獅子のシンボル
漢字の国にやってきたライオン
目次
ライオンから獅子への旅/
王権を誇示するライオン/
王城守護獣のルーツを探る
星と太陽とライオンと/
猊下のライオン
ネパールの宝珠を冠った獅子
獅子の国、獅子の山/
須弥山に吠える聖獣/
舞い踊るアジアの獅子たち/
________ここまでは「獅子」(4)
漢字の国にやってきたライオン
高麗にはいなかった狛犬
イメージジャングルの獅子狩
漢字の国にやってきたライオン
サンスクリット語の「シンハ」が「師子」となり「獅子」となった
古くは「師子」
と表記
「師子」=ネコ族の同類たち(子)の指導者(師)
百獣の王という聖域での評判をそのまま漢字で表している
面白いのはサンスクリット語でライオンを表す「シンハ」を意訳した語でもある点
「狻猊」(しゅんげい)はシンハの異音である「シンガ」に由来
(=貴人、大師匠)
・・ライオン伝説が古くから中国に流入していたことを示す
獅子のイメージを本格的にひろめたのは仏教
「獅子吼」=ライオンが吠えれば百獣がひれ伏すように、仏教の教説がほかの異学を圧してしまうこと
「獅子奮迅」=仏が三昧の境地に入ってライオンが奮い立つように大悲の身を奮い、人々に力を与える様
悟りを開いた仏は人間の獅子
仏たちが乗る座、乗り物=「獅子座」
大日如来の獣座として中国でデザインされた獅子型は「唐獅子」のルーツといわれる。(p80)
仏の中でも五台山を浄土とする文殊菩薩は、師子王の中の師子王
五台山は牡丹が咲き乱れ、獅子が遊ぶ楽土
⇒
日本の『石橋(しゃっきょう)』という能が、文殊の浄土に対するあこがれを民間に低yタクさせた。
⇒「唐獅子牡丹」、我が子を五台山の崖から落として試す獅子の子育て話
載せられている写真
明の十三陵の神道の脇の獅子
獅子の他、獬豸(かいち)、駱駝(らくだ)、象、麒麟(きりん)、馬、武官、文官、功臣の彫像が二体(立像、坐像)ずつ、計36体置かれている。
1435年(北京の北へ約50キロ)
載せられている写真
太和殿の前の青銅の唐獅子
(太和殿では皇帝が政治を取り行った)北京・故宮
安平橋(あんへいきょう)の亭の柱に添えられた獅子
(福建省の晋江、南安両県の入り江にかかる橋、長さ2070メートル、1138年)
魔除けの獅子の石敢当(せきかんとう)
中国民族は外から入ってくる悪い物に対して、迎え撃つ形で獅子などをおく。
「悪霊は直進してくると考えられている」(ふむ!)(p85)
海南島海口市の獅子像
(海南島は宋代は流刑地)
「大陸にない顔つき」(ほんと!)
韓国 智異山華厳寺の四獅子三層石塔
雌雄二対の獅子が合掌i~∧(-.-)する僧を守るように囲んで立つ
寺は6世紀創建 全羅南道
表情豊かで、頭の上に蓮華台を乗せている、。その上に塔
韓国 芬皇寺(ふんこうじ)跡の三層石塔の基壇の四隅でにらみをきかす獅子
雌雄二対の獅子が合掌i~∧(-.-)する僧を守るように囲んで立つ
634年(新羅の善徳女王)創建 慶尚北道
体に対する足の太さが実際とかけ離れている
高麗にはいなかった狛犬
狛犬も唐獅子も日本で新しい意匠を得た
日本人に最もなじみの深いライオン像は狛犬
狛犬と呼ばれる霊獣像は中国にも朝鮮半島にも見当たらない。
(日本で発明されたことば)
ルーツは中国の辟邪(へきじゃ)像・・
仏教を通じて獅子像が普及する以前から、貴人の墓を守り、王城の「魔を払う霊獣」の像がおかれた
辟邪(へきじゃ)・・よくわかっていないが、架空の動物であるい兕(じ)や獬豸(かいち)だといわれる(頭頂に角が付いていたから)
この辟邪は、仏教の守護獣である獅子とともに、「魌頭(きとう)」のデザインに使われ、これが獅子舞や舞楽の被り物となった。(p90)
舞踊の仮面として造形された一本角の辟邪像は、奈良時代から平安時代に日本に伝わった。
高麗(こま)からもたらされたので「高麗の犬」と命名されたらしい
その姿はやがて立体像となって、中国の元来の置き方だった守門・守城の辟邪像に変化した
普通は右に獅子像、左に狛犬像を置く
獅子を雄の象徴とみなして阿形(口をあけた姿)、狛犬をが逆の吽形(口を閉じた姿)にした
朝鮮半島には、狛犬はいないが、獅子像と、「角のある辟邪」像はある。
「辟邪の原型になったといれるや獬豸が、半島ではとされていることが面白い」(p90)
お金和のシーサー=火伏せの守護獣
日光東照宮 家康の御宝塔の前にある
鋳抜門(いぬきもん)1622年 椎名伊予の作
左に、角のある、眼光鋭い狛犬
日光東照宮 陽明門
木口かくしの獅子頭はじめ、龍、麒麟、鳳凰、唐獅子、唐子・唐子遊び、中国の聖人・貴人の彫刻でうまる
中央の龍は「目抜きの龍」1636年
霊獣の集大成のような門(見とれているうちに日が暮れる「日暮れの門」)
載せられている写真
日光東照宮 陽明門内側の一対の獅子(双方獅子)
載せられている写真
日光東照宮 陽明門
組物拳鼻(くみものこぶしばな)を飾る唐獅子の上半身丸彫り彫刻
東照宮の造形物の中で、唐獅子はその2割を占める
載せられている写真
日光東照宮 鋳抜門
家康の墓造営の功によって置くことを許された秋元但馬守泰朝(やすとも)奉納の狛犬
イメージジャングルの獅子狩
これはここまでと違って、写真はサブに回って、まとめ・見直しのページですね。
⇒次に続く
目次
ライオンから獅子への旅/
王権を誇示するライオン/
王城守護獣のルーツを探る
________ここまでは「獅子」(1)
星と太陽とライオンと/
猊下のライオン
________ここまでは「獅子」(2)
ネパールの宝珠を冠った獅子
________ここまでは「獅子」(3)
獅子の国、獅子の山
須弥山に吠える聖獣
舞い踊るアジアの獅子たち
________ここまでは「獅子」(4)
漢字の国にやってきたライオン
高麗にはいなかった狛犬
イメージジャングルの獅子狩
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