生命の木 聖樹

ザクロ  象徴:シンボリズム


種子が多い⇒豊穣のシンボル(古代ギリシア・ローマ)

ペルセポネが食べた冥府の食べ物
⇒冥府すなわち大地が
穀物の種子をはぐくみ豊かな収穫をもたらす事実と
ザクロに種子が多い事実の観念連合

ペルセポネもまた大地と豊穣の女神、穀物の種子のシンボル

キリスト教では
種子自体は死んでも、そこから新しい芽を吹く事実を、
復活と再生に結びつけた
それゆえキリスト教ではザクロは
再生と不死に対する希望のシンボルとなった

(平凡社百科辞典:山下正夫)

megami


Proserpine  1874
Dante Gabriel Rossetti (1828-1882)
Tate Gallery, London, England テイト・ギャラリー蔵(ロンドン)
1874 Oil on canvas 125.1 x 61 cm

ダンテ・ガブリエル・ロセッティ :”プロセルピナ”(1873〜77)

「彼女は暗い廊下に、致命的な果物をもって立っている。
彼女が通ると、後ろの壁に光が届き、(略)
一瞬地上の光が差し込む。
彼女はそれをちらりと見るが、また物思いに沈む。」

ペルシャ(イラン)原産で
ギリシャで「カルタゴのりんご」と呼ばれたくだもの
約2000年前、
ペルシャ北部の安石国からシルクロードを経由して
アジアに伝わった。
日本には平安時代に中国から伝来
日本で育てられた品種は
実の非常に酸っぱいもので、庭木として親しまれた
・・ということです。

黄泉の国の王の妻
ペルセポネ(ペルセフォネ)Persephoneno の持物
プルート(=ギリシア神話の冥府のハディスの王で
冥王、黄泉の国 暗黒 冥府の王、ゼウスの兄弟)の妃
ゼウスと
デメテル=(穀物豊穣の女神)の娘
Demeter=”メテル”は母の意味
”デ”は大地?麦?;
クロノスとレアの娘で、その娘
シチリア島のエンナの野で花を摘んでいたときで
ハデスにさらわれた、略奪された花嫁。

母デメテルが娘の行方を尋ねて世界中をさまようちに、
地上に五穀が実らなくなった。
そのためゼウスがハデスに娘を帰すように言ったが、
ペルセポネがすでにザクロの実を口にしてしまったため
死者の国の食べ物を食べた者は
冥府を去ることができないという。
そこでゼウスは
1年のうち3分の一の春から秋までを地上で母デメテルと暮らし、
残りを、 黄泉の国で夫ハデスと暮らすという条件で、
デメテルの怒りを鎮めた

それが、ギリシア神話における
春夏秋冬という季節があることの説明
にあたる・・

ペルセポネ…
多くの場合デメテルの分身として考えられ
一般に コレー(娘)と呼ばれて崇拝された、
デメテルとペルセポネは
ギリシア各地で祭られ五穀豊穣を祈る秘儀(エレウシスの密儀
テスモフォリア祭が
秋に女たちの手で行われた。

崇拝の中心地はエレウシスであった。
その神域はミュケナイ時代から存在していた
秘儀の由来を語る最古の資料はホメロス風デメテル賛歌であるが、
秘儀はこれより以前からこの地で行われていた
エレウシスが農業発祥の地であるという伝説
入信者には幸福な来世が約束されるという信仰の二要素が
奴隷を含む多数の信者を集めた理由であろう。
ローマ国教化後衰退し、アラリックの神域破壊で終局を迎えた。
(百科辞典:桜井真理子)

ホメロス風賛歌の「デメテル賛歌」(前7世紀末ころ)によると
エレウシスで王Keleosケレオスの子の乳母となった。
王子を不死にするために
不死の食物アンブロシアを擦り込み、
人間を不死身にする儀式として
彼を火の中に入れたところを
王子の母の悲鳴で中断され、
怒って本身を表し、神殿を築くことを命じた。

別の伝承では、
ケレオスの長子トリプトレモスに有翼の竜車を与え
麦の栽培を全世界に広めさせた
という。
(百科事典 :水谷智洋)

美術作品

エレウシスに母娘神とトリプトレモスを刻んだ
大浮き彫り(前5世紀中葉)

小アジアのクニドスから出土した
デメテル像(前4世紀中葉)

ローマ神話では、エトルリア語を経由して入ったため、
プロセルピナProserpinaとなっている
WEB検索
http://www006.upp.so-net.ne.jp/whitey/esoteric_text/eleusis.htm
エレウシスの秘儀
(錬金術がメインコンテンツのwhiteyさんのサイト)


ギリシア神話において地母神は
生命を創造する秘密の力を持つ神々として
男性社会の中で主神を中心とした公の信仰とは別の
独特の神秘的な信仰の形を持っていました。
そのなかでももっとも大規模で長い伝統を
持っていたのが
Eleusisエレウシスのデメテルの秘儀でした。

WEB検索
Atsushi Yamamotoさんの季節の花300
(http://www.hana300.com/zakuro.html)
”帽子状”のガクの部分は冠にも似ており
王冠をいただく果物として権威の象徴にもなった。
昔のソロモン王の宮殿の柱頭にはこのザクロが
デザインされた
という。

