唐草とともに
文明発祥の地メソポタミア。シュメール時代からアケメネス朝ペルシア時代まで、紀元前の西アジアに花開いた古代文明の姿を、最新の研究動向を紹介しながら、わかりやすく解説した入門書。(卒論・修士論文を準備する学生・高校教師向け)
Ⅰ.総論
1.アッシリア学史
※1E・ケムぺル Wikipedia楔形文字の項も引用している
英語では:Cuneiform script
大英博物館所蔵の楔形文字粘土板
※2
1802年、G.F.グローテフェント
(Georg Friedrich Grotefend, 1775–1853)は、
ペルセポリスのナグシェ・ロスタムNaghshe Rostamの碑文の写本を利用
https://en.wikipedia.org/wiki/Naqsh-e_Rustam
※3 H・C・ローリンソン:べヒストゥンにある磨崖碑文 The Behistun Inscription(紀元前522-486年)Wikipedia アケメネス朝ペルシアの王ダレイオス1世が、自らの即位の経緯とその正当性を主張する文章とレリーフを刻んだ巨大な磨崖碑。ベヒストゥン碑文がアッカド語楔形文字解読に果たした役割は、ロゼッタ・ストーンがヒエログリフ解読に果たした役割に相当する。
2・研究の手引き
まず何を見るか
研究の現状、道しるべ
巻末にある文献案内を利用して、探し当てる芋づる式のやり方が手っ取り早い
もう少し専門的な場合:『史学雑誌』毎年5月号「回顧と展望」の「古代オリエント」を参照するとよい・・・
インターネットは;シカゴ大学のオリエント研究所(※4)
シュメール語とアッカド語の習得は必須・・京都大学、早稲田大学、中央大学、筑波大学
中近東文化センタ(東京。三鷹)古代オリエント博物館(東京・池袋)、NHK学園
古代オリエント史の編年: 研究の最後に残された最終的な目標
初期王朝時代からアッシリジ時代における相対年代の決定
(シュメール王名表、バビロニア王名表、アッシリア王名表、アッシリア・バビロニア関係史)
西暦年代表記の根拠は天文観察記録
・・プトレマイオスはこの方法を利用・・
Ⅱ.
3.(この書の構成)
前三千年紀、前二千年紀前半、前二千年紀後半、前一千年紀に四等分・・国家の発展過程を捉えた
ウルク期:紀元前4千年紀
古代文明最古の都市文明(ウルク=現在のワルカ遺跡)
ウルク期末に文字が出現 複雑な官僚組織が出来上がる
ジェムデト・ナスル期:紀元前3200~前2900年頃
初期王朝時代:紀元前2900=前2335年)
初期王朝第3期後半から様子がわかってくる:20以上の都市国家が分立していた
アッカド王国時代:紀元前2335年~
サルルゴン
孫ナラム・シン
五代で事実上終わり
ウル第三王朝時代
古バビロニア時代・古アッシリア時代
中バビロニア時代・中アッシリア時代
(カッシート王朝、ミタンニ王国)
新アッシリア時代・新バビロニア時代
アッシリア帝国、新バビロニア王朝
アケメネス朝ペルシア(~紀元前331年)
このあと、古代のメソポタミア (図説世界文化地理大百科) M・ローフ著 松谷 敏雄 (監訳) を見てみます