唐草図鑑
聖樹聖獣文様

唐草とともにある聖獣

2013-01-02 巳年・・ 「十二支の文字はその文字の表す動物と関係のないものですが、巳の場合だけは別」と、 大漢和辞典の諸橋轍次さんの「十二支物語 」に。
大修館書店昭和63年9月刊
諸橋轍次著(Wikipedia 1883-1982

「十二支物語」より少々

中国では天体の運行と関係させ、十二支にはこの図のような、むずかしい別名があるという話
天体を十二支の分野にわかち、 歳星(木星)がその分野のいずれにあるかによってその月を定める。
(『慈雅』「釈天」) だいたい夏暦が日本の旧暦にあたり、周暦が今の太陽暦にあたる。

占い用語集の解説 十二支の一つ。陰の火で、季節は夏、月は5月、時間は9~11時、方位は南南東を表す。


時間(とき)を指し(巳の刻は午前9時から11時)

ことバンク(デジタル大辞泉)では「 昔の時刻の名。現在の午前10時ごろ。また、その前後の2時間。または、午前10時から正午までの2時間。」


空間(ところ方位)を指す(巳の方角は南南東)
十干と十二支(21P)
子(鼠)18P
丑(牛)18P
寅(虎)17P
卯(兎)19P
辰(龍)18P
巳(蛇)16P
午(馬)16P
未(羊)19P
申(猿)15P
酉(鳥)22P
戌(犬)21P
亥(猪)20P
各動物のページ数を計算してみました。 蛇も多くないが猿が一番少なかった

ミはヘミ(ヘビ)の略(日本語)

『山海経』『神異経』『博物志』『述異記』などの古書に
螣とう蛇、蝮蛇、ぜん蛇、鉤蛇、髯蛇、坂鼻蛇、鶏冠蛇、爆身蛇、青葱蛇、白花蛇などほとんど無数の種類が挙げられている。
三角蛇には角があり、崋山の蛇には翼があり、粛慎国の蛇は獣首蛇身、嶺表の蛇は人面蛇身。
『史記』の「三皇本紀」伏羲と女媧氏も人面蛇身
『楚辞』「蛇あり象をのむ。その大きさ如何。説く者曰く蛇の長さ千尋。」
『山海経』「蛇が出ると旱(ひでり)になる」 馬鹿もの=忘八(仁、義、礼、智、忠、信、孝、俤の八徳を忘れた)スッポン・・同類と婚せず蛇と婚する
(p116)蛇はもともと蛇なのか、あるいは他の動・植物の子供なのか、そこはよくわかりません」
蛇の夢を見ると女の子が生まれると言って喜ぶ
蛇は毒草や薬草を知っている
楚の孫叔敖(そんしゅくごう)と漢の高祖の故事
西湖にあった雷峰塔(玉女に化けた白蛇の精)を慰めるためのもの
『易』「龍蛇の蟄」英雄傑士も時期を待つためには、しばらく蛇の冬籠りのように蟄居しなければならない
孫子の兵法:「常山の蛇」首を撃てば尾が至り、、尾を撃てば首が至り、・・自由な陣形・
「杯蛇の厄」=気から得た病い
「蛇蚹蜩翼」=蛇は動くのは自分の力だといい、蛇のウロコ蚹も自分の力だという。蜩セミは飛ぶのは自分の力だといい、翼は自分の力だという。相依り相助けてはじめて社会が成り立つことを知らないもののたとえ。 その逆?「涸沢の蛇」

p122の崔煒(さいい)のはなし(蛇の報恩)
ものすごく大きい白蛇のすみかで「龍神様、どうか命だけは助けて下さい」と哀願すると、大蛇もうなずくようにしてどこからともなく径寸の宝玉を出してあたえたという話があるのだが、
大蛇なのか龍なのか・・・という話にはなっていない・・・
龍は前年の辰なのだが・・・
そちらには龍は変化の多いものと考えられていた・・うろこの数が八十一枚あるのがその証拠であるそうな。(九九)
龍の嫌いなものは鉄とムカデと笹の葉と五色の糸。(『爾雅翼』)
中国で屈原を祭るのに粽を作るようになった故事。( 五月五日は屈原の命日)などの話が面白いが、蛇との関係は、「竜頭蛇尾」位で何も出ていない・・

江戸大節
十干と十二支の図(江戸大節用)Wikipedia 節用集
付録※http://www1.gifu-u.ac.jp/~satopy/reki19.html
19世紀の 国語辞典⇒付録で百科事典化

googlebooksより


以下「十二支物語」のクラシカルな挿絵紹介

子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の見出し

丑 子
(Wikipedia)『古今図書集成』 は、18世紀、中国・清代の百科事典(類書)
(左)春野大原女(今尾景年 1845-19 )
卯 寅
(右)虎(橋本雅邦 1835-1908)⇒江戸の動物の絵「龍虎図
(左)紅梅白兎(椿椿山 1801-1854)
巳 辰
(右)龍(狩野探幽 1602-1674)
(左)秋草蛇(中林竹渓 1816-1867)
未 午
(右)群馬(等楊雪舟 1420-1506)
(左)黄初平こうしょへい(川合玉堂 1873-1957)
申
茶之木猿(森狙仙 1747-1821)
酉
鶏図(尾形光琳 1658-1716)
戌
狗の子(渡辺崋山 1793-1841)
亥
鳥獣戯画(鳥羽僧正覚猷(かくゆう1053 -1140)



 

十二支の漢字

大漢和辞典の諸橋轍次さんさんの本なので、漢字の話の部分を・・

鼠という象形文字 十二支はすべて動物なので、象形からできた文字が多い
上の部分は口の中の歯、下は腹や爪、尾 大漢和辞典には鼠の部は107あり。 鼠は元は穴にすむ動物の総称であった。一番画数の多い字は、(くもざる)

牛という象形文字 牛偏は311。一番画数の多いのは「牛+靈](牛の名前)、年齢による種類や、毛色による種類、、人類とかかわりが深いので獣のオスメスも牛偏(牡・牝)犠牲も、物も牛偏

虎という象形文字 虎冠は102。上が虎の皮の文様、下は人の足の形をそのまま

兎という象形文字 図の上は兎の頭、最後の点はシッポ。兎の部はない。
龍という象形文字 (月と右側の形は)龍が躍動飛行する様 立は童の省力で音符として用いられている
龍の部は28字。一番画数の多い字は龍を4つならべたもの(てつ)。多言の意。
馬という象形文字 馬偏は520字。多くてもそんなに必要がない。毛色や歳や背の高さなどいろいろな方面からの観察による種類分け。

猿は象形文字ではない。

鶏・・旁(つくり)の鳥が、象形文字  
雉・・隹(ふるとり)は尾の短いトリの象形文字
酉・・酒を盛る器の小径
羊という象形文字<
諸橋さんは羊年。羊は祥という字の元の字。神聖なもの。 羊の部は188.一番画数の多いのは羊+靈(れい 角の細い大羊

犬という象形文字 犬扁579字もある。一番画数の多いのは ケモノ(犬)偏に霊(良犬)
亥という文字 イノシシ、イノコ、ブタ・・中国の文字で見るとみな同じもの

十二支 (井本英一⇒)


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