唐草図鑑
建築美術

建築の歴史

『世界の建築600選-美術鑑賞辞典』

『世界の建築600選-美術鑑賞辞典』
(川村善之著(株)日本教育研究センター 1996年刊)
1924生 京都市立藝術大学名誉教授

   以下、建築物の年代把握のためにこの本で年表を見て概観したい。(2014継続物件) 

こちらは「建築は、まぎれもなく芸術である」ということで、ヨーロッパの建築、ロマネスク・ゴシックの聖堂をじっくり見ていた年に、教科書として、キャプチャーして個人的に脇に置いたもの・・著作権に配慮せずm(__)m
この小ぶりの図鑑には懇切な参考資料集などもあり、矢印その2につづく(2025追記)


このとき、他にはマール社の『イラスト資料 世界の建築』というのも買って参照していました。これも1996年の刊でした。ただしそちらは、大正8年岩波書房発行の「フレッチャア建築史」より挿図と建築用語集を抜粋し、用語を現代の一般的な形に改めたもの、とのこと。これは凄いと思いました。
しかしイギリスのページがダントツ多い。具体的には希臘のページが30ページに対し。イギリスのゴシックは35ページ。仏蘭西のゴシックは9ページ。

 
1919年刊


フレッチャー世界建築の歴史: 建築・美術・デザインの変遷
西村書店 – 1996/9/1 ジョン モスグローヴ (編集)
建築・美術・デザイン関係者必携のバイブル Amazon 

建築年表 by川村善之

1 紀元前2700年~

ギリシア建築

(以下はwikipediaなどからの補足です)

Ancient Greek architecture
ギリシア建築(wikipedia


◆アルカイック期
アポロン神域の宝庫群(紀元前550年から紀元前525年頃 デルフィ)

◆古典期
パルテノン神殿(紀元前447年起工・432年完成 アテネ)

◆ヘレニズム期
アクロポリス神域(紀元前3世紀後期 ペルガモン)


矢印2024年の旅 (最近10年の旅)

参考文献@wikipedia 

ロラン・マルタン著・伊藤重剛訳『図説世界建築史 ギリシア建築』(Amazon)
ニコラス・ペヴスナー著・鈴木博之訳『世界建築辞典』(Amazon)

やっぱり表紙はどうしてもギリシア建築。


図説年表 西洋の建築の様式 shokokusha.co.jp
やっぱり表紙はどうしてもギリシア建築が安心(!?)。

ネットで 建築年表を検索してみると、日本の年表は豊富ですが、西洋建築史は、 あまり見受けない(2025年10月現在)が、

こちらに→ クラシック作曲家.com
「1. ギリシャ様式(BC.9世紀~BC.1世紀)」に始まり、「13. アール・デコ(1910年代~1930年代)」までで、これが一般的なイメージだと思うが、 「アールデコとかはあえて分類する必要ない』という意見も。

他に目に留まったのは
2018年のニュースに、建築家が19年かけ8万3千項目収録の年表作成というのがありました‥


2 1世紀

ローマ建築


ローマ建築(wikipedia)              
■ローマ建築は紀元前6世紀頃から4世紀までに形成された古代ローマの建築
■ウィトルウィウスの残した『建築について』の存在により、ルネサンスに始まる古典主義建築の源泉となった。
■ローマ建築は神殿より公共施設。土木・建築工学


矢印2017年の旅


 3 7世紀

初期キリスト教建築


ラヴェンナの初期キリスト教建築物群 (wikipedia) 
世界遺産 5世紀初頭から6世紀末

矢印2017年の旅


ビザンティン建築(wikipedia)
◆5、6世紀ころから、コンスタンティノープル(旧称はビュザンティオン)を中心に興った。特色は正方形またはギリシャ十字形の平面、ドーム、金地の華麗なモザイク、大理石の張石など。
◆今日においても正教会の聖堂、あるいはイスラム教のモスクとして利用されている。
◆イスタンブール ハギア・ソフィア大聖堂

矢印2024年の旅


 4 9世紀

ロマネスク建築

(Romanesque architecture

(wikipedia) 
◆10世紀末から12世紀にかけて、ヨーロッパ各地で展開した建築様式 ◆ 厚い石壁、小さな窓、半円アーチが特徴の重厚な建築様式
◆帝政ローマ建築以来初めての汎ヨーロッパ建築様式


