梟の媚態
三四 鳥類の邪視対策
三五 動植物の異能
三八 動物の嫌うもの
四二 鷲の利目
四三 歌姫ナイチンゲール
四四 鶴二題
四五 禿鷲、そして啄木鳥
四七 大烏の渇きの由来
四八 大烏の能力
五二 燕の来往
第 二 巻
一 鶴の渡り
三 燕の交尾
二六 鷲の子試し
二七 駝鳥
二八 野雁の馬好き
三〇 雄鶏を逃がさぬ法
三二 白鳥の歌
三四 シナモン鳥
三五 イービスの教え
三八 イービス、蛇を退治する
三九 黄金鷲の独立独行
四〇 鷲の情愛
四二 鷹と人間
四三 鷹四題
四六 禿鷲
四七 鳶
四八 大烏の知恵
四九 大烏の土地勘
五一 大烏
第 三 巻
九 嘴細烏と梟
一二 黒丸烏の手柄
一三 鶴の渡り
一四 鶴の風読み
一五 土鳩
一六 鷓鴣
二〇 ペリカンの調理
二三 鸛に反哺の孝あり
二四 燕の巣造り
二五 燕の教育
三〇 郭公の托卵
三一 雄鶏を怖れるもの
三五 鷓鴣の国なまり
四〇 ナイチンゲールの母のしつけ
四三 捨身飼雛
四四 森鳩の貞潔
四五 土鳩の擬娩
第 四 巻
一 鷓鴣を戦わせる秘訣
一四 鷓鴣の知恵
一七 鶏の同性愛、囮となる鷓鴣
一八 意地の悪い動物
一九 意外な弱み
二八 グリュプス
二九 雄鶏五題
三八 駝鳥
三九 雀の巣
四二 インドの鳥ディカイロン
四三 自分の名前を叫ぶ鳥
四八 萌葱色の鳥
五五 川原鳩
六〇 青黒鳥
六一 頭青花鶏
第 五 巻
五 牝鶏の晨
二一 孔雀の美
二八 青鶏の仲間愛
二九 鵞鳥の恋、毒への態度
三〇 狐雁
三二 孔雀
三三 鴨の本能
三四 白鳥の勇気
三五 青鷺の食事作法
三六 星鳥
三八 ナイチンゲールの名声好き
第 六 巻
七 烏の墓
一九 鳴き声の競演
二七 猫のこと
二九 鷲と少年
四五 憎みあう鳥たち
四六 鳥を殺すもの
五八 霊鳥ポイニクス
第 七 巻
七 雨か日和か鳥に聴け
一一 蛸と鷲の戦い
一六 鷲と亀とアイスキュロス
一七 ケーリュロスと翡翠
第 八 巻
一九 鸛の仇討ち
二一 鸛報恩譚
二二 狩人という鳥
第 九 巻
二 鷲の羽
一〇 鷲の食事
一七 翡翠の巣
一八 鳥兜
二七 鳥兜、一位の木

