聖樹聖獣文様
リエバナのベアトゥス
スペイン北部,アストゥリアス地方リエバナLiébanaの修道院長ベアトゥスBeatus(ベアトBeato。710?‐798)
ベアトゥスが786年ころに著した《黙示録注釈書》およびその転写本の通称。
黙示録解説として776年に執筆され、784年に改訂され、786年に再び改訂された。
中世に人気があり、少なくとも34冊の原稿が残る。10世紀から16世紀。すべての原稿が完全であるわけではなく、一部は断片的な形でのみ存在する。
これらの原稿のうち26点は、モザラビッチ、ロマネスク、またはゴシック様式のミニアチュールで豪華に装飾されてている。(en.wikipedia)
現存するものは10世紀から13世紀にかけての写本のみ。現存するものだけでも20以上を数え,その最古のもの(10世紀中ごろ)はニューヨークのモルガン図書館にあり,イスラム色の強い強烈な色彩と独特の様式化に特徴をみせている。コトバンク(世界大百科事典 第2版)
『ベアトゥス注釈書』とは
スペインの神学者,リエバーナLiébanaのベアトゥス Beatus(798没) の著した『ヨハネ黙示録注釈書』 (10世紀中頃写本,ニューヨーク,モルガン図書館。975写本,ジローナ聖堂) 。同書は次々と挿絵を入れて転写され,スペインからフランスにいたって,ロマネスク美術の形成に大きな影響を与えた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典(コトバンク20200701閲覧)
モサラベ・ミニアチュールは,古代末期の図像的形態,イスラム的モティーフと色調,スペイン的な表現主義,宗教的な幻視と象徴性が融合したきわめて特異な絵画世界である。その代表作は,8世紀後半にリエバナの修道院長ベアトゥスが《ヨハネの黙示録》に注釈と挿絵を加えたベアトゥス本だが,現存するものは10世紀から13世紀にかけての写本のみである。
出典:世界大百科事典での言及(コトバンク20200701閲覧)
*モサラベは、ムスリム支配下のイベリア半島、とりわけアル=アンダルスにおけるキリスト教徒のこと
*ミニアチュール
Miniature(英)(仏):「語源の異なる二つの概念に用いられる名称で、西洋中世における彩色写本の挿絵、もしくは小型の画面に描かれた細密画を指す。写本とは手書きで写された本のこと。各章の表題(とくに頭文字)を赤く彩色して際立たせるため、鉛丹(minium:ラテン語)を用いたことがこの名の由来となった。」(https://artscape.jp/)
ミニアチュールは、まず、ミニチュア、ミニサイズ、「minute(微細な)」だと思っていました。(wikipedia)
「写本のインクは赤と黒が多く、赤は鉛丹から作られ、強調文字に使われた」と『写本の文化誌』(p24)にもありました。
2.写本芸術
中世初期の写本でリエバーナのベアートゥスによる『黙示録注釈』、いわゆる「ベア―トウス写本」程数多く残っているものはない。
32部現存し、そのうち25部はほぼ完全な状態にあり、22部はミニアチュールが施されている。
各写本の成立年代は10世紀から13世紀初めが大部分で、例外的に16世紀初期の写本が2部伝えられている。
現存の18部は940年から1292年までの間に集中。
commons.wikimediaBeatus_of_Liébana
バンベルク黙示録 (1020年頃ライヒェナウで制作)
Douce Apocalypse
「ウィリアムズのコルプスとアローヨ・ベアトゥス写本挿絵」
A Corpus by J.Williams and the Arroyo Beatus http://archives.tuad.ac.jp/2019/02/.pdf
「通称アロ ーヨのベアトゥス写本は、現在パリのフラン
ス国立図書館に所蔵される (440x305mm)。保存状態は慨ね良好で、落丁は 17葉程度にとどまり、現存69点の挿絵の様式的完成
度も高い重要作である 。」
アローヨ写本挿絵が、ベアトゥス写本10世紀の諸作の、明快な 図式的形体と鮮やかな原色を用いた率直な力強さ(モサラベ様式)、あるいは 11世紀の作の、重厚さと尊厳な表現をめざした各種の試み(ロマネスク様式)から遠ざかっているのも事実である 。
「A3サイズが420mm×297mmなのでそれより一回り大きなサイズ」
https://syumei.boo-log.com/e471751.html
サン・アンドレス・デ・アローヨ修道院
Monasterio de San Andrés de Arroyo
シトー会女子(シスター)修道院
この柱頭に驚いた
arquivoltas.com
めしべから流れ出る唐草線
Silos Apocalypse (1109)
サントドミンゴデシロス修道院
Monasterio benedictino de Santo Domingo de Silos
途中です(20200723)
→ ■ヨハネの『黙示録』を読む 1.2.3.4.5
■ロレンスの『黙示録論』と「蒼ざめた馬」
■黙示録写本の命の川と植物(途中)
■黙示録の言葉「アルファオメガ」(途中)