矢印2018年の旅

参考文献@wikipedia
H.E.クーバッハ『図説世界建築史ロマネスク建築』飯田喜四郎訳、 本の友社、1996)(Amazon) 
N.ペヴスナー、J.フレミング、H.オナー『世界建築事典』鈴木博之訳、鹿島出版会 、1984
N.ペヴスナー『新版ヨーロッパ建築序説』小林文次、山口廣、竹本碧訳、彰国社、1989。
菊池良生『神聖ローマ帝国』 講談社現代新書 、2003
馬杉宗夫『ロマネスクの美術』八坂書房、2008 
森田慶一『西洋建築入門』東海大学出版会、1990
『西洋建築史ビジュアル版:デザインとスタイル』長尾重武、星和彦、まる、1996(Amazon
 ※よく挙げられている
ニコラス・ペヴスナー (Nikolaus Pevsner) 1902―1983 イギリスの建築美術史家(wikipedia
 5 11世紀

ゴシック建築

(Gothic Architecture)

(AI Overview)12世紀後半にフランスで誕生し、中世ヨーロッパに広まった石造建築様式で、尖った「尖頭アーチ」、屋根を支える「リブ・ヴォールト」、そして建物を外側から支える「フライング・バットレス」が特徴です。これらの技術により、建物を高く、軽快に、そして窓を大きくすることが可能になり、色鮮やかなステンドグラスが多用された。


矢印2018年の旅

イギリス
フランスと並びゴシック建築が栄えた。
カンタベリー大聖堂 (カンタベリー)1179年に建設の始まった内陣部分はフランスの職人によるもので、イギリス最初期のゴシック
ウェストミンスター寺院 (ロンドン) ソールズベリー大聖堂 (ソールズベリー) ヨーク・ミンスター (ヨーク)


 6 12世紀

ゴシック建築(2)

ゴシック建築(Gothic Architecture)
wikipedia
◆歴史的区分としては1150年頃から1500年頃までの時代を指す
◆ゴシック建築の達成は、中世スコラ哲学の理念、つまり神を中心とした秩序を反映したことにある


フランス
サン=ドニ大聖堂 (パリ) ノートルダム大聖堂 ((パリ) シャルトル大聖堂 ((シャルトル) ランス大聖堂 (ランス) アミアン大聖堂 (アミアン) ストラスブール大聖堂 (ストラスブール)

矢印2019年の旅



 

参考文献@wikipedia
ルイ・グロテッキ著・前川道郎 黒岩俊介訳『図説世界建築史 ゴシック建築』(本の友社)
ニコラス・ペヴスナー著・鈴木博之訳『世界建築辞典』(鹿島出版会)
桐敷真次郎著『建築学の基礎3 西洋建築史』
長尾重武/星和彦編著『ビジュアル版 西洋建築史 デザインとスタイル』(丸善株式会社)

7 13世紀

ゴシック建築(3)


wikipedia

ドイツ圏
長らくロマネスク様式の名残を残し、小さめの窓と簡素な装飾のものが多い。また西部ではフランスの影響が大きい。
ケルン大聖堂 (ケルン) フランスのアミアン大聖堂を参考にしている
聖エリザベート教会 (マールブルク)
マクデブルク大聖堂 ドイツ初期ゴシックの代表作
レーゲンスブルク大聖堂
聖ローレンツ教会 (ニュルンベルク)
シュテファン大聖堂 (オーストリア・ウィーン)
ストラスブール大聖堂(アルザス地方) 旧名シュトラスブルク。現在はフランスに属しているが、ドイツ文化圏といえる。
聖ヴィート大聖堂(プラハ) 元神聖ローマ帝国の重要都市。現在はチェコに属している

矢印2023年の旅


8 14世紀

ゴシック建築(4)

イタリア
◆イタリアではゴシックはあまり受容されなかった。 ミラノ大聖堂 (ミラノ)フランスの職人が招かれて建設された サッサリ大聖堂 (サッサリ)

グラナダのイスラーム建築 


アルハンブラ宮殿

(Palacio de la Alhambra)

wikipedia
アルハンブラ宮殿が大きく拡張されたのは、レコンキスタが進展した、グラナダを首都としたナスル朝(1238年 - 1492年)の時代に入ってから


私の興味は、ギリシアからロマネスク、ゴシックまでで尽きていますが、その後のルネサンス、マニエリスム、バロック、歴史主義の項は ・・次に続く。そちらに参考文献と資料集(by川村善之)の項もあり・・・
矢印その2につづく(2025追記) 


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First update2014 ,lastModified 2025-09-29 

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