唐草図鑑

獅子のシンボル

イメージジャングルの獅子狩


獅子 王権と魔除けのシンボル (アジアをゆく)

(荒俣宏/著 大村次郷/写真 集英社 2000年12月刊)


稲荷のキツネ

以上、 獅子と狛(高麗)犬の関係を見てきたですが、
同じく門前(社前)にいるというイメージの稲荷のキツネ
それとの関係はどうなのでしょうか。
光文書院の『起源のナゾ』にある
稲荷のキツネの由来ですが、
平安時代の神仏混淆による、インドの女神ダキニ天の合祀である、と
(そういわれてもわからないのですが)
Wikipediaによれば

狐は古来より日本人にとって神聖視されてきた。 720年、既に『日本書紀』に日本武尊を助ける白狐が登場している。 稲荷神社の前には狛犬の代わりに宝玉をくわえた狐の像が置かれる例が多い

大体あらまた荒俣宏さんの「獅子」を読み終わってホッとしているのですが
上のように、狛犬の代わりに、とあるし・・・もうちょっと補足したい・・

Web検索
「神社には、普通狛犬がいるのですが、なぜお稲荷さんにだけは狐がいるんでしょうか。」 https://homepage2.nifty.com/osiete/s420.htm
狛犬ネットのキツネの研究「感動もののキツネに出逢うのは狛犬以上に難しい」 そうです。

読後のプチいちゃもん((笑))・・
非常に網羅的で、頭の整理になりました。
写真もすばらしくて、面白かったものの、背中合わせのライオンは、インドの石像より前に、エジプトにすでにあって、アケルというはず。

また、ピラミッド建設時代に、王墓や神殿の造営に携わった職人たちが画いたものに、ライオンとカモシカだったかでゲームをしている漫画(鳥獣戯画的風刺画)もあったかと。

エジプトのアケル

図説 エジプトの神々事典 』(河出書房新社)によれば、

「アケル」の名も「ゲブ」同様、《大地》を意味していると思われれる。
アケルの最も古い形は、一片の大地から人間の頭が隆起したものである。続いて、この形象に二つ目の頭が加わり、大地のしるしに両端に頭が一つずつ置かれた。
アケルはゲブが象徴しているような惑星というより、地表という意味。
二頭のライオンはアケルを形象化したものであり、地平線の番人であると同時に、冥界の一つのイメージ
アケル
(図byステファヌ ロッシーニ)


新帝国時代にはライオンの前脚が加えられ、二つの人間の頭はしばしばライオンの頭にとってかわられた。
こうして、形象の全体は二つのスフィンクスの外観を取るようになった。
最終段階になると、その像は背中合わせに座った形で描かれる地平のライオンの像と混同された。
地平のライオン
(図byステファヌ ロッシーニ)


アケルは二頭のライオンの形を取ることから、昨日と今日の概念、 さらに太陽が通過する場所である地平線の東西と同一視される


エジプトの風刺パピルスのライオン

新王国時代末期の「風刺パピルス」の一場面で羚羊(カモシカではなくレイヨウ?)がライオンとセネットというゲームをしているものがある。


テーベ、デイル・エル・メディナ出土 大英博物館蔵

蛇足:ライオンと羚羊というと、食べるものと食べられるもの。
こんな詩がありましたね。

Marzocco - Donatello - Mythological Painting Art
目次

ライオンから獅子への旅/ 王権を誇示するライオン/ 王城守護獣のルーツを探る
________ここまでは「獅子」(1)
星と太陽とライオンと/ 猊下のライオン
________ここまでは「獅子」(2)
ネパールの宝珠を冠った獅子
________ここまでは「獅子」(3)
獅子の国、獅子の山/ 須弥山に吠える聖獣/ 舞い踊るアジアの獅子たち
________ここまでは「獅子」(4)
漢字の国にやってきたライオン/ 高麗にはいなかった狛犬 ________ここまでは「獅子」(5)

イメージジャングルの獅子狩

イメージジャングルの獅子狩


1.ライオンの観相学

2.水とライオンの不思議な絆

3.ライオンの眠らない目

4.人面のライオン

5.ライオンのいない国々の獅子

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