唐草図鑑

密林の唐草文

BanteaySreiGopura
BanteaySreiGopura10世紀のクメール王朝 gopura=塔門
アンコールワット(=「大きな寺」)より200年前、967年に建設
「クメール伝統の破風を特徴づける多葉飾り形式、
発想豊かで精巧な花弁模様、紅色の砂岩」(石澤良昭『アンコール・王たちの物語』p102

Banteay Srei Kala
Banteay Srei is known for the intricacy of its carvings. This carving is of a kala, a mythical creature representative of time and of the god Siva.
花葉模様

me非常に大きなスクロール唐草が端にある・・石澤さんの言うタピスリー上の装飾、「丸文唐草文様」「輪違い文様」 ?
中央が面白い・積み上げたミニ角柱のような感じ
左端は、ガルーダか、上のものと加え方が逆

Bantay srei

砦のモナリザ

me 「アンコール美術の宝石箱」といわれる「Banteay Sreiバンテアイ・スレイ」にある女神(デバター)「東洋のモナリザ」(石澤良昭氏命名)・・・ (Wikipedia
イメージとしては、細密画、モローのサロメなどを思い浮かべてしまうのは、逆でしょうか・・・
アンコールワットの方は、レースをまとった優美なイメージ・・http://www.angkor-ruins.com/ruins/angkorwat/devata_watwestgate/devata_watwestgate.htm


http://www.athome-academy.jp/archive/history/0000000256_all.html

教授対談シリーズ:石澤良昭氏
「カンボジアでは、王は完全な実力主義で、基本的に父から息子へ王権が移ることはまれです。肉親とも戦うなど、王位争奪は激しいものでした。王は神であったので、その力を誇示するため、全権を行使して、民にお寺を造らせ、権威を示した」
2002年山川出版社刊
■■http://www.devata.org/
http://homepage2.nifty.com/hashim/cambo/srei07.htm
http://www.abaxjp.com/camb2-bkdei/camb2-bkdei.html

バンテアイ・クディ (デバターとアプサラの饗宴)
http://www.angkor-ruins.com/ruins/angkorwat/devata_watwestgate/devata_watwestgate.htm



p47より バンテアイ・スレイ(「女の砦」)寺院の中央塔の四隅角壁龕のトヴァラパ―ラ(門衛神) (石澤良昭著 大村次郷写真)

「アンコール美術の宝石箱」建築美・彫刻美・造形美の最高峰とおっしゃる・・
967年建築開始 そして以下のデヴァタ―(身長1m)がご命名の「東洋のモナリザ」


ぬきがき

1860年 フランスの博物学者アンリ・ムオが廃墟を発見、西欧世界に紹介、仏教の聖地となる。
13世紀後半(?)廃仏の国家作業
漢文資料:周達観『真臘風土記』1296
セデス:『カンボジア碑文』(1937~)碑文の言葉は2種類サンスクリット語(インド古来の神々の言葉)と古クメール語
フランスギメ国立東洋美術館のステルン:美術・建築様式論
クメールの石像彫刻の頂点
1.6~8世紀 
2.12世紀末~13世紀初め(ジャヤヴァルマン7世Jayavarman VII)Wikipedia
美術様式の指標となる遺跡


ぬきがき

1.サンボール・プレイ・クック(7~8世紀初め)
2.コ―・ケー(928~944)
3.バンテアイ・スレイ(975~1020西バライ)
4.バブー・オン
5.アンコール・ワット(1113~) 6.バイヨン(1181~アンコール・トム)四面仏尊顔仏塔

クメール真臘(しんろう―6~15世紀)
扶南(ふなんー1~6世紀)を吸収合併
706頃 真臘の分裂、
802 ~アンコール王朝
1431 シャム軍(アユタヤ王朝)によりアンコール都城陥落
※平安、鎌倉時代


経蔵の写本 黒くなめした動物の皮革に白亜で書かれた文書
貝葉(ばいよう)本・・多羅樹の葉を乾燥させ、長方形に切断
ヤシ科Palmac


確かによい顔をした王だ(ジャヤヴァルマン7世)Wikipedia
フランス国立ギメ美術館 Photo by Luca.I.Tettoni/Corbis
Guimet IMG 6009 Jayavarman7  

アンコール・王たちの物語 ~碑文・発掘成果から読み解く (NHKブックス2005年) 」は以下省エネ目次読書で。
「約六百年間に二六人の諸王たちが野心・野望に燃え自らの勢力を拡大し、栄華を築き、そして戦い敗れた。」




第4章からの抜き書き
輪廻転生思想からアンコール美術が誕生する (p78)
アンコールの大伽藍を飾るクメール装飾美術には、アンコールの大地に生息する動物類及び主要植物などが選択的に採り入れられ、賑わいを添え、同時に躍動感を作り出している。
最も多く見られる唐草装飾模様は、九世紀から柱の装飾に多く使われ、初期には肉厚であったが、アンコール・ワット時代には薄肉になり、時代と共に退化している。
これらの多彩な模様は、自然と人間が一体という世界観、どの動物も生死を繰り返す一つの姿形に過ぎず、生き物はすべて流転があり、ついには絶対者と合体することを表している。
伝統的哲学的な理論を踏まえて、永遠に転生し続ける自然の法則に基づいている。こうした転生思想から考えるならば、その豊かな美術表現と同時に溢れんばかりの過多な造形装飾に納得する。



アンコールワットのデヴァダーの群舞12世紀前半
(「アンコールからのメッセージ」p54-55より)

唐草図鑑ロゴ


アカンサス ツタ ロータス ブドウ ボタン ナツメヤシ
唐草図鑑
唐草目次
文様の根源
聖樹聖獣文様
文献
用語
MAIL
サイトマップ