ヘロドトス「歴史」Herodotus(紀元前485年頃 - 前420年頃)
「紀元前5世紀から4世紀
アテナイの農村ではオリーブ油やワインの生産が進み、
エーゲ海や黒海沿岸都市に輸出していた」
・・ ギリシアこそ唐草文様の洗練の地とされる・・
葡萄唐草への助走です。
ギリシア神話では、葡萄酒の神は、「ディオニュソス」 Dionysos
ローマ神話では「バッカス」 Bacchusとよばれる。
・・その神話についてはページを改めることにし、古代ギリシアのワインの器を・・
Caravaggio (Italian 1571-1610). Bacchus, 1595 Uffizi Gallery, Florence
カラヴァッジョ 「バッカス」 Bacchus 1589-1600頃
イタリア フィレンツェ ウフィッツィ美術館
Uffizi, Florence(Wikipedia)
『若きバッカス』(1589年)カラヴァッジョ
このカラヴァッジョの有名な絵はちょっと、私には違和感がある。なぜだろうと思ったら、このバッカスの頭が
何か江戸時代の女性の頭に見えるせい…
文金高島田(^_^;;
その他にArts at Dorianさんが書かれているように(https://art.pro.tok2.com/C/Caravaggio/Bacchus.htm)「表情は物憂げで、疲れているようである。まるで祭りの後のバッカスである。豊饒の象徴であるはずの果物は、よく見ると腐っている。豊饒ではなく、衰退である。」ヴァニタスのシンボルですね。他に「病めるバッカス」(自画像)という絵もある。(※モデルについてこのイタリアのサイトが詳しい)
本題:
このバッカスの持っているグラスは…
現代のワイングラスと違ってずいぶん横に大きい??
なんという杯だろうか???と思わせられます
2008年5月大英博物館にて
クラテール…ワインと水を混ぜるのに用いた大型の甕
オイノコエ…杯に注ぐために用いた
オルペ…水差しのような形をした酒瓶で、口部が円形となったもの
カンタロス…高く上に伸びた垂直の把手を持つ高坏
リュトンは本来雄牛などの角を型取った角杯を指すものだが、
…動物の頭部を型取った坏に対しても用いられる。
キュリックス…〈二つの大きな取っ手のついた平らな皿の下に脚台をつけた杯〉
Web Resources
By Professor Herman Weis (1822-1897)
Wikipedia(en) Typology_of_Greek_Vase_Shapes
2012-01-30 現在76ケ載っている
ギリシアの酒器データベース
ギリシア陶器FAQもあります。
キュリクスは水平の把手を持つ高坏で、ワインを飲むのに用いられた。 オイノコエ
■(酒文化研究所 -酒文化アーカイブ-)
酒器 酒盃、 ギリシアの酒器(論考)
■東京大学総合研究博物館データベース
ギリシア・南イタリア・エトルリアの陶器 オルペなど検索できます
■ アサヒビール ギリシア「vino」=「ワイン」を極める
■https://www.pinterest.com/nikolanico/history-ancient-pottery/
◆ ギリシャ詞華集 (「ギリシャの箱(古典ギリシャ語)」さん
=5-261=== 引用 ==
「酒杯」と訳したのはキュリクスKylixという言葉です。ワイングラスのような深いカップではなく、お屠蘇に使う杯のようなお皿型の陶器です。日本の杯と違って耳がついています。たいてい綺麗な絵が描いてあり、使わない時は耳を壁にかけて絵を見て楽しみました。
直径20センチはある大きな酒器で、宴会の時はキュリクスにお酒をついでみんなで右回りに回し飲みをしました。
ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe)
われわれはだれしも酔っているべきだ⇒サンタ・コンスタンツァ廟の葡萄唐草文は
、『海獣葡萄鏡』P63 でも取り上げられています・・
「故人が天国にいることを表しているので、キリスト教徒にとって別の意味があった」という。それとは少し違う見解は・・『世界美術大全集 西洋編7・西欧初期中世の美術』「教会堂装飾の創始」(P121~134)名取四郎・・世俗美術との境界は曖昧で、世俗美術がそのままキリスト教徒の墓廟装飾に転用された例という。⇒4世紀のキリスト教徒の墓廟装飾
Photo 20170529 byM サンタ・コスタンツァ廟の葡萄唐草文
海獣葡萄鏡は、西方の葡萄唐草文に、 「海獣」と呼ばれる動物が躍動する図像の鏡である。西から東へと、動物・鳥を含めた葡萄唐草文の分析を行ない、葡萄栽培、ワイン醸造、結実する楽園に至る図像のルーツを探る。
古代オリエント博物館・ 岡山市立オリエント美術館 特別展カタログ[壷絵が語る古代ギリシア―愛と生、そして死 ]山川出版社
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