聖樹聖獣文様
新潮「とんぼの本」
『フランス ロマネスクを巡る旅』
(2004 中村好文・木俣元一著)
この本は、旅の前に読むべき一冊である。
ブルゴーニュ地方
BOURGOGNEプロヴァンス=コート・ダジュール地方
PROVENCE-COTE D'AZUEロマネスクからの手紙 中村好文
ラングドック=ルション地方
LANGUEDOC-ROUSSILLONミディ=ピレネー地方
MIDI-PYRENEESロマネスク美術談義 木俣元一
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中世美術を見るヒント 木俣元一
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旅案内
ここで2019年6月の旅の準備ということであるが、
トゥルーズを拠点にモワサック、ディジョンを起点に オータンというのは決めていたのだが、追加できる聖堂・修道院ということを第一にみています・・
なお、この本では、聖堂は無料だが、「できれば数ユーロの寄付を」と何度も書かれています。
小さな教会を訪ねる
ブランシオン BRANCUONのサン・ピエール教会(p6)
モンソー=レトワールの教会(p8)
シャペーズのサン=マルタン教会(p10)
オズネーの教会(P11)
[ロマネスク建築の宝石箱]である、
ブルゴーニュ地方(BOURGOGNE)の小聖堂・・太くてごつい柱とアーチに質実剛健ぶり、とか素朴なたたずまい・・
「当時のブルゴーニュはいわば新しい建築の実験場のようなもので、いくつもの技術者集団がデザインを競い、個性豊かな建築を生み出していった」(p11)
「タンパンや柱頭の彫刻がすばらしく、クリュニーやヴェズレーにまで影響を与えたとされる」
どちらも「地元ブルオネの黄色い石灰岩を使っていて、夕日を浴びた姿が美しい」
でも・・これらの小聖堂は、車でないと行くのは難しそう・・かつ山歩き支度で?
他の大きめの聖堂でも、グーグルのマイマップの表示では、車と自転車と徒歩しか出てこないですね・・(一般的な検索では列車も出てくるのだが)
ちなみに、この本でミュシュランの赤地図の用意を薦められたが、ガソリンスタンドの表示が出てくる、車用である。私の旅のスタイルとは少し異なるので、別にヨーロッパ鉄道時刻表を購入した。これも路線図はわかるが、すべての駅が出ているわけではない・・、結局は現地の中心駅で無料の時刻表を手に入れるのが大事となるわけで。それを見て検討する楽しみ?並びに時間的余裕が必要だ・・。そういうわけで、例のごとく、忙しない旅はできないのであった。
閑話休題、続いては・・
トゥルニュ 初期ロマネスクの空間美 TOURNUS(p12)
「極端に太い柱やヴォールト天上の複雑な構成は南方から。
巨大な身廊と後陣の放射線祭室は北方から」(p14)
ここは楽に行けそうなので追加できる・・
ロマネスク黎明期の作品、トゥルニュ、サン・フィリベールトリビューンの東中央開口部の葉飾り柱頭については、『図説ロマネスクの教会堂』(辻本敬子・ダーリング益代)に詳しいので、そちらへ・・
続いての項は
オータン 中世彫刻の甘美なささやき AUTUN(p15)
ブルゴーニュ地方の真ん中にあるオータンは、珠玉のロマネスク彫刻で多くの観光客をひきつける街。≪アダムとエヴァの断片≫エヴァの浮彫は元は大聖堂の北扉口にあったもの。(p17)
「名品≪眠るマギへのお告げ≫もお見逃しなく」(p19)
ヴェズレー 永遠の丘に坐す栄光のキリスト VEZELAY(p24)
やっぱりヴェズレーは遠くても外せないようだ‥
『図説ロマネスクの教会堂 』
辻本 敬子/
ダーリング益代/著(ふくろうの本:河出書房新社 2003)も、「ヴェズレー詣」に始まる・・
浅野和生『ヨーロッパの中世美術 大聖堂から写本まで』(中公新書2009)では 9(章の)「巡礼」の項に、巡礼路聖堂としてコンクのサント・フォア修道院聖堂、トゥ-ルーズのサン・セルナン大聖堂、ペリグーのサン・フロン大聖堂、ヴェズレーのサント・マドレーヌ大聖堂が挙げられている。(p208)
また都市の近くの巡礼地として聖母マリアの衣という聖遺物(サンクタ・カミシア)を所有していたとされるシャルトル大聖堂があった。(1194年の大火災まではロマネスク聖堂)(p211)
