聖樹聖獣文様
若桑みどり「太陽を持つ女―寓意と象徴の女性像」の図像を見るページの続きで、ここでは絵画を見ます。
(全集 『美術の中の裸婦』 第7巻の総論 1980集英社刊)
(p12 図)Goodwood→グッドウッド?
デルヴォ―《虚栄》 個人蔵(p12 図)
ホルツィウス《移り気》
ブリュッセル ホテル・ド・ヴィル蔵
ヘンドリック・ホルツィウス(Hendrik Goltzius, 1558 - 1617) (en.wikipedia)
マックス・エルンスト
「ありのままの私の現実を見てはいけない」(1923)
オーボンヌのポール・エリュアール邸の壁画。 ※
女の三世代と死
The Three Ages of Man1509/10年頃
Kunsthistorisches Museum Wien ウィーン美術史美術館
バルドゥング・グリーン,ハンス
Baldung Grien,Hans(1484/5‐1545)
Venus with Mercury and Cupid (the School of Love) - Education of Cupid
コレッジオ《キューピッドの教育》
Date circa 1525
Antonio da Correggio (1489–1534)155 cm ×92 cm
National Gallery
https://www.janssenart.de/pjalt/fresk02.html
デュッセルドルフ美術アカデミー
Johann Peter Theodor Janssen
(1844-1908)
https://www.janssenart.de/pjalt/cv.html
ジャン・デルヴィル(Jean Delville、1867- 1953)ベルギー象徴主義
魂の愛、テンペラ絵画、1900年、イクセル市立美術館
マンテーニャ《悪党に勝つ叡知》
パリ ルーブル博物館蔵
→2017k/lurker_ki.html
→「プシコマキア」へ
中世的宇宙論から近代的宇宙論への大激変が行われたのが16,17世紀
エリアーデ『イメージとシンボル』
人類にとって根源的なイメージとは、常に人間の究極の状況から生まれたものである。そしてその限界状況とは常に人間の究極の杖に人間と大宇宙の関係に他ならない。(p19)
Woodcut; microcosm and macrocosm, from Kircher.
Athanasius Kircher《小宇宙大宇宙交感のタイプ》
13世紀から15世紀にかけての多くのミニアチュールには、宇宙や天体を示す円環に内接する人体図が見られる。
コスモスと人との調和は、古代ギリシャ思想に端を発し、全ヨーロッパ文明を貫根源的な思想の一つであったと考えられる。(p20)
Leonardo da Vinci (1452–1519)
Vitruvian Man
Date circa 1492
人体は、一個の肉体としてよりも、宇宙的秩序もしくは調和と人のシンボルとして考えれているのである。
ラテン的伝統の中で、人体の数的比例美が重んぜられているのは、何にもましてしたこのようなアントロポモルフィク(神人同形論)な世界観から生まれた。(p20)
12世紀のランズベルクのミニアチュール
(宇宙と人体のアナロジー)
「四元素」に囲まれながら、人の息が「大気」、人の熱が「火」、血液が「水」、肉が「土」の性をそれぞれ共有する
両眼、口、鼻、両耳の
7つの器官が7つの惑星とそれぞれ呼応している→四と七がシンボリックな数字となる。
「円に内接する七頭身の人体」と「四元素のアレゴリー」は、ラテン的宇宙観と人間観との結晶であり、16世紀すなわち盛期ルネッサンスにピークを迎え、17世紀を待たずして崩壊する運命にあった。
16世紀はまさにこの古典的宇宙観の最後の時期に当たり、思いもかけぬ新たな世界を予感し、そこに危機を読み取っている故にこそ、常にもまして宇宙と人間との関りへの鋭く豊かな感受性が触発はつされたのである。(若桑みどりp21)
Tomb of Giuliano de' Medici
《夜》 メディチ家墓廟
フィレンツェ サン・ロレンツォ聖堂
Michelangelo Buonarroti (1526~31年頃)大理石 長さ194㎝
「ミケランジェロの芸術的創意は、《夜》を老人で表わさず、中年の女であらわしたことに示されている。」(p21)
彼は、もっとも瞑想的な「憂鬱質」にふさわしい、胎児jにも似た自閉的なポーズを《夜》の女に取らせている。これは角度を変えれば、「考える人」のポーズにもなりうるのだが、
夜と眠りと夢と死の互いに連関するイメージが、この彫刻につけた彼のソネットの中に見出される。(p21)
われにふさわしきは眠り
石となることこそはさらに慕わし
暴虐と圧政の続くこの世に生きんよりは。
われに語るなかれ
ああ語るならば低く語れ。
ティツィアーノの寓意画、犬の図像・象徴
「寓意と象徴の女性像」(1) 、チェーザレ・リーパ