唐草図鑑
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獅子キールティムカ

ジョゼフ・キャンベルの神話学

me 「神話の力」と「神話のイメージ」を只今読んでいます。
「あらゆる宗教は隠喩として理解した場合は、真実」・・とキャンベルの『神話の力』(p111)にあり。
キールティムカ(ここでは、キルティムッカと表記されている)も出てきています(p132-133」)※キールティムカ

生命は生命を食うことによって成り立つ。
やせた怪物は自分の足に食らいつき、むしゃむしゃ、むしゃむしゃと上の方まで食べていきました。
生命が生命を食べて生きているイメージです。
とうとう痩せた怪物には顔だけしか残りませんでした。
シヴァはその顔を見て、 「生命というものの本質をこれほど見事に表したものを見たことがない。
わしはお前をキルティムッカ━栄光の顔━と名付ける」
私たちはその仮面を、その栄光の顔を、シヴァの神殿や仏教寺院の正門によく見かけます。
お前に頭を下げないものはわしのところに来る資格がない


キャンベルの「神話の力」は キャンベルの遺作(対談)1992/07刊

内容は・・

あらゆる宗教は隠喩として理解した場合は真実
隠喩にこだわりすぎて隠喩を事実と解釈してしまうと動きがとれなくなる
宗教は神秘体験を与える代わりに、社会問題と倫理についてのお説教をしている
詩は隠喩からなる言語芸術 可能性を暗示する
隠喩とは神の仮面 それを通して永遠というものを経験させる
現代の聖職者たちは隠喩のない方について語らず、善悪の倫理にこだわりすぎている
現代社会ではイメージを用いてものを考えるという術(アート)が失われてしまった
「神」という語は本来あらゆる思考を超えたものを意味しているはずなのに、「神」という語そのものが思考の対象になってしまっている


(p121) シオドア・レトケTheodore Roethke(1908-1963 セオドア・レトケ) に出てきたので見ていました
https://en.wikiquote.org/wiki/Theodore_Roethke

わたしたちは行くことによって知るのだ。自分が行かねばならない場所を。
草花は根の深いところに光をとどめている。

どうもわからない、訳詩を見ようかな・という感じ

Wikipedia キャンベルの他の著書
千の顔をもつ英雄〈上〉 作者: ジョゼフキャンベル,Joseph Campbell,平田武靖,竹内洋一郎,浅輪幸夫,伊藤治雄,春日恒男,高橋進 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 2004/03



キャンベルの 図像いっぱいの『神話のイメージ』では、第2章の「宇宙秩序の観念」p117、人間ライオンに変身したヴィシュヌと饕餮(とうてつ)の顔の柱の間に、キールティムカは出てきます。
内容は・・「栄光の顔」の伝説をもっと詳しく記述しています。

自己を消滅しつくすという神秘、すなわち生命の神秘の一部始終を見守っていた神は、このみごとな行為がすっかり終わった解き、神の憤怒から生まれた子の生き物の唯一残された頭部に向かって、ほほ笑んで言われた。汝は今後キールッティムカ(「栄光の顔」)として、世に知られるであろう」

ハインリッヒ・ツィンマーの注釈の引用

「栄光の顔」は最初はシヴァ神みずからの特別なエンブレム。シヴァ神殿を特徴づける一つの要素

アーナンダ・クーマラスワーミーの注釈の引用

「太陽ならびに死として、子どもたちを生み、そして貪り食う「神の持つ恐ろしい顔」を表すキールッティムカは、ギリシアのゴルゴネイオンや中国の饕餮(「大食漢」)と類似したところがある


me Joseph Cambell(1904 - 1987)
The Mythic Image(Prindceton Unyiversity Press,1974
「神話のイメージ」( 青木義孝 山下主一郎訳 大修館書店 1991刊)目次であるが

神話のイメージを視る


第1章 夢としての世界
1眠りの神
2死と再生の神
3.奇蹟の子
4.偉大なる女神

第2章 宇宙秩序の観念
1.文字文化の伝承と無文字文化の伝承
2.世界山
3、中米の世界山
4.暦の循環
5.回転する時空世界
6.変容の中心地

第3章 蓮華とバラ
1.花の王笏
2.花の台座
3.下界の海と天界の水
4.黄金の種子

第4章 内なる光の変容
1.心理学のヨーガ
2.蛇の導き
3.如来
4.彼岸へ至る英知
5.蓮華の梯子
6.地上への帰還

第5章 供犠
1.自ら進んで犠牲になる者たち
2.呪術的、道徳的、神秘的な、各種の供犠
3.血の祭壇
4.神話

第6章 覚醒

原注
図版リスト
索引

me この後はこちらのテーマで必要に応じて見ていきます

矢印J・キャンベルの「神話のイメージ」のディオニュソスのイメージを見るページへ、

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