聖樹聖獣文様
エミール・マールを読む:『ロマネスクの図像学』(上)予習 、第1~3章の図版に続き、第4~6章の図版を見ます
Ⅰ.この研究の難しさ
芸術と典礼
主の奉献の祝日の蠟燭
「イエス・キリストの洗礼」と洗礼式
Ⅱ. 典礼劇
復活祭の朝の劇と復活の新しい図像
石棺の出現
「香料を買う聖女たち」
失神して墓の上に倒れるマグダラのマリア
「エマオの巡礼」の劇
キリストと巡礼の衣装
Ⅲ.降誕祭の典礼劇
「マギの礼拝」の新しい図像
預言者の行列
その図像はフランスではポアティエのノートルダム・ラ・グランド教会の扉口に見られる
イタリアのクレモナ、フェラーラ、ヴェローナの場合
頭に角の生えた姿で描かれたモーセ
司教の服を着たアロン
Ⅳ.芸術における「賢い乙女と愚かな乙女」
第4章
図105 神殿への奉献、十二世紀のステンドグラスのパネル、シャルトル
幼児を老シメオンに差し出す聖母の後ろに、二人の侍女が火を灯した大蝋燭を持って立っている、オリエントに見られない新要素(典礼の影響)
図106 イエス・キリストの洗礼、カナの奇蹟、パリ国立図書館(Latin9438)
注水による洗礼という新機軸(p190)
図107 墓における聖女たち、モザ(ピュイ・ド・ドーム県)の柱頭
天使は石棺の近くに座る G.Millet『福音書の図像学』エルサレム詣の石の礼拝からの着想であるということを証明しようとしているが、少し込み入りすぎている(p195)*
聖ドゥンスタンの『慣例集』:十字架が「キリストの墓をまねたもの」(銀製の大箱?聖遺物箱)の中に入れられて、祭壇の上に置かれるように、という→西欧において石棺が、オリエントのギリシア人が描いた二層の霊廟、あるいはコンスタンティノープルの芸術家の描いた岩を掘って作られた洞窟にとって変わる
図108 墓における聖女たち、ダックスのサン・ポール教会の浮彫
十字架を持つ手 吊り香炉を振る祭礼
Église Saint-Paul de Saint-Paul-lès-Dax(Wikipedia)
図110 墓における聖女たち、ナントゥイエの聖遺物箱
(リモージュ製 12世紀末)
十世紀ごろ、聖女たちは屍衣を手に取り、それを信徒に示した
【典礼執行規定】→開かれた墓の上に身をかがめ屍衣を握る仕草
*Santa_Sabina.html
図111 墓の蓋を持ち上げる天使、サン・ポン(エロール県)の柱頭
Saint-Pons
Abbaye Saint-Pons-de-Thomières
Hérault (French: [eʁo];It is part of the Occitanie region.)
図112 開いた墓から出るイエス、ラ・ドラードの柱頭、トゥル-ズの美術館
wikimedia/Notre-Dame_de_la_Daurade
ギリシアとオリエントは墓から出るキリストを描かなかった。
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→ 古代ギリシア芸術(4様式)
『ロマネスクの美術』 (馬杉宗夫著 2001 八坂書房)を読む
『ゴシックとは何か―大聖堂の精神史』(酒井健著 2000 講談社)を読む