井上靖の『化石』: ブルゴーニュ地方への主人公の旅は、3人の同行者と、パリから車で、まずヴェズレーのサン・マドレーヌ・パジリカを訪ねて1泊し、2日目にはオータン、トゥルニュと回ってさらにもう1泊して、翌日、パリに帰ってくる。
https://www.asahi-net.or.jp/~dr4i-snn/
作者の如くこの3つは、と思う。
しかし、フォントネ―修道院や、クリュニー修道院もと思い始めると、旅程決めはやはり一仕事・・
ヴェズレーのサント・マリー・マドレーヌ聖堂への行き方
(p32)・・ディジョンから在来線でLarocheMignennes乗り換え約1時間10分オータン行在来線に乗り換え約1時間10分セルミゼルSermizelles駅から10キロ
巡礼路だから、往路くらいは、片道2時間の大人の遠足をしたいとは思うが・・
詳しく見た結果、フォントネーのシトー派修道院は行けそうだ・・・クリュニーは難しい((笑))
新潮とんぼの本
『フランス ロマネスクを巡る旅』p33の地図の引用
「地球の歩き方」フランス分冊 2 ブルゴーニュ/フランシュ・コンテKindle版
ジュラ山脈に沿って、その麓に広がっているため、「ジュラ」と呼ばれることも多い。「ジュラ」とはラテン語で森林のこと(「地球の歩き方」)
これだけ紹介されているわけだが、結局この地図から行こうと思うのは、
上から南下してヴェズレー、オータン、トゥルニュで、井上靖の『化石』の3つと同じ。
他に、饗庭孝夫さんの本などにも紹介されるヴェズレーより北東の
フォントネー修道院へモンバール駅から徒歩で1時間半程度の遠足をしようと思う。
次いで、今年予定のもう一地方をこの本を参照して見ると・・
巡礼路の至宝を求めて
トゥールーズ 巡礼者が集うバラ色の教会
モワサック フランスで一番美しい回廊
コンク 山里に息づく聖女の魂
サン・セルナン聖堂(p114)
現存ずるロマネスクの聖堂では最大の規模をほこる
東西の長さ115m
ここまで巨大になったのは、何と言ってもサンティアゴ・デ・コンポステラのおかげ。
Musée des Augustins(fr.wikipedia)
オーギュスタン美術館
長く美しい両足を交差させた姿は、トゥールーズ派の石工の特徴
フランスで一番美しい回廊(p118)
東回廊の中央柱に刻まれたレリーフは、1059年にクリュニー会から送り込まれた最初の僧院長ブルドンのトゥランドゥス。厚紙に型押ししたような独特の朝浮彫もトゥールーズ派の作風の一つ。1100年(p120)
柱頭に彫り込まれているのはアカンサスの葉。」キリスト教的生活や復活を意味するシンボルだ。 1110年頃(P121)
この聖堂はいままでも『ロマネスク美術』馬杉宗夫著などで、
モワサックタンパンのキリスト表現、モワサック西扉口 中央柱等を見てきた。
馬杉著『ロマネスクの美術』掲載の古寺も・・(2014)
今回こちらの地方もミシュランの赤地図を購入
モワサックにはトゥルーズから行く場合は、ボルドーBordeaux方面行き在来線で50分.。駅から徒歩10分、とある(p142)
この本にも「コンクCobques以外は街まで列車で行ける」とあるが、人口300人の「山奥の孤村」コンクのサン・フォア聖堂は無理で、カステル駅から、サン・ブノワ大聖堂には行きたいと思う、Cathédrale Saint-Benoît de Castres(Wikipedia仏蘭西版)
駅から徒歩13分 ゴヤの美術館の近く
「地球の歩き方 フランス」分冊Kindle版
https://4travel.jp/travelogue
コンクのサン・フォア聖堂Abbatiale Sainte-Foy de Conques
ロマネスク建築・美術に関するサイトと、ロマネスク教会を巡る旅の準備に役立つサイトの紹介だそうです。→https://www.balade-roman.com/liens.html
最後に聖堂の創建年を挙げておく
クリュニー 1095年
モデナ大聖堂(イタリア)1099年
モワサック 1110年
ヴェズレー 1120年
オータン 1130年
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