唐草図鑑
建築美術

唐草図鑑補足

円柱のタエニア(その2)

Taenia

me2013年現在で、古代メソポタミアのリボンのついたリースを見ていたのだが、ギリシアの墓石にリボンTaeniaをまきつけるという話に注目しました・・・() 
その言葉は、古代ギリシアの建築要素であるということで、「円柱建築の要素としてのタエニア」についてみたのは、こちらでした矢印2013k/architectural.html

その後2024年6月にはアテネにパルテノン神殿を見に行きました。国立アテネ考古学博物館でみた、アッティカ陶器の、 白地lekythosレキュトスに描かれた弔いのリボンの一例は以下。



@国立アテネ考古学博物館 20240612 photo byM
 Wordpressに写真

meパルテノン神殿のタエニアについては、「イラスト資料 世界の建築」(マール社 1996)に、それまでよくチェックしていなかった、いわば3D図がありましたので、以下に引用します。(p35)



me課題はここ!
Fがタエニアとすると、これは!
リボンというより板ですね。 リボンに見えるのは、板の厚みの部分。


me結局、これをリボンという比喩はちがうような気がするwww.
とにかくタエニア…


このぺ―ジ下の、欄外の記述は
A【テンパナム】→27/【まぐさ式建築trabeated】/
A【アクロテリオン acroterion】/
A【エンタブラチュア entabla Fr. comicte]】/
A【フリーズ frieze]/
A【台輪 architrave】/
A【土台床 stylobate】/
AB【柱身 shaft】/
A 【平縁 tenia or taeia】/
A 【ベディメント pediment】/
A【まんじゅう形 echinus】/
D【軒鼻飾りantefixae】-→建築用語集参照


me建築用語集にはさらに詳しい下の解説がありましたが、タエニアの日本語訳は「平縁」でした。納得・・・・

【まぐさ式建築trabeated】trabs は「梁(はり)」の意のラテン語。ギリシア建築のような建築様式の一種。はりで構成するもの。

【アクロテリオン acroterion】ギリシア語の原義は、ものの頂上や端。ベディメントの 頂上や左右の両端に取り付けられた石の台。彫像または装飾物を置くのに用いる。

【エンタブラチュア entablature】列柱に支えられている建造物の一部。ギリシア建築の 場合、台輪・小壁・蛇腹の3部分からなる。

【蛇腹 cornice,Fr.corniche】ギリシア建築のエンタブラチュアの上部。また、頂部 に突出するもの一般をよぶ。

【フリーズ(小壁) frieze】イタリア語のフレジョ fregio に相当。「飾る」の意。3部分よりなるエンタブラチュアの中間部分。人獣飾り (P.42)を参照。フリーズ。

【台輪 architrave】「主はり」の意のギリシア語。柱と柱の間に架かるはり=エンタプラチュアの最下部、また、戸口または窓の両側と上部を区切る、繰り形を施した枠縁(額縁)のこともいう。
【土台床stylobate】柱廊を配置する下の基壇。

【柱身 shaft】礎盤と柱頭の間にある柱の部 【トリグリフ triglyphs】「3個の溝」を意味するギリシア語より。ドーリア式エンタブラチュアの小壁に設けられる突起した石。表面に2筋の溝を彫り、石の左右の角はその溝に向かい、面取りになっている。

【平縁 tenia or taenia】ドーリア式の台輪の上の部分にあたる帯、あるいは平縁(fillet)。

【ベディメントpediment】古典建築の、神殿の屋根の端の3角形になっているところ。 ゴシック建築では、ゲーブル(gable=切妻)といわれる。

【まんじゅう形 echinus】本来の意味はイオニア式柱頭に用いられた卵鏃(らんぞく)飾 リ(egg and dart)のことであるが、ドーリア式柱頭の突出の大きいまんじゅう繰り形を 指すことが多い。

【軒鼻飾り antefixae】「前につける」の意のラテン語。屋根の軒先に一定の間隔をおい て縦に取り付けられる石造装飾物。瓦の目地を隠す役目を果たす。水吐。


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このコンテンツは 唐草図鑑アカンサス文様の補足でした
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今後、ギリシア、トルコ、イタリア、ドイツ、フランス、イギリスで見た古代ギリシアの遺物をもう一度見直したい。続く~~ 矢印振出しに戻る 


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