ブドウ唐草
植物としての葡萄 2
ブドウ(葡萄) grape∥grape vine∥vine
ブドウ科ブドウ属に属する落葉植物
果樹としてオレンジ類に次ぐ世界第2位の生産量
[ブドウ属 Vitis]
暖温帯から温帯にかけて約70種が知られ,
その多くのものが果実を食用に利用されている。
つる性で巻きひげを他物にまきつけてよじ登る。
葉は互生し単葉で,欠刻の有無や程度は多様である。
巻きひげは節に葉と対生して生ずるが,
各節に連続してつくものと,2節おきに1節つかないものとがある。
花は小さくて多数が房になってつき,5~6月に開く。
両性花のほか雄花と雌花の区別のあるものや
雌雄異株のものもある。
花弁は緑色で5個あるが,上部が開かず,
開花時には基部が離れて脱落する。
両性花は子房上位のめしべと通常5本のおしべをもつ。
果実は液果で内部に0~4個の種子を含み,8~10月に熟する
果実は大きさと形,果皮の色が変化に富み,
甘みと酸味を有し,食用にされる。(村田源〉
植物としての葡萄 補遺
[品種]
世界ではヨーロッパブドウ品種が1万以上あるといわれ
圧倒的に多く栽培されているが,
日本ではアメリカブドウとの雑種が主体で
デラウェア(イラスト),キャンベル・アーリー,
巨峰(イラスト),
マスカット・ベーリー A(イラスト)が代表的である。
ヨーロッパブドウはその中でも比較的耐雨性の強い東洋系の
甲州,ネオ・マスカットが露地で作られ,
マスカット・オブ・アレキサンドリアが
ガラス室内で作られている。
醸造用にはカベルネ・ソービニヨン,セミヨン,
リースリングなどを筆頭に
世界には数千品種あるが,日本では栽培が少ない。
またトムソン・シードレスは種なしで
干しブドウの原料として有名だが,
日本には適さず栽培されていない。
[栽培]
苗木は挿木でもできるが,フィロキセラに根を侵されるので,
普通は抵抗性台木を使った接木苗を使う。
温帯で生育期に降雨の少ない所がよい果実を産する。
土壌はとくに選ばないが,排水と保水が共によい
礫(れき)を含んだ重い土壌が好適で,
火山灰土はあまり適さない。
外国では垣根仕立て,棒仕立てが多いが,
日本では多雨多湿に順応して棚仕立てとし木を大きく育てる。
枝の混みすぎを防ぐため冬季に剪定(せんてい)を行う。
芽の数を6~7芽残す長梢剪定と1~2芽で切る短梢剪定とがあり,
長梢では X 字型自然形整枝,
短梢では一文字型,H 字型整枝などが行われる。
夏季には棚面の明るさを保ち,果実の品質を向上させるために
芽かき,摘心,誘引,摘房,摘粒,笠かけまたは袋かけなどを行う。
デラウェアではジベレリン処理による種なし果実の生産が一般化している。
開花2週間前に
花穂をジベレリン100ppmの水溶液に浸漬(しんせき)して種なしにし,
さらに開花後2週間でもう1度処理して果実の肥大を促進させる。
地力維持には有機質の肥料を多く用いる。
肥料成分としては窒素,リン酸,カリのほか
石灰とマグネシウムが重要である。
病気は黒痘病,べと病,晩腐病,うどんこ病などがあり,
防除には休眠期に PCP 加用石灰硫黄合剤,
生育期に有機硫黄剤,ボルドー液などを用いる。
害虫にブドウトラカミキリ,スリップス,フタテンヒメヨコバイなどがあり,
低毒性有機リン剤などで防除する。露地栽培とガラス室栽培のほか,
近年ビニルハウスによる促成栽培が盛んになり,
4月から生果の出荷が始まる。
世界での生産は年間約5600万t(1994)で,果実中第2位である。
主要生産国はイタリア,フランス,スペインの
南ヨーロッパ3国で世界の約35%を占め,
そのほかアメリカ,トルコ,アルゼンチンが多い。
日本ではミカン,リンゴ,ナシ,カキに次いで第5位を占め,
山梨,長野,山形,岡山,福岡で多く生産している。
[利用]
世界では全体の約12%(1980)が生食用,約80%が醸造用,
残りが干しブドウ,ジュース,ジャム,ゼリーなどの加工に用いられる
日本では約85%が生食用,約8%が醸造用,
残りがジュース,瓶・缶詰,ジャムなどの加工用である。
ギリシアやインドではブドウの若芽を野菜として利用することがある。
⇒ブドウ酒 (雨宮 毅)
WEB検索
■果物ナビ(果物情報サイト)果物図鑑 : ぶどう(葡萄/ブドウ)■「快汁」葡萄鏡(サンモンガカさん)
■神の飲み物ーワインの来た道 井上勝六 甲府聖オーガスチン教会
■ぶどうの発生とワイン文明の始まりについて
フランス料理のレストラン Restaurant Chez Charles にも
ギルガメシュ叙事詩:ノアの方舟伝説、
ぶどうの分類 などのお話があります
■磯きりん さんの ラテン語植物科名辞典 「 磯キリンのぶどう酒道楽 」
文物としてのブドウ
■ネット上で見られる これがすごい!!
青磁象嵌葡萄唐草
静嘉堂文庫美術館(世田谷区) |
大阪市立美術館蔵 |
青磁象嵌葡萄文瓢形水注 https://nikotama.keizai.biz/headline/194/ 高麗時代 12世紀中葉から後半期、 推定, 全羅北道扶安郡柳川里窯 |
青磁象嵌葡萄唐子文瓢形水注 高麗時代 |
それによれば、日経新聞 NIKKEI プラス1(2012/2/4版)の記事からわかったことで、
赤ワインは、
「ピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン」
白ワインは、
「ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、シャルドネ」
の順に軽め⇒重厚になります。
ワインの初心者は、これら6種類を覚えておくだけで、ワインがいっそう楽しくなるでしょう、という・・
唐草図鑑本題 ⇒葡萄唐草文様
ギリシアのワインの器
ローマの葡萄だな、聖堂装飾
酢(ビネガー)
ギリシア バッカス神話
海獣葡萄鏡
(このページは 2001/10/07up:
最終チェック2012/01/12 2014-05-31 2016-09-25)