サン・ピエール教会(モザMoissac)
古代のスクロール(渦巻)
« Imposte à rouleau porche abbatiale de Mozac » via Wikimedia Commons.
fr.Wikipedia, http://www.romanes.com/Mozac/
"F08.Mozac.0205"via Wikimedia Commons.
« Linteau de l'Hommage abbaye de Mozac » via Wikimedia Commons.
オーベルニュ地方聖堂の楣で注目されるもの
タンパンに彫刻がない。しかしタンパンの下の楣が、三角形としてタンパンの内部に侵入して、三角形的になった楣の中央に聖母子座像が君臨
引用図 馬杉p184
« Chapiteau mozac atlantes 2 » par Original uploader was Matth97 at fr.wikipedia
(馬杉著『ロマネスクの美術』p186)4人のアトラスは、ひざまづいた姿で冠板の四隅を占め、彼らの両手と両足とは、両側にいるアトラスのそれと結びあわされている。
彼らの間の空間は、ブドウ装飾で埋められている。
冠板の四隅に人体を置くことにより、人体はより力強く柱頭部分から浮き出ている(独創性、生き生きとした人体表現)
馬杉著『ロマネスクの美術』p185で、柱頭に関する「ロマネスク彫刻の形態原理」として挙げられている。つまり、下の円から上部への立方体へと柱頭を変化させる必要がある、その方法の一つとして・・
(馬杉p186)
a) 上部の冠板の四隅を、渦巻状のこぶし花装飾が占め、その間の四つの空間を人物で埋め尽くす方法
例:初期のピレネー山脈沿い(サン・ミッシェル・ド・キュクサ聖堂(Abbaye de St Michel de Cuxa)など)の柱頭
成熟期のブルゴーニュ地方(オ―タンやヴェズレ―)の柱頭彫刻に多く見られる
※「十二世紀に地中海各地でロマネスク彫刻を手掛けたカベスタニーの職人
(Maitre de Cabestany)の柱頭がたくさん残っている」
アメリカに持っていっている
"F10 19.1.Abbaye de Cuxa.0006"via Wikimedia Commons.
b) 逆に、上部の冠板の四隅を、人物や動物の頭部が占め、その間の四つの空間はむしろ装飾的なものによって埋め尽くす手法
モザのサン・ピエール聖堂の≪四人のアトラス≫や、≪キリスト復活≫を著した柱頭彫刻などはその典型的な例である。
« Chapiteau Mozac masques » via Wikimedia Commons.
« Chapiteau Mozac renard au paradis »via Wikimedia Commons.
これらの2聖堂の柱頭をみて、私には馬杉著の2分類の他に、空間を埋める要素として、動物文様、植物文様からの区分の方が、印象としては大きく感じられた・・・ .
« Chapiteau mozac maraudeur dans la vigne »via Wikimedia Commons.
つるの先端が「こぶし花」(バルトルシャイテス)とおっしゃるものになっている ブドウは 唐草になっていないが特に見ると、形が同化融合している感じである・・
サン・ピエール教会(オルネーAulnay)
« F06.Aulnay.2181 »via Wikimedia Commons.
« Facade ouest bas »via Wikimedia Commons.
西正面中央扉口(馬杉p179)
« Portail Eglise Saint-Pierre Aulnay-de-Saintonge mid 12th century »via Wikimedia Commons.
南側中央扉口(馬杉p181)
(馬杉p178)同一聖堂の中で二つの手法が見られる。
一つは 帯状半円のリズムにしたがて人物を配する(西扉口)
一つは 半円帯状の空間の流れに直角に人物を配する(南扉口)放射線のリズム
« F06.Aulnay.452 »via Wikimedia Commons.
« F06.Aulnay.489.1 » via Wikimedia Commons.
柱頭彫刻についての話はなかったのですが、魅力的なので、Wikipediaから引用挙げておきます。
« Chapiteau vegetal » via Wikimedia Commons.
« Facade transept haut » via Wikimedia Commons.
⇒『ロマネスクの美術』を読む
ゴシック建築
モワサックのサンピエール修道院