カメイロス:、古代ギリシアのロドス島北西海岸にあった古代都市
Menelaos and Hector fighting over the body of Euphorbos.
Middle Wild Goat style. 紀元前600年頃
British Museum:
2015-09-21 上の陶器皿に対するWikipediaの説明がMiddle Wild Goat style??
http://www.gettyimages.co.jp/detail
Wikipedia項目
:Ancient Greek pottery from Kameiros
: ギリシャの世界遺産「ロドスの中世都市」、ラオコーン像の発見
Webの旅行記等:http://nabokov.seesaa.net/、
http://hulule-hulule-voyage.blogspot.jp/
塩野七生『ロードス島攻防記 (新潮文庫) 』聖ヨハネ騎士団1522年
「美術様式論」p184
図70 ロードス皿の彩描装飾
萼を片付くる超渦巻型はアッシリア式であり同時にエジプトにも根差す(p128)
一般的な装飾法はメロスと同様
(帯状に区分するデザイン、人物と動物像との間の豊富な散布文様による充填
植物文および渦文については、メロス陶壺ではミケの伝統を乗り越えたが、ロードスではミケネの伝統は押しやられ代わりにオリエントの特徴が示される
「美術様式論」p185
71図 ロードス陶壺の彩描装飾
オエノケの一つの帯圏の中央を形作るもの
一つの渦線渦巻形萼、その上に二つの戸尖った萼葉、その間にギリシア式パルメット扇形、四つの隙間の充填
「美術様式論」p173
72図 彩描文様を示したロードス皿 カメイロスの皿
周縁 ロータス花。蕾文様並列(エジプト原型)
流麗なロータスの影絵
中央部 蕾文様と渦巻型萼(エジプト美術では必須のもの)をもたない簡略なパルメット扇形が交互に並ぶ
エジプトの基本計による規則的なロータス・蕾文様並列デザイン(稀な例)
「美術様式論」p187
ロードス陶壺のロータス花・蕾の固形フリーズ
:ロドスではチピカル、ミケネ美術には例を見ない→ミケネ時代以後にエジプト・オリエント美術圏から借用したことを示す
アッシリアの将来といわれるゆえんは、花文様を円弧に固定するための結合帯があること(38図参照)、、エジプト風円弧フリーズの中間を充填するロゼットや小蕾文様をすっかり取除いたこと。
アッシリア美術は模倣形式なのでこれだけの特徴では説明が足りない。
ロドス美術における絡縄文の出現はアッシリアの影響を証明できるかもしれないが、アッシリアにまだ絡縄文の遺品が現れていない時代に、それはミケネにおいてすでに知られていた。(p163)ロドス絡縄文がアッシリアとはっきり違う点は、常に見られる外角の地間充填
エウフォルボス皿には単純な破風形、
ベルリンにある二陶壺では円形か水滴型、
クラソメネ陶棺ではパルメット扇形の狂信的な地間充填がみられる(アッシリリア美術には全くない)
メロス美術でも大きな役割を占めた渦文は、結合に便利で、かつ地間形成にも引き合いに出されるモチーフとし勢いを失っている。
渦文が花文様とっての萼の役割をするケースは、その後も続くのであるが、その場合でも花文様であり、これが基準となる。
渦文はみるみるその幾何学的意味を失い、代わって植物唐草となる。 そこにロードス美術(段階)の植物文様発展史上における主なる意味がある。
「美術様式論」p189
74図 ロード図皿 断片 カメイロス出土のテラコッタ
この雷文は菱形の巻きこみは下から上に曲がり、更に反対に向かう連続波状唐草の特性(50図)と同じ手法である。
大きな雷文の下についた小形の雷文は、唐草風の性質を過度にまで発揮している
「美術様式論」p190
75図 ロードス式アムフォラ
(Salzmann 46)
器胴中央には二つの渦線が相互にぶつかりあっているが、それらは唐草風に波動していなく、むしろ背触して一つの結束帯によって、むすばれている。
だが、二つの渦線を左右に逆にたどって行くとき、両側に上方に巻きこんだもう一つの渦線がみられる。その結果そこに連続波状唐草にあたる図形ができる。
ミケネ美術葉が展開した
器胴を美しく飾るために 大まかに描かれた個々のデザインの潜在的影響をみる。
アムフォラ肩部には、常春藤(ツタ)のような葉がある
頚部の卍文様(ミケネ美術に知られておらず、おそらくエジプ戸渡来)
ミケネ風であり、そこにオリエント的な影響を加味する。ディピュロンの影響はない。
カメイロス
Amphoriskos, Fikellura style, ca. 550–525 BC. Found in Kameiros, Rhodes.
寸法 H. 26.5 cm (10 ¼ in.), Diam. 9.5 cm (3 ½ in.)
所蔵ルーヴル美術館
Department of Greek, Etruscan and Roman Antiquities, Sully, first floor, room 40
「美術様式論」p191
76図クラゾメネ陶棺の彩描文様
ロードス風連続波状唐草の最も完全な例
花文様は、ここではすでに、単なる地間充填ではなく、完成した半パルメットである。
波状線のカーヴとそこから枝分かれした渦巻形との間に残った空間は、半パルメットによって余白なく充填されている。このパルメット扇形は、第64図のミケネの先例のように、渦巻型萼に同心円風に描かれている。
「美術様式論」p192
77図 (76図と同じ陶棺に見られる文様)
中央にロータスが直立しその左右に半パルメットが見られる。この半パルメットは76図のものと全く同一である。
(念のため76図の一部を回転し比較します)
「美術様式論」p193
78図 ロードス 彩描皿の一部
円弧フリーズが描かれ、それに外側に向いたパルメットをつける。このパルメットの左右の渦巻形狭間に、萼を充填すべきパルメット扇形を挿入
先駆形は66図のa(メロス陶壺)
二重渦線が主要であり、花文様は単なる充填用→それが逆になる
Vroulia cup, ca. 600–575 BC. Found in Kameiros, Rhodes.
紀元前600年頃と575年頃の間
技法 incising
「美術様式論」p194
79図 クラゾメネ陶棺
パルメット簡略系をロータス花側面系と交互に組み合わせる(クラゾメネ陶棺以前にすでに行われていた)
Ant.Denk.Ⅰ.44
逆のパルメットは後世の装飾法でしょっちゅう使用された。それがまず出現した動機と事情を 確かめることは重要。
卵飾刳型(くりがた)はすでに典型的な形を示し、ロータス・蕾文・並列の植物的特色は
まったく消失している。<
われわれは、ロードス美術の発展経路は新たに伝来したオリエント的ロータス・パルメット帯をもって完成したとみる。
そこに、のちのコリント・アッチカ美術における発展の萌芽があることは、すでにホルヴェルタが指摘している。
Arch.Jahred.1890,263
図78の植物文様の円心的な構成は、すでにアッシリア美術(図34)において知られている。有名なカメイロス発見の、4つの蕾とパルメット扇形からなる星型デザインは、古代オリエントの図形に密接な関係がある。
だが、ロータス花とパルメットとを交互に配置し、詰め合わすための正しい基礎付けは、渦文を萼形成のために全く自由に使用し、花文を単なる充填文様より開放して、独立文様にまで高めて初めてできる。
このような発展段階は「ロードス」美術に至って、初めて達せられた。
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