昨年は、左に挙げる背表紙風の目次に 中國ページだけの14頁をまとめましたが
今年2026年は、袁 珂の『中国の神話伝説』を読み、中国の怪物・神の図像を、その順番に、『中国シンボル・イメージ図典』や『神のかたち図鑑』などを参照して、神・怪物のイメ―ジを見ていきたい。
白川静『中国の神話 』改版 (中公文庫)も参照します。
『中国の神話伝説』 (袁 珂著, 鈴木 博 訳– 青土社1993/4/1刊)執筆は1983年春節前夜
長くなるが、見ておきます・・
屈原の「天問」を熟読するうち、神話、伝説、仙話は明確に区別すべきでないこと、 古代の口承の伝説においては、それらは実際には互いに包摂しあっており、区分できないないことが分かった (p18)
屈原の『天問(てんもん)』→tenmon.html神話の時代が引き延ばされ、『荘子』の「鯤鵬の変」、「黄帝、玄珠を失う」、・・・・など、哲学的な寓話のように見えたものさえ、復元して神話の中に組み入れることができた。
『荘子』の「鯤鵬の変」 文学形式で神話を物語るようにし、解釈や議論の形式をとらないよう要望を寄せた人もいるが、散逸して断片的にしか残っていないという中国神話の特徴のために、また、狙いが基礎的な整理にあるがゆえに、このような形式を採用した。
60万字前後に増補改訂して、半生にわたる整理が一段落した。
兵馬俑を見学したとき、質朴雄渾な芸術的造形、生き生きした姿態に、古代文化の基礎をなす雄大さと深淵さを感じた
盤古から秦の始皇帝までの神話伝説を対象としているが、神話伝説というプリズムの屈折を通しても、いたるところに古代の歴史と文化の映像を見ることができる。
本書が兵馬俑のような役割を果たすことを願っている。
急がないことにして1年計画で読みます。
中国には昔から神話という言葉さえなかった、割と最近外国から輸入されたのである、
人を惑わしやすい言葉
神話は空想から生まれたのではなく、神話の誕生には現実生活との密接な関係がある、
原始人は自然の奴隷であった
驚異を感じ理解をこえるものはすべて生命のあるものとみなし、神とよんだ。(p28)
原始宗教と原始神話は、労働の中で発達した
生存の苦しさと自然との闘争の苦しさを克服するために、
労働英雄をたたえる頌歌をうたい上げた。
斧で天地を開闢した盤古、→banko.html
人類を創造し、五色の玉を熔かし天を補修した女媧、
錐をもんで火をおこした燧人、
薬草を発見した神農、
動物を飼いならした王亥、
人民に農耕を教えた后稷、・・・
『中国の神話・伝説』には3章まで図が一つもなく、三皇五帝の三皇は伏羲、神農、女媧、の三神となるが、参照の『中国シンボル・イメージ辞典』には女媧しか載っていない。
また、『神のかたち図鑑』では盤古も三皇も出ているが人間の項にもあったりする。⇒女媧のページにつづく
のちに階級が分化すると支配階級はこれらのもろもろ労働英雄を自分の祖宗にすえ九天の高みに持ち上げ、威嚇と弾圧の具に供した(p29)
これこそ、数千年来、神が勤労人民の、日常生活の中に存在してきた理由に他ならない。
大衆の中に神に反抗する意識も生み出した。その具体的な表れは
ギリシアにはプロメテウス、中国には太陽を射た羿
上帝の息壌を盗み出し洪水を治めた鯀、鯀の事業を引き継いだ禹。
「反徒」の隊伍をもっと拡大すれば、蚩尤、夸父、刑天など古代の巨人も、
反旗を翻して支配者を苦しめ、死すとも敵に屈しない気概を有していた。
このような英雄神話は階級社会における支配階級と被支配階級との闘争を反映している。
神話には現実生活が反映され、神話は労働の中から生み出された。(p30)
相互転化の関係
宗教がまず生まれ宗教から神話が生まれた
旧石器時代の氏族共同体の時代に、漠然とした原始的な宗教的概念が生まれた(マルクス、エンゲルス)
ブルジョワ的学者は人類は宗教とともに誕生したかのように定義したが、でたらめである。
宗教的観念は労働によって人類の思惟力の発達が促され、幻想を抱くことができるようになり、かなり複雑な創造や連想ができるようになった時に初めて生まれる(p32.)
↑ ? 労働人民?まぁ良しとしますwww
アニミズムでなく、自然に対する崇拝、原始的拝物教
崇拝の対象は、太陽、月、石、大木、牛、蛇(p33)
『山海経』の「山経」に描かれている山林沼沢のさまざまな怪神怪獣、
「海経」に描かれている火神の祝融、水神の河伯、
海神の禺䝞と禺京。
※「禺䝞」は、神の名。鳥の体に人間の顔を持つ。
『楚辞』の(九歌)の日神の東君、雲神の雲中君、
『国語』の「魯語」の、鳥を繰り出して臧文仲の祭祀をやめさせた海鳥の爰居
『華陽国志』の五丁力士の墓誌として立てた大石(巨石崇拝)などに、すでに改変されてはいるものの、原始社会の祖先崇拝の痕跡を見て取ることができる(p34)
『華陽国志』