デメテルは娘に魔法の絵の具を与えました。
この絵の具で春の花に彩色するのがペルセポネの仕事でした。

ギリシャ神話
花物語 てぃんくの家 さん


昔、スキチアに美しい妖精がいました。
ある日、彼女が占い師に占ってもらうと、
「あなたはいつか王冠をいただくようになるでしょう。」と言われました。
喜んだ彼女は、「王冠を与える」と嘘をついた酒神バッカスに騙されて、
バッカスにもてあそばれて捨てられました。
身も心も傷ついた彼女は、悲嘆にくれて死んでしまいました。
気がとがめたバッカスは、彼女をザクロの木に変え、
その実の先に小さな王冠をつけました

民俗
鬼子母神伝説
特に日蓮宗で信仰されザクロの絵馬を奉納して
祈願したりお礼参りをする
鬼神王の妻で1000人の子の母。
安産の守護神
鬼子母神が手に持つ荷物吉祥果:神紋

丸果石川青果
http://www.maruka-ishikawa.co.jp/veg-fru/zakuro.htm
でも詳しく読めます

鬼子母神とは

お釈迦さんの時代インドで
訶利帝母(かりていも)と呼ばれる鬼神が、
子供をさらっては食べていた、
お釈迦さんは懲らしめの為にその末っ子を隠した。
驚き悲しみ半狂乱になった帝母に、お釈迦さんは、
子供をさらわれた親の嘆き悲しみを説いた。
帝母は改心して母と子を守る神(鬼子母神)となった

「紅一点」の解説には
王安石・咏柘榴詩の
・・による ・・とよくでてくるが、
この詩は七言でありながら、二行しかない・・
四行なければ詩にはならないので
調べたところ、
葛飾吟社さんの説明がありました

http://www.kanshi.org/riun/riunC-13.htm

萬緑の中や吾子の歯生え初むる    中村草田男
(昭和十四年の作)について
 山本健吉が中村草田男の「萬緑」は
王安石の『石榴詩』の一節
「萬緑叢中一点紅,動人春色不須多。」が出典と
解説したため、多くの俳句歳時記はこれを流用している
(但し「紅一点」と誤っているものが多い)。
諸橋轍次大漢和辞典は
「この句は人口に膾炙してゐて、安石の作とされているが、
実際は其の作者に就いては確説がない」とし、
王直方詩話も「一部だけで全編を見られず不明」
(余毎以不見全篇為恨。)と言っている。
片句の伝承だけで『石榴詩』の存在すら不明なのだ。

..ということのようだ。

ちなみに
中国の宋代の政治家・文人 王安石(1021〜86) とは・・

1069年48歳で宰相になり、大地主や豪商の収奪を抑え、
健全な中産階級を育成するための政策をふんだんに盛り込んだ
新法と呼ばれる諸政策を交布し遂行に全力を尽くしたが、
74年腹心の裏切りなどに遭い下野した。
86年反対派急報等が進歩のすべてを廃棄するのを
眺めながら66歳でなくなった。
(百科辞典:梅原郁)

中華探偵団
石榴の花は、紅の花の典型として扱われている

《補遺》
ろぶさんに教わりました

旅好きの妹がイランで食べた石榴は
ソフトボールぐらい大きくて、
すご〜く甘かったそうな。
テヘランの北にある
ザクロス山脈の名前から来てるそうな…(ほんとかな)

ざくろシロップ

リンゴやナシを意味するポメと
手留弾(Grenade)に関連した言葉のグレネド
シュリュウダンだって!!
似てるといえば似てる…
ザクロのお酒はコアントローでしたっけ…

DELさんに教わりました
イランのザクロのなかには、
中身がグレープフルーツ色のが
ありますね(薄い黄色)。
お味も、酸味の抜けたグレープフルーツ
みたいで、酸っぱくないです。
あま〜い品種もあるそうな。

> そうなんですか・・グラナダはどうかかわってくるのだっけ・・

もともとの、granum ツブツブの、grain, seed, small kernel)
という意味で、この果物に冠せられた名前ですが、その後、スペイン
にとても美味しいザクロで有名な町があり、グラナダと名づけられた
のだったはずです。

手榴弾も、まずツブツブ→ザクロ→全体の形、としてつけられた
名前でしょう。

ま、要するにgra系は、ツブツブが起源ということですね。

pomegranateはつぶつぶのリンゴmany-seeded appleから、

古くはpunic apple (フェニキアのリンゴ=カルタゴのリンゴ)
と言われましたが、これはやはりカルタゴが産地だったから。

WEB検索 文化
株式会社ペルシャザクロ薬品のコンテンツがいろいろ

http://www.zakuro.com/rekishi1.html
古代ローマ プリニウスの『博物誌』とザクロ
ディオスコリデスの『薬物誌』とザクロ
4インド アーユルヴェーダ医学とザクロ


http://www.makuya.or.jp/hikari/hana/zakuro.htm (列王紀上7章)

実はイスラエルの7つの産物の一つであり、
聖書時代からいろいろ装飾のデザインとして使われていました。

反ギリシア神話

リンモンRimmon(「ザクロ」(『列王紀』下 第5章18節)、
リムrim(「生む」)を語源とする
赤い果実と多くの種子を持つザクロは、
豊穣な子宮の原初的なシンボル


聖書植物園 ザクロは聖書の七産物の一つである。 ...
http:// www.seinan-gu.ac.jp
http://members.jcom.home.ne.jp/a-tkms/newpage21.htm
http://www1.kcn.ne.jp/~aida 1487年頃botticelliザクロの聖母

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初up2005年 8月29日(月